
よいよ明日からロードに出ます。
明日は福島で、明後日は新潟と・・・なかなか忙しい日々を過ごす事になりそうです。。。
さてさて、昨日はZ30ソアラのお話をしましたが、今日は二代目ソアラZ20のフロントグリル誕生秘話を・・・
2000CC以上の排気量のクルマを一般化させた立役者と言えば、税制が変わった直後に販売され、これもそこそこのHITとなった三菱ディアマンテを思い起こす人も多いでしょうが、それ以前、実は初代ソアラによって売れない・・と言われたオーヴァー2000CCのモデルがソコソコ売れてその先鞭をつけていたのでした。。。
ハイソという言葉が生まれたのも、トヨタのマークⅡブラザーズとこのソアラのお陰と言って過言ではないでしょう。。
さて、そのソアラも二代目に突入して、さらなる飛躍を遂げる事になった事は昨日述べた通りですが、デザイン的にもなかなか面白いアプローチを試みています。
このソアラを始めてみた時に、あたかもフロントグリルの凸面が宙に浮いた様な造詣に驚いたのですが、その造詣こそが今回のネタなのです。
これまでと違った価値観のデザインを提案したい・・・デザイナーの誰もが思う事ですが、それを実現するにはなかなか難しい問題が山積している事も事実。。。
量産性やコストなどなど、有形無形の障害があるものなのですが、従来の手法を見直す事によって、意外にそれが実現する事も多々あるのです。
二代目ソアラの開発人は、これまでの存在感を誇示するグリルから、エクステリアデザイン全てに呼応したグリルの創造を試みたのですが、グリルレスでは逆にその存在感が増し、行き詰まったところ、何の気なしにモックアップのモデルのグリルの部分に
「サランラップ」
をシワシワにして押し込んでみると・・・
光の加減で、サランラップのシワの頂点が光って見える・・・それも背後のラップは透明なので、あたかも浮いて見えるではないか!!
次にそれを量産できて耐久性のある材質を見つける事になったのだが・・・
ガラスは割れてしまう恐れがあるし、量産性にも難がある、必然的に樹脂という事になったのだが、耐久性や成形性などでなかなか良いモノがない・・・
これは実現できないか・・・という雰囲気がスタッフに漂い始めた時に、当時出来たばかりの「ポリカードネイト」はどうだ?という事になった。
早速、試作し、量産性、耐久性、透明度などの表現性が検討され、実際に採用されたのは、ほとんど発売前だったと言う・・・
発売されたZ20ソアラを見て、このグリルの存在に気づいた人は少なかったのだが、そこには想像を絶する開発人の英知と努力が込められていたのだ。。。
往々にしてクルマのエクステリアには、恐ろしい位の努力とか採用に向けた熱意が込められたモノが多いのだが、実際に発売されると、それがクローズアップされることが少ない・・・
初代フェアレディZのフロントフェンダーの深いプレス工法、二代目のRX-7のリヤハッチなど、よくぞ一枚板で蔵型のハッチを成型したものだ・・・
しかし、それが残念ながら多くの人に認められなかった事は、残念で仕方ない・・・・
このZ20ソアラのフロントグリルも、開発陣の努力の甲斐もなく、あまり好評ではなく1年と少しで、存在感あるグリルに代えられてしまった。。。
そんなメーカーとユーザーとの温度差を考えると、本当にクルマのデザインとは難しいものだと思うのであった。。。
Posted at 2005/09/14 13:13:04 | |
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