
9月5日、いつもの様に東急東横線から横浜線に乗換、家へ向かった。
時刻は18時30分過ぎ・・・
これなら、駅からの19:00発のバスに乗れるな。。。と思った瞬間、車内放送用のスピーカーから非常信号のけたたましい音が聞こえたかと思うと、「緊急停止します!お気をつけて下さい!気をつけて下さい!」と言い終るか終わらないかの瞬間、いつもとは違う少し強めのブレーキが掛かった。
スピーカーの電源は切れていない、相変わらず「非常信号」の音が聞こえ、車掌の声が遠くに聞こえる。
「非常信号を受信しましたので、この電車は緊急停車致しました。詳細が分かり次第ご連絡します」の放送が。
間もなく車掌の、心なしか震えた悲痛な声で、
「この電車は、先ほど踏切にて人身事故を起こしました。これより乗務員が救護活動と、状況の確認を行います。」
「列車の運行再開までには、かなり時間が掛かると思いますが、絶対に列車から降りないで、車内でお待ち下さい。」
「繰り返しますが、絶対に列車から降りないで下さい・・・」
放送が終わったと同時に、エアコンの風が強くなりいつもより冷房が強くなった。。。
18:45前後
「これより車掌も救護に向かいます。繰り返しますが、列車からは降りないで下さい。。」
18:50頃
「レスキュー隊が到着し、救護に当たっています。」
車内は、ほぼ満員状態。前後左右に一歩づつ動ける状況の中、再度放送が・・・。
「車内の温度が上がることが予想されます。暑苦しい所がありましたら、お手数ですがお近くの窓を開けて下さい」
19:00頃
「現在、警察が現場に入り現場検証が始まり、さらに救護活動も続けられています。」
「運行再開には、かなり時間が掛かりそうです。帰宅のお忙しいところ、申し訳ありませんが、皆様のご協力をお願い致します。」
「繰り返しますが、列車からは危険ですので、降りないでお待ち下さい。」
意外に状況を知らせる車内放送が多いせいか、車内の雰囲気は平静だ。
携帯でメールを打つ姿は多く見受けられるが、電話をしている乗客は居ない・・正直、これは驚きだ。。。
19:20前後
「救護作業が終わり搬送が終わりましたが、まだ警察による現場検証が続いております。運行再開まで、申し訳ございませんがお待ち下さいます様に重ねてお詫び申し上げます。」
19:30頃
「次の中山駅まで、運行できるか指示を仰ぎ連絡を待っております。今しばらくお待ち下さい。」
19:35分前後
「大変お待たせ致しました。次の中山駅まで電車を動かします。」
「大変長い時間お待たせ致しました。。。発車致します。」
このとき、エアコンの送風が弱くなった。。。電車が動き出し、心なしか車内の雰囲気も明るくなった。
「この電車、鴨居、中山間での人身事故の為に現場を一時間五分遅れで発車致しました。」
「帰宅時の大変お疲れ様のところ、ご迷惑をおかけ致しまして、この放送にてお詫び申し上げます。間もなく中山です。。。」
中山駅に着く寸前の踏み切りで、救急車が止まって列車の通過を待っていた。
あの救急車に、事故に遭った人が乗っているのだろうか?
そして中山駅に到着、いっせいに乗客が降りる。
駅の放送があり・・・
「鴨居、中山間で人身事故の為に、横浜線全ての運行が中止されていました。ご帰宅時の忙しい中、大変ご迷惑をおかけ致しました。。。。」
しばらくして、車内放送で。。。
「運行再開の指示を待っております。今しばらくお待ち下さい・・・」
「業務放送、運行再開よいか?指示を待つ」
駅構内放送
「××系車掌へ、発車してヨシ」
まったく、いつもより早く帰れるかと思ったところでの、人身事故の遭遇だったが、今回の事故の最中での車掌の対応には、かなり関心した。
まずは、必要なときに必要な情報の伝達。
これまでに長く電車に乗ってきたが、意外にこういった気遣いが無い事が多かった。
事実、少しの遅延でもあまりにも情報が無いために、駅員や乗務員に、乗客が詰め寄る、喧嘩するといった様子を何度も見てきた。。。
さらに、事故発生時から車内のエアコンを強く効かせた事も特筆できるだろう。。。
電車のエアコンは、あまり除湿効果が少なく、通常のままだったら、ドアが開かないために、かなり蒸し暑くなって居たに違いない。
おかげで、車内でのイライラがかなり緩衝されたと思うのだ。。。
色々な事故などで、矢面に立たされる事の多い鉄道会社。
しかし、ちゃんとやればできる人間も居る事が分かったのは、私にとって朗報であった。
ところで、人身事故の内容だが、78歳の女性が犬の散歩中に、犬が逃げ、その犬を追って線路内に立ち入ってしまった・・・という悲惨な事故であった。。。
犬を追いかけたという行為の是非をともかく、尊い命が失われた事には、本当に心が痛んでしまう。。。
偶然だが、その列車に乗合わした一人としてご冥福をお祈りしたい。。。
そして、再びこの様な悲惨な事故が起きない事を願って止まない。