
先日ソアラのデザインについて、いくら開発者の苦労と努力があっても、必ずしもそれが報われない・・・事をコメントしたが、Z33にもそれがあるのだ・・・
例えばメーター周りのアルミパネルだが、この工法は薄く自由に成型できる方法なのだが、Z33の場合には薄さが災いして、成型時の「巣」などの発生が予想を超えて、不良率がクルマの部品としても異常に高くなっている。。。。
それでも、ホンモノの金属感を表現したいという開発者の意図が重視され現在も採用されているが、部品単体で見てもクルマの部品としては破格の高額部品となってしまっているのだ。。。
今回、Z33はマイナーチェンジを敢行したが、ここでも思わぬ部品が大きな問題となった。。。
それがエアコンの操作用のツマミ・・・「ダイヤル」である。。。
マイナー前は、樹脂のメッキ部品であったが、それが触った感触や質感で問題アリと多くのユーザーから声が寄せられた。。。
さらに追い討ちを掛ける様に、欧州の某車がこの部分にアルミの部品を採用してリリースしたのだった。。。
そこで、マイナー後は「ダイヤル」を樹脂から「アルミ製」に変更してさらにデザインも代える事にしたのだが・・・
デザイナーがデザインキャドでデッサンし、それがメーカーに提示された・・・
そこからが戦場であった。。。デザインキャドから、部品を作るために部分部分の数値化が図られ、図面かされたが、これを現在ありうる工法で実現するか?それが大きな問題となった。
形状は一見すると単純な様だが、実は微妙な曲線と曲面が多様されており、さらに操作性の問題から重量にも制限付けられた。。
とある方法では成形性は良いのだが、表面の処理が困難で行き詰ってしまった。
またとある方法では、薄肉化成型性は良かったものの、精度に問題があり、ダイヤルを回した時の節度感が悪く、また壁に突き当たってしまった。。。
さらに追い討ちを掛けたのが、表面の処理だ。
いかにも当たり前の色合い、風合いだが、実は今の日本ではどれも失われてしまった技術であったのだ。。。
かつては高級なオーディオでは当たり前だった処理の方法が、シスコンになり、それも海外で生産されるようになって、国内では殆ど見ることが出来ない手法になってしまったのだ。。。
しかし、開発陣は短い時間の中で、ひとつひとつ問題をクリアーにしてゆき、それらを解決していった。。。
そこにはメーカーの努力もあったが、下請けという影の立役者がいた事を特記しなければならないだろう。。。
今度日産のショルームでZ33のインパネを見ることには、そんなメーカーや下請けと呼ばれる影の立役者の姿を想像しながら、メーターパネルやエアコンのダイヤルを触れて欲しい・・・と思うのだ。。。
単純な部品であるがこそ、実は多くの英知が注がれている事を忘れないで欲しいのだ。。。
Posted at 2005/09/19 01:12:13 | |
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