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徳小寺 無恒のブログ一覧

2021年08月11日 イイね!

原理 モリブデン の滑る原理を探せ。

原理 モリブデン の滑る原理を探せ。 学校にあった、「二硫化モリブデン」を横流しして(笑)、オイルに添加していた事が発覚して「モリブデン」の作文を書くことになってしまった大学4年の秋。

 オイル添加剤の種類や、品揃え多さに驚く中、「モリブデン」にも種類がある事が分かってきた。

 じゃあなんで、「モリブデン」、正確に言えば「二硫化モリブデン」を添加すると摩擦があたかも減るようになるかと言う「謎」を説くべく、学校の図書館で専門書や、読めもしないが雰囲気で、何となくこうだろうと海外の文献を読み漁る日々が続いていた。

 「何となくこうだろう」と言ったのは、実は、帰国子女(男)が、「モリブデンみそぎメンバー」に居たのだが、英語が堪能な事と、専門書を読み解くという事が実は違うという衝撃的な事実を、彼を通して知ってしまったからなのだ(閑話休題)。

 まずは「モリブデン」ってなんだ?という事で分かってきたことは、


モリブデンが含まれた原石。

産出されるのは、中国と北米が殆んど締め、常温常圧下では非常に安定した「体心立方構造」の銀色の金属である事。

 比重は鉄より重く 10.28 もあり、融点は 2620 °C と知られている鉱物の中ではベストファイブに入る高温に耐える金属なんだそうだ。

 しかし、一般的には「モリブデン」の一言で済んでいるのだが、実際には「モリブデン」と、オイルなどに入れる「二硫化モリブデン」は親戚くらいの他人で、切り離して考える必要があるのだ。

 「二硫化モリブデン」は、その名の通り、モリブデンに硫黄が結合した合金で、落ち着いて物性を調べると、融点は 1200℃くらい(これが諸説あるのだ)なんで高温に強そうなんだが、これが意外にヘタレで、大気中では 350℃ から「酸化」してしまうので、大気中の高温化では使わない様にしているらしい(この辺りが図書館資料では限界だった)

 大気中がダメならという事で、真空中や宇宙空間の「潤滑」には大いに使われ、さらに停止や稼働を繰り返す大きな力が働く「潤滑」にも液体と違って、個体なので潤滑切れを起こさないので最適という事も分かった。

 停止や稼働を繰り返す場面と言えば、通常は石油系の潤滑剤が使われるが、停止時には摩擦部の潤滑剤が切れてしまい金属と金属が接触してしまうのだが、これが固形潤滑剤は、金属間に個体のまま残るので停止から再度動き出す際にも摩擦を減らす、焼き付きを防止する効果が有るのだ。


通常の液状潤滑は、動いてないと潤滑切れを起こす。軽荷重の場合は良いけど重荷重や停止と稼働を繰り返す機械の場合は命取りだ。(クリックでイラスト拡大)

 ざっと、固体潤滑のイロハの「イ」くらいまでは分かったが、「個体潤滑」の「モリブデン」は、実際には「モリブデン」単体ではなく、「二硫化モリブデン」が正確で、こっちも「モリブデン」と同様に、「輝モリブデン鉱」として産出される鉱物で、これが、あの黒色の「モリブデン」の正体という事がようやく整理されて理解できたという次第だ。


ここまで来て、ようやく「モリブデン」と、見慣れた黒色の「二硫化モリブデン」の違いが明確化された。

 それでは、なぜ「二硫化モリブデン」が摩擦低減に効果を発揮するかなんだが、これが単純なハナシではなく、原子構造まで行かないと解析できないのだった。

 ここからは、余りにも面倒なハナシになるので、単純化して「二硫化モリブデン」の世界を紹介したいのだが、まず、前にも書いたが、「二硫化モリブデン」は、モリブデンと硫黄の化合物という事で、簡単なモデルで描くと、


パープルが「モリブデン」で、イエローが「硫黄」の原子だ。

「モリブデン」の原子に、絶対離れないわ!と「硫黄」の原子は引っ付いて、これらが「層状」並んでいるのだ。

 「モリブデン」と「硫黄」は相思相愛で、テコでも離れようとしないが、「硫黄」と「硫黄」の結合は、まぁ「仲良くしましょうや」と軽く手をつないだ状態で、実はちょっと力が掛かると「硫黄」同士はいとも簡単に分離してしまうのだ。

ちなみに、こうした結合状態を「ファンデルワールス結合」って言うんだって。(閑話休題)


層状に並んだ原子構造で、硫黄と硫黄はいとも簡単に結合をやめてしまう。ズリッとスライドしてしまう。

 これがまさに摩擦を低減する仕組みで、金属と金属との間に入り込んだ、「二硫化モリブデン」が金属の隙間でズリっズリっと滑る事によって、金属同士の摩擦を軽減しているというのだ。

 ここで僕は、普段の体験からこんなことを思いついた。

 そう言えば、層状構造の物質で、いとも簡単にズリっと滑るのなら「雲母」、「マイカ」も同じじゃと思ったのだが、


「雲母」も層状構造で、簡単に板状に分解できるのだが・・・・

剥離は簡単なんだが、分子間の「せん断」、横滑りは簡単でなく潤滑剤としては適していないという事なのだそうだ。

 ここまで調べて、デスラー教授に報告に行くと、

「素人が直にオイルに混ぜた事と、摩擦が減るなら大量に混入しても良いのか」


デスラー教授の容赦ない攻撃に、僕は斜め45度に傾いて沈没寸前までになってしまった(笑)

という宿題をもらって、また図書館への通学が始まってしまったのだった。



モリブデン 二硫化モリブデン 添加剤
Posted at 2021/08/11 00:09:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ | クルマ
2021年08月10日 イイね!

論外 モリブデン の魔力に憑かれし者よ。

論外 モリブデン の魔力に憑かれし者よ。 皆さんは、オイル添加剤と言って思い浮かべるのは何か、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが「モリブデン」だろう。

 僕とモリブデンの出会いは、大学の頃で、その頃のイメージは、モリブデンを金属に添加すると、焼き入れ性が向上するとか、強度や靭性が上がるなんていう事で、強度の必要な ボルト や シャフト 類の設計をする時には、好んで「SCM」や「SNCM」を使っていた。

 さらに工作機械の加工実習で、工作機の摺動面の耐摩耗性や滑りを良くするためのグリス添加用に、また、別のグループが金属加工の切削性改善の試験の為に「二硫化モリブデン」の粉末があった。

 ある時、フト、「機械摺動面の摩擦が下がるのであればクルマでも・・」と思い立ち、実験に使用する「二硫化モリブデン」を「少量」拝借して、カストロール DC-TURBO に混ぜてエンヂンに注入すると、メカニカルノイズは減るし、いつもよりエンヂンが軽い!という事で、それを知った「悪友」も含めて、


エンヂンオイルに「二硫化モリブデン」を混ぜるとエンヂンはエラク調子が良くなったのだが・・

我も我もと「モリブデン教」の教徒が、ロータリーの燃料に「灯油」を混ぜてみた以来に増えたのだが、

(ロータリーに灯油は脱税になるので構内だけの遊びだったが・・・閑話休題)

悪事は長く続かず、デスラーによく似た東洋工業から大学の教授になった、金属加工の担当教授から呼び出されてしまった。

「こりゃこっぴどく怒られるなぁ」 と半泣きで教授研究室に入ったのだが、その時、半べその僕に向かって、


エラク怒られるかと思ったが、そうではなく・・・

「二硫化モリブデンを単純にオイルの混ぜるとは、徳小寺くん、君は馬鹿かね」

と。

 なんたってウチの大学には、何故か、ロータリー47士の残党は居るし、その他にも、さすがに 広大 には適わないが、エンヂンには一言も二事もウルサイ研究者が集まっていたので、そのデスラー教授も、内燃機関のイタズラと聞いて、居ても立ってもいられなかったのだろう。

 さらに、「モリブデンに足を突っ込んだからには、単位に関係なく、論文にまとめろ」と、遥かに怒られた方がラクな「宣告」を受けてしまった。

 それからが地獄で、同じように「二硫化モリブデン」を添加して、摩擦抵抗の低減の春を謳歌した連中と、ひと月で何某かの作文を書くために、必死こいて時間を過ごした。もちろん、自分たちに課された、卒業に必要な論文と合わせてだったので大変だった事は今でも良い思い出だ。

 そんなプライヴェートな課題が課されている事は、エンヂン好きな東洋工業OBの教授たちの間にあっと言う間に広がり、もちろん自分の担当教授にも伝わって、フォローするどころか、笑って「みそぎして来いや」と言われる始末で。

 まずは、クルマのオイル添加剤とはという事で、当時、廣島にあったカーショップ「モンテカルロ」に通って(笑)種類を調べてみた。そこで分かったのが、

1.金属表面コート添加剤
 「有機モリブデン」などの溶融性添加剤
2.メタルトリートメント
 「フッ素」、「硫黄」などの金属に直接働きかけ表面を滑らかにする。
3.固形潤滑材
 「二硫化モリブデン」、「テフロン」などの固形摩擦低減剤。

が売られていることが分かった。

 ここで、お恥ずかしいながら「モリブデン」って種類がある事を初めて知った次第で、まずは、その違いと、なんで「モリブデン」を入れたら摩擦が・・・という事を調べる事にした。

 その前に、その3種類について、これは、あくまで尻の青い大学生が、学校にある本や雑誌で考察したモンなんで怪しい事は重々前置きして、

2.メタルトリートメント
 謳い文句は、「エンヂン内のシリンダの表面をなだらかにして」とあるが、端的に言うと、シリンダの表面を「溶かして」なだらかにしていると言え、金属は良いけど、他の材質は大丈夫!?みたいなものと考えた。

そして、「有機」と「二硫化」モリブデンの違いは、となると、「二硫化モリブデン」はあくまで「固形」、「有機モリブデン」は科学的に合成された液状の物質という概念は、なんだか分かってきた。




モリブデン 二硫化モリブデン 有機モリブデン オイル添加剤 
Posted at 2021/08/10 00:02:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ | クルマ
2021年08月09日 イイね!

来客 台風一過 真夏の来客

来客 台風一過 真夏の来客 7月の末から8月に入ってから、続々と台風が発生して日本を狙って来た。

 台風10号は日本に接近したが上陸はせず大きく逸れて行った。それでも、未明から朝方にかけ、大きな雨音を伴って結構な量の雨が降った。

 ただ、幸いだったのは日が明けてからは雨も小降りになって、昼頃にはほとんど止んだ事だ。


続々と日本に台風がやって来たが 10号 は列島を逸れて大きな被害が無かった。

 夕方には雲間から青空ものぞく様になった。


まだまだ鉛色の空が広がっていたが、夕方には雲間から青空も見えて来た。

 その様子を2階から眺めていたのだが、ふと、階下の C26 を眺めるとルーフに何か載っている!?


ルーフに何か載っているぞ。なんだなんだ!?

こんな時、本当に目が悪い事が恨めしいのだが、とにかく急いで階段を駆け下り、 C26 のルーフを眺めてみると・・・


ルーフにの残った雨粒の中に、ポツンと ヒグラシ が。

 いやぁなんだが懐かしい、最近は泣き声は聞けど、近くで姿を見る事が無くなったセミ、ヒグラシが羽根を休ませていた。

 いやぁまさかねぇ ヒグラシ がこんな所に来るなんてと、暫く遠目に眺めていたが、何かのタイミングで飛んで行ってしまった。

 暑い日が続いているが、なんだかようやく夏の風物詩を見たような気がした。

 まだまだ、台風がやってきているが、それも穏やかに過ぎて行ってくれればと思っている次第なのだ。








Posted at 2021/08/09 12:02:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日常 | 日記
2021年08月02日 イイね!

隠蔽 スペアタイヤはここに隠そう。

隠蔽 スペアタイヤはここに隠そう。 ルノー・ドーフィン の、間違いなく設計者が悩んで悩んで、スペアタイアを収めたであろう、苦労の様子を前回は見て頂いたが、ドーフィン 以外にも実は多くのスペアタイア隠蔽の名車たちが存在する。

 幾つかコメントを頂いたが、そこから、実際の画像を見てご紹介したいと思うのだ。

 まずはスバルだ。

 スバル、富士重工時代から、技術者の考え方が色濃く出た仕様が見え隠れして、それをまた紐解くのも実に楽しいモノだ。

 サイドブレーキは駆動輪に掛かるべきだと、長くフロントにサイドブレーキが装備されて居たり、FF なので少しでも駆動輪に荷重をかけたいと言って、


駆動輪に、荷重を確保したいという思想から、スペアタイアまでエンヂンルームに押し込んだ。

スペアタイアまでエンヂンルームに押し込んでいた。

 次に紹介するのは、初代ホンダZだ。

 初めて、Zのモデルが本田宗一郎に披露された時、宗一郎が

「尿瓶みてーなデザインだなぁ」

と言った話は有名なんだが、どっこい、このZは、考えに考えられてデザインと造り込みがされており、スペアタイアも実にスマートに隠されていた。


スペアタイアと工具が実にスマートにリヤに収められていた。これが現代のN VAN にも生かされている。

 そして、最近のミニヴァンも実はスペアタイアの所存に困っている。

 標準的には「パンク修理キット」でスペアを無くすことが多いが、一部車種にはOPでパッセンジャーサイドに装着できるようになっている車種が多い。


セレナにもオプションだが、スペアータイアをパッセンジャサイド下に装着できる。


 こうして見ると、スペアタイアひとつ取っても、各社各様に色々な思いが取れて面白いのだが、実にもっと拘ったメーカーが英国にあった事をご存知だろうか。

 それがこれからご紹介する Bristol Cars(ブリストル・カーズ)だ。

 この ブリストル・カーズ は、実に小さなメーカーなんだが、最近話題になったのは、Bristol Fighter だろう。


コイツの「Tモデル」は、最高出力1,012PS、最高速度430km/hというとんでもないスーパーカーだ。

なんたって、2007年に売り出された「Tモデル」は、最高出力1,012PS、最高速度430km/hという高性能を誇り、ブガッティ ヴェイロン なんて眼中にないくらいのスーパーカーだ。

 Bristol Cars は、英国に残る、数少ない 純英国資本 のメーカーなんだが、まぁとにかく変わっていて、宣伝なんて一切やらない、知る人ぞ知る、知っている人しか売らない言うというメーカーで、じつは歴史は長いのだが世界的にはほぼ無名だ。

 1950年代に存在した 400 シリーズは、当時としても高性能で、車内に入れば、まさに英国車の薫り高いウッドの世界が広がるのだが、




400 シリーズの中でも傑作の声の高い 410 シリーズ。外装も内装も実に丁寧に作り込まれている。

 この 400 シリーズには、Bristol ならではの拘りが存在するのだ。まずは エンヂンルームを覗いてみよう。


クライスラー製V8エンジンが搭載されているとはいえ、ちょっとエンヂンルームが狭くないか。

V型8気筒 5,211cc、OHV、最高出力:250 bhp/4,400min-1 最大トルク:340 lb/3,800min-1 の強心臓を、なんと 3速 AT で 200 Km/h 以上の世界に誘ってくれるのだが、いくら巨大なクライスラーV8とは言え、エンヂンルームが狭くないだろうか。

 実は、ここからが Bristol Cars の拘りで、レフトサイドに回って、フロントフェンダーを開けると、


左のフェンダー内には、出荷段階では 205VR15 PIRELLI CINTURATO が隠されている。

なんと、そこには出荷段階では 205VR15 PIRELLI CINTURATO のタイアが隠されていた。

 そうなると反対側も・・・という事で、


反対側には、バッテリーと、マスターバッグ などなどが収められていた。

目立つのは、バッテリーとブレーキ・マスターバッグなどなどが隠されている。

 フェンダーと言えば、トヨタ2000GT のバッテリーとエアクリーナーが有名なんだが、上には上と言う訳で、Bristol 400 シリーズ は、スペアタイアまでも押し込んでしまったという次第なのだ。

 こうして駆け足で、一風変わったスペアタイア事情をご紹介したのだが、こうした変わり種には、それぞれの設計思想が脈々と流れており、それを読み解く事も実にクルマの世界を知るには面白いという事を、ぜひ皆さんに知って欲しかったと思う次第なのだ。












Posted at 2021/08/02 03:59:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | タイア | クルマ
2021年08月01日 イイね!

置場 スペアタイヤの置き場の設計には悩むもので。

置場 スペアタイヤの置き場の設計には悩むもので。 もう何十年も道路事情が良くなり、パンクの心配が少なくなり、スペアタイアの存在も多くのドライヴァーの記憶から遠のいてしまっているが、僕が子供の頃は、まだまだ未舗装路が多く、保安基準でも装着タイアのサイズのスペアタイアを載せておくことなんて言うお決まりがあったので、どのクルマもデカイ、標準サイズのタイアをスペアとして車載していた。

 そんな影響で、二代目のフェアレディZ、S130は主な輸出先の北米では、ラッゲージルームのドライヴァーサイドに、SST、スペースセイヴァータイアが載っていたが、石頭の日本の運輸省は、前例がないというお得意の論理でSSTを認めなかったから、


SSTが認められなかったS130Z前期は、デンっと標準サイズのタイアが載っていて邪魔だった。

ラゲッジルームの面積のほとんどを占める形で、デンっと載っかって貴重なスペースを犠牲にしていた。

 そうしているうちに、外国からの圧力と、櫻井眞一郎を中心とした業界の陳情が功を奏し、S130Zも後期からはSSTが認められ、R30スカイラインからは「テンパータイア」も認可されるようになった。

 そうなると、薄い軽いスペアタイアは、置く場所の自由度が増して、トランク内に立てて側面に貼りつく様にとか、前後のスペースに立て掛けられる様になった。

 そんな中、いやぁ初めて見た時にビックラこいたのが、初代アルシオーネで、


走る三角定規とか、スバルのCADには曲面と曲線の指示がないなどと散々陰口を叩かれたモンだ。(笑)。

鋭角 初代アルシオーネって何だったんだろう?
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/755953/


トランクのどこかにスペアがあるだろうと捜すも見つからず、取説を見て初めて気づいた置き場所が、


トランクの左右、前後、底面ではなく「上」にスペアがあった。テンパーとは言え重かった。

ウエッヂシェイプとは言え、どだい薄い上下幅に燃料タンクという事で、スペアタイアはトランクの「上」に吊られていた。

 まぁテンパーなんで、薄くて普通より軽いとはいえ、実際に出し入れしてみると大変だったモンだ。

 しかし、上には上がシッカリいるモンで、なんと標準タイアで、まさかこんなところにという柔軟な発想でスペアタイアを隠した「偉人」が存在した。

 1950年台中盤から、1960年台、欧州はおろか世界中でノックダウンされ、実は壊れるのはフランス車なんで仕方ないが(笑)、名車と言われた、「ルノー ドーフィン」がそうだ。


曲面とまろやかな曲線でデザインされたドーフィンは見た目お洒落なクルマだった。

 曲面とまろやかな曲線でデザインされた「ドーフィン」は、実におしゃれな雰囲気が漂う、まさにフレンチ・コケティシュなクルマで、


当時のルノーお得意の RR 方式でエンヂンが後方にあり、室内は静かだし広くて使い勝手も良かった。

この頃のルノーの方程式通りの「RR」方式で、室内は静粛性が高く、広かったので、デザインヨシ、使い勝手もヨシとくれば売れるのも当然で、ある意味ルノーの良い時代の代表する一台であった。

 しかし、いざスペアタイアを取り出すとなると、カエルか魚類なのかと思わせる姿形に結構人々は驚いたモンだ。


ドーフィン のタイア交換で魚類を思い出した人は結構多かった様で、欧州でも今でもネットネタになっている。

 RR方式で、コロンと丸い小さなヒップを実現するために、リヤにはスペースは無く、広い車内は犠牲にしたくないし、フロントトランクも狭くしたくない・・・という事で、ルノーの技術者はこんなところにスペアを仕込んでしまったという訳だ。それが、


より目のヘッドライトに凸型のバンパーデザインも相まって「べぇ~」と言う感じでスペアが出てくる・・・

健康診断のベロを「べぇ~」と出したように見える、フロント部分にスペアを隠してしまったという次第だ。

 通常はカヴァーに隠れて見えないが、カヴァーを開けると、これは同時代の「ドーフィン」のクウペ版「カラベル」なんだが構造は「ドーフィン」と同じで、


ルノーのスペアタイアの保管の様子はこんな感じ。上唇に下唇で口の中はと言う感じ(笑)

正に上唇と下唇があって、口の中は・・・というデザインだった。

 「ドーフィン」は見た目のインパクトで、今でも欧州ではネットネタでたびたび出てくるが、これが英国になると、生真面目な性格が構造にも表れるというスペアタイアの隠しモードが存在した。













Posted at 2021/08/01 09:13:20 | コメント(3) | トラックバック(0) | タイア | クルマ

プロフィール

「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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