
つらつらと、昔の雑誌などを読み返してみると、今となっては懐かしいやら、可笑しいモンが多々見受けられる。
特に今となっては、まったくの昔話になってしまったが、かつては、クルマのブランド同士のガチンコがあって、それぞれのライヴァルを応援するファンやマスコミのコメントやタイトルが非常に面白かったりする。
古くは、DATSUN ブルーバード と TOYOPET コロナ の熾烈な販売合戦を称して
「BC戦争」と、クルマのマスコミに留まらず、一般のマスコミでも大きく取り上げられていた。
「BC戦争」 でも、特に熾烈だったのが ブルーバードが410型 、 コロナがT40、50系 の時代で、お互いの営業がライヴァルを称して
日産は
「ブタッ鼻 コロナ」 と称し、
一方のトヨタ側は
「垂れ尻ブル」 とお互いを扱き下ろしていた。
ブルーバードが 510 にスイッチした後も、販売合戦は続いたが、ブルーバードの善戦虚しく、「内装の豪華なコロナ」 と言う、一般大衆に分かりやすい販売戦略で、機能的に上でありながら、質実剛健で豪華さに欠けていたブルに対して、豪華さで勝負したコロナが昭和40年代前半から暫く販売台数でブルを上回る事が多くなってしまった。
その反動で、ブルは豪華仕様を目指して内装も、外装も華美にした 610 、 710(ヴァイオレット) を出したが、今度は排気ガス規制やオイルショックで、質実剛健さ機能美が求められた時代に変化した中、やり過ぎたデザインが、時代に逆行する事になり、
「華美な豪華さ」 が逆に一般には受けず不遇の時代を長く過ごす事になってしまった。それでも、たまにブルがコロナを販売台数で逆転すると、
苦難 人が犬を噛むとニュースに・・・
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/137433/
なんて皮肉を言われる始末でねぇ。。。
その他にも、面白いっと思ったのが、以前もブログしたが、初代ラングレーを特集した記事の中で、とある有名評論家が、丸々パルサーのコンポーネンツを使って、いくらプリンス向けとは言え、単純にスカイラインのヘッドライトを移植した安易さを評して、これじゃ「ラングレー」じゃなくて
「アン(案)クレー」
じゃないか!と書いていたのも、日産ファンとしては悔しいやら、情けないやらで。
さらに、これはと思ったのが、R30スカイラインが、どんどんパワーアップして行き、ライヴァルを引き離していた当時、某自動車雑誌にスカイラインのライヴァルと目されるクルマ達のオーナーに街頭インタヴューをしていたのだが、
セリカXX のオーナーが言い放った一言が強烈だった!
「少々速くったって、あんな 便所のスリッパ の形みたいなクルマには乗りたくない!」
これには、流石に可笑しやら、思わずトイレに行ってスリッパを見て、R30スカイラインの H/T の画像と見比べた事は内緒である。
しかし最近は、よく言えば成熟したと言うか、悪く言えば、クルマに対して、そこまで感情を持たなくなってしまったせいか、そうしたオーナー同士の熾烈な争いを聞かなくなってしまった事に、少なからず寂しさを覚えるのは僕だけだろうか?
ある意味で、若者が、自分の所有するクルマ、憧れのクルマを応援したり、ライヴァルに嫉妬したりする姿って健全だったのでは?なんて思ってみたりもするのだ。
新しいマツダの企業CMを皆さんはもう見ただろうか?僕は、不覚にもあのCMを見て涙を流してしまった。
「最近、クルマにときめいていますか?」というドキリとする一言から入り、
「環境性能だけで、クルマを選んでいませんか?」 というトドメの一言が入る。そして
「環境への対応は社会的責任、決して選択肢ではない」 という、まさに今の閉塞感を打ち砕くようなコメントが入り。最後の一言に僕は参ってしまった。
「クルマを愛する人がいる限り」
「走る歓びを革新する」
「マツダの挑戦に限界はない」
SKYACTIV TECHNOLOGY ブランド篇
https://www.m-wm.com/cm/?link_id=ne
日産よ、お前にこれだけの熱意と情熱があるのか?
だからマツダのクルマたちが、どんなもんだ!?という愚問も聞えてきそうだが、これだけのクルマに対する思い入れを、確かな言葉で僕達に伝えてくれるのか?と思うと、情けなくて、切なくて悲しい気持ちになってしまった。
もう一度言おう。
「環境への対応は社会的責任、決して選択肢ではない」
というフレーズに魂を揺さぶられないか?。
よし!期待しようじゃないかと久しぶりに気持ちが高ぶってしまったのだ。
僕の性格は単純だ。
R31のクウペが出た時 CM の、あの「オートスポイラー」がグワァっとせり出てくるシーンと 「エリーゼのために」 を聞いて歓声を上げた、そんなトキメキをもう一度と、マツダのCMを見て思ってしまった。
古い雑誌や、マツダの新しいCMを見て、もう少しクルマが「ワクワクするもの」、「ときめくモノ」であり続けて欲しい、という願いを再認識した次第なのだ。
Posted at 2011/05/15 01:42:47 | |
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