
初代
Z こと、S30 系は奥が深い。
僕的には、「初期型」、「前期型」、「中期型」、「後期型」と考えているが、それとて、余りにも年度改善が細かくて苦し紛れに・・・なんだが。
まぁ、そんな細かい事は置いておいて、取りあえず「前期型」から「中期型」への変節を考えてみたい。
そうそう、その前に、前期型で消えてしまう「Z432」の「S20」について、意外に知られていない、GT-R と Z432 との「超」簡単な見分け方を一席。それは、ボンネットを開けて EX側 を覗けば一発で分かる。
GT-RとZ432のS20の違いは・・EXゾースト、エンヂンマウントは当然。実は一番簡単な見分け方はオイルレヴェルゲージの位置でした。意外に知られていないんですねぇ。
多くはマニアックに、EX の形状や取り回し、エンヂンマウントな~んて言われているが、僕的にはなんで皆さんはココを言わないんだろう!?といつも悩んでいた。
「オイルレヴェルゲージ」 の位置だ。
ただ・・・旧車あるあるなんだが、いつの間にか GT-R の S20 にとか、L 系から S20 といういうパターンもあるので注意が必要なんだが・・・
さてさて、ここから本題、「前期型」から「中期型」へのハナシなんだが、まず S30Z が登場したのが 1969年(昭和44年)。
それから、特に主要な輸出先である北米からの要求などなどで細かい改良が続けられた。
そうした細かい改良で、比較的大きな改良が 1971年10月 の改良で、240Zの登場に合わせて、リヤシャーシが大きく変わった。この段階が「前期型」へのターニングポイントになった事は、過日のブログでコメントした通り。
そこから「前期型」の世界が始まるのだが、実は、その間もこちょこちょこちょと変遷している。その辺りも触れながら「初期型」と「前期型」の違いと、「前期型」から「中期型」までの世界感をまとめたいと思う。
まずは 1972年9月、Zと240Zの速度計が、20Km/h からが 10Km/h へ密かに替えられた。
変更になっても「0Km/h」からでは無いのが日産の拘りか・・・
さらに、内装にも手が入れられて、インパネ周りの細かい部分と、ステアリングのスポークの四角い意匠が、初期型はプレスだったのが「穴開き」に替えられ、チョークとスロットルレヴァーの二本立てのエンヂンコントロールが、スロットルレヴァーが廃止され、チョークレヴァーのみとなった。
これが「初期型」代表の Z432 のインパネ。
初期型 ↑前期型 ↓
そして「前期型」代表の 240Z のインンパネ。大きな変更部は「スロットルレヴァー廃止」と、ステアリング・スポーク の四角い意匠が皆さんお馴染みの「穴開き」に。
そしてS30系 の細かい世界なんだが、240Z系だけ、マスタバッグ6吋から7.5吋 に変更。これがややこしいのは、2L系のマスタバッグの変更は後回しにされてしまった。
かなりマニアックなハナシになるが、更に細かく言うと、初期型は
5MT の プロペラシャフト は、前後フランジ固定の「フランジ型」。
4MT は、ミッション後端がスプラインの「スリーブ型」
だったのが、この時に全て「スリーブ型」になった。
さらに、細かい事を言えば、形状の変更に伴って、プロペラシャフトのジョイント間の長さも違って来ていて。まずは、1971年10月 のデファレンシャルギアが 35mm 後退したことによって、
5MT は「初期型」520mm が 555mm に、4MT は 537mm が 572mm に代わり、スリーブ形状の変更によって、すべてのジョイント間距離が 572mm に統一された。
ここでも分かる通り、一見すると何も変わっていないようで、実は細かい変更に次ぐ変更で、同じ S30系 だから部品も同んなじだろうと迂闊に手配すると、「付かない」、「合わない」という旧車あるある陥ってしまうので注意が必要なのだ。
そうした点も踏まえて、僕が考える「前期型」は、「初期型」の改良につぐ改良の中間期と考えている次第なのだ。
1971/04/11 レース・ド・ニッポン6時間 高橋国光・長谷見昌弘(ダットサンスポーツ240Z)
Posted at 2020/10/23 21:28:53 | |
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