
燃料キャップのセルフスタンドでの置忘れ多発という、実に嘆かわしい現実から、燃料キャップの今日明日を調べて来た訳だが、ワイパーと共に
「燃料キャップなんて進化が無い・・・」
なんて陰口(失礼)を叩くクルマ関係の御仁も実はいたのだが、それは勉強不足であって、燃料キャップも地味ではあるが大きく進化しているのだ。
考えてもみて欲しい、昔は普通の食料品のキャップと同じように、回せばいくらでも回せた、閉められたモンだが、現代の燃料キャップは、回そうとしてもラチェットが効いて、カチカチと効いて空回りしたりして回し過ぎを防止している。
音が出る事によって、回し過ぎを防ぐとともに、閉め忘れを防止する役割を担っている。
更に、環境問題によって給油口の形状などが大きくクローズアップされている。環境、環境と何かあると連呼する欧州から、
規制 ヘッドライトLED化は環境問題の落とし子
→https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/23797576/
ガソリンの給油についても環境問題のターゲットになっているのだ。
「蒸散」
つまり、給油中に揮発して大気中に拡散する事を防止せよというモノだ。なんたって、気温によってはガソリンはリットル単位で揮発するのだから、クルマの数を考えれば馬鹿にならないというモノだ。
体積 帰省直前なんですが、ガソリンは涼しい時に入れましょう!
→https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/27394426/
そこで十年くらい前から、欧州車の給油口にはノズルを差し込む前には、給油口を塞ぐシャッター、「ベンド」が採用されている。
給油ノズルを差し込むとベンドが押し広げられる。必要な時に開いて、そうでない時は閉じている。余分なガソリンの蒸散を防止する方式だ。
ノズルが差し込まれていない時は「ベンド」が閉じて、余分なガソリンの蒸散を防止している。ここから、
「じゃぁいっその事、燃料が漏れない様、吹き出しも防止できるように、キャップレスにしてしまおう」
という事で、キャップレス給油システムが開発されたという。
実は、昔からキャップレスの、ノズルを差し込みと給油できる仕組みはあったが、ベンドの精度や、タンク内での揮発したガソリンの圧力対策が上手く行かず、燃料漏れが多発して、いつの間にか衰退してしまったが、まずはフォードが凝った仕組みで、キャップレス方式を復活し、そして普及させている。
それが、フォードの 「Easy Fuel」 というシステムだ。
モノの見事にキャップレスを実現している。ガソリンの蒸散と吹き替えしを防止している。
見かけは単純なイメージだが、燃料洩れ、吹き替えし、内圧上昇に巧妙に対応できる構造になっている。
ノズルの形状などにも巧みに対応できる。さすがメーカーの逸品だ。
最近はGM でも同じようなシステムが採用され始めている。このキャップレスが増えれば、環境対策にもなり、そして、キャップ置き忘れも・・・・と思う次第なのだ。
リッドを開けて、後はノズルを突っ込むだけ!!
そうそう、前日のブログで、いっその事キャップと、リッドを一体化したら・・・というコメントを頂いたが、考えて見たら、昔の国産車には多く、キャップ剥き出しのモノが多くあったし、ちょっと前の亜米車にも、キャップが剥き出しのクルマが結構あったモンだ。
国産車では、130 フェアレディZ の燃料キャップがそうだった。
出た当初は、時代錯誤だとか、エクステリアデザインを台無しにしていると専門家筋には大不評だった。
燃料キャップひとつとっても、掘り下げたら意外な発見が有ったり、信じられない事に、キャップの置忘れがとんでもなく多い事が分かったりして、実に興味深かった。
燃料キャップ忘れ防止に、計量機にさえハイテクが投入されている事も、調べなければ分からない機能であった。
たかが燃料キャップ、されど燃料キャップ・・・・もう少し、燃料キャップにも愛情を注いで、置忘れなど無い様にして頂きたいものだ。
そして、メーカーの皆さんにも、色々と機能を考えても、それが活用されない現実を、もう少し胸に留めて欲しいとも感じた次第なのだ。
Posted at 2013/08/16 09:32:20 | |
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