
スカイライン・クロスオーヴァーが出てずいぶん時間が経過したが、出てスグに実は試乗を行っていた。
僕は大き過ぎるクルマは大嫌いで、排気量もせめて3L以内が日本で使えるベストな選択だと思っている。そう考えると、最近の日産は北米ばかり目が向いていて、まともな日本向けのクルマが無いが、このスカイライン・クロスオーヴァーも最初にヴィジュアルで見たときは、大きなクルマだと思ったのだが、実際は、全長は約4.6Mで幅は1.8M丁度と、最近の馬鹿でかいクルマばかり見てるせいか、エラク小さく見えてしまった。
まったく「慣れ」とは怖いものである。
実際に1.8Mも幅がある物体を運転すると、普通に走る分には良いが、間違ってもイトーヨーカ堂やジャスコの屋内駐車場には入りたくないし、都内でも都心部の幹線道路以外、さらに私鉄などの駅付近の狭い道に入った暁には、そのボディの広さを怨んで止まないだろう。。。
大きさの恨み節はココまでに留めて置いて、冷静にエクステリアを眺めてみると、悔しいかな「美しい」と感じてしまった。
まずは真横から見たとき、フロントからリヤに流れるショルダーのラインが、微妙にウェーブしておりそれに呼応するように、サイドの断面が綺麗に弧を描いて陰影を醸し出し、絶妙な表情の変化を表現している。
単純にプレスラインが前後に走っているのではなく、それが強弱をつけながら「陰影」をつけているのが心を惹き付ける。
これはもう、日産ならではの美しい表現力で、トヨタがもっとも苦手とする部分だ。
トヨタ車の真横からみた表情は、どれもノッペリとしており、単純にカクカクか、意味不明なプレスラインが乱舞して見苦しい。今のプリウスだって真横から見たら、子供が定規で描いたクルマ如く、面に表情が無くデザインに何の感動も覚えないモンだ。
僕がスカイライン・クロスオーヴァーで一番気に入ったアングルが
リヤ斜め上からの目線で、同じ様なデザインのG11シルフィや、ディアリスのテールランプと違って、内側から盛り上がるような質感と、ボディの面や線と絶妙に溶け込んでおりさらに、ルーフの前後左右に弧を描く様子が分り思わず見とれてしまった。
マフラーも、最近猫も杓子も感がある、ビルトインタイプでなく、ボリュームのある大きさでズンズンと二本左右に出されているのが頼もしいでは無いか。
一方のインテリアだが、
この「ブラウン」の内装は、見た目にも触った感じでも高級感が溢れ、木目も渋めのカラーが使われており雰囲気が良い。
ただ気になったのがセダンでも、さんざん言ったのだがBピラーの位置関係だ。
後席 V36はセダンなのに。。これだけ大きいのに。。
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/3417129/
高いサイドシルもあって、さらに位置的にどうしても、外に出る時にはBピラー根元が邪魔して、足先が運び難いのだ。
この展示車も、展示されて間が無いというのに、Bピラーの根元付近には、靴で擦った跡が盛大に付いており、セダン共々この点は、ボディサイズがサイズなだけに、もっと改善して欲しかった部分だ、それでは後席の居心地はどうかと言えば、ルーフのリヤに行くほど絞り込まれるデザインとは裏腹にセダンより高さがあるので意外に圧迫感は無いし、何よりの美点は、
リヤシートに座ってスッと足を出せば、フロント・シートの下に潜り込ませられる事だ。これは、見落とされがちなところだが、シート下に足先が入るか入らないかでは、リヤに、よほど前後の長さがあるクルマでも無い限り、居心地が変るモンだ。
シート下に足が運べるだけでも、足をゆったりと前に投げ出されるし、疲れると人間は自然に足を前後左右に動かすものだが、その自由度が増え、疲労度が違う事は頭に入れておいても損は無いと思う。
さて、実際に動かしてみてだが、いやぁこれが実に乗り心地が良いのだ。
さらに車高が増したことによって、操縦性もダルになったかと言えば、短い距離しか乗っていないので、交差点での右左折や、街乗り速度でのレーンチェンジしか体感できなかったが、それでも、意外と思われるかもしれないが、セダンやクウペより舵の回転と、そこからイメージされるクルマの動きが自然で、下手をするとクロスオーヴァーが一番運転していて、何も考えずに、自然に運転できるのだ!!!
V36になって、セダンに乗ると、意外な程オッと思うくらいクルマが向きを変えるが、それが自分のイメージよりちょっと早過ぎるような気がする。決して不快では無いのだが自分のイメージよりワンテンポ早く、腰下が勝手に先に進むような感じだ。
これがクウペになると、より一層そう感じてしまうのだ・・・・
それがクロスオーヴァーには無くて、大きなガタイなのに街中でもスッスッと運転できるのだ。。。
デザインも良くて、操縦性も秀逸・・・でもねぇ、現実的に考えると、やっぱり1.8Mの幅は右左折のレーンがある、ちょっと狭目の幅のレーンに入ると実感するし、見晴らしが良いとは言っても、裏路地のすれ違いでは気を使ってしまうし、税金も3.7Lなんで
暴力的に高いしねぇ・・・・
これで幅がせめて、あと50mm狭くて排気量も3Lだったら、まぁまだデカイけど買いたいなぁとなる訳だ。
かつてゴーンは、排気量がデカかろうが、ボディが大きかろうが、値段が高かろうが、魅力的なクルマを造れば、人がディーラーに集まり、相乗効果で他のクルマも売れると豪語していたが、関東のディーラーを見て欲しい・・・・
土日なんて、ホンダやトヨタのディーラーには、家族連れであふれて、外から見てても、中で子供が遊んでいたり、たくさんの人がテーブルに座っている様子が分るのに、日産のディーラーときたら、人気も無く、煌々と明かりだけが灯っていて、なんとも寂しい限りだ。
良いクルマを造れば人が集まり、買ってくれるなんて、いくら良いクルマを作ってもニーズに合わなければ「幻想」に過ぎないんだけどねぇ。。。
スカイライン・クロスオーヴァーも実にいいクルマなんだけど、実際には買えないよねぇとなるのだ。
どうせなら、昔、その卓越したデザインと、動力性能で一世を風靡した
スカイウェイ って言う名前で一回り小さなヤツ造ってくれませんかねぇ。。。
ボディサイズは妥協できても排気量が3.7じゃあ大き過ぎますよ・・・・
セダンより乗りやすくて、下手をするとクウペより自然で疲れない操縦性のクロスオーヴァーなんだけど、いいクルマなんだけどねぇという事で終わってしまいそうな予感がしてならないのは私だけだろうかねぇ。。。
Posted at 2009/08/02 02:49:10 | |
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