アウディS1試乗で思ったこと

個人的にはクルマは古今東西問わず好きですが、その中でもフランス車やイタリア車は特に心の琴線に触れるクルマとなります。

それら以外で自分自身の最近のヒットでもある一台としてドイツの名門アウディS1はどうしても外すことはできません。

昨年11月に満を持して日本販売開始したS1なのですが、このクルマが好きな理由としてアウディとしては久しぶりの3ペダルMTモデルだから。

ひと言付け加えておくと、アウディのスポーツカーたるR8にもRトロニックだけではなく3ペダルMTモデルの設定があります。

ただし、こちらは車両価格が望外に高額なので、やはり別格でしょう (^_^.)

ということでS1。意外にもアウディの3ペダルMTモデルはしばらくの間日本のラインナップから消えておりました。現行TT-RSの導入初期に設定がありましたが、程なくしてフェードアウト。

つまり、TT-RS以来ということになります。

振り返ってみると、アウディの3ペダルMTモデルはずっと以前には初代S3にもありましたし、

　　≪Audi S3≫
初代A4クワトロ1.8Tや初代TTクワトロ1.8Tなどにも。

　　≪Audi TT Quattro 1.8T≫
主にクワトロを中心に設定がありましたね。

さて、アウディS1の素性の良さはWeb記事でよく目にしていたので、とても気になる存在でした。日本導入間もない昨年12月にディーラーを訪れて実車を見てきました。展示車を眺めている目の前で、担当セールスマン氏から現車が売れたと聞かされ、人気の高さを思い知りました。
（参照： 気になる一台アウディS1 ）

機会があれば、S1に試乗してみたいと思っていたところへ、ディーラーに試乗車が用意できたとのことで、過日試乗する機会に恵まれました。

試乗車はスポーツバック。

エンジンプッシュボタンを押してエンジンに火を入れます。展示車両では気付かなかったのですが、クラッチはかなり重め。扱いやすい現所有車の208GTi のクラッチとは違い、緊張感をもって始動することを迫られます。

担当セールスマン氏から高速道路の試乗もどうぞと勧められたので、ご厚意に甘えてまずは高速走行へ。オドメーターが500kmほどしか刻んでいなかったので、エンジンを回すことは憚られました。なので、本来の性能をほとんど体感することはできませんでした。

高速道路を降り、一般道から山へと繋がるワインディングロードを試すことができました。エンジンが2L・231psの強心臓の持ち主。

なので、こちらの道の方がS1の性能を試すには絶好の道のようでした。上りの道ではかなりの勾配を3rdでもグイグイと引っ張っていき頼もしく感じます。

その先のワインディングでは、コーナリングで粘る足廻りに好感を持ちました。それと、18インチのタイヤ＆ホイールを履いているにも関わらず、バタバタとした感じが一切なく履きこなしているといった印象を受けました。

208GTi の足廻りの方がむしろ硬いと感じたほど。

また、シフトストロークが短いので、シフトチェンジの際もスパーンと気持ちよく操作できるのでかなり好印象をもちました。


車内では担当セールスマン氏といろいろな会話をしました。これまでに何台か受注をもらっているとのことで、気に掛けている顧客はそれなりにいるようですね。中にはコンパクトなMTモデルをずっと心待ちにしていたという方もいらっしゃるとか。まさにドンピシャな一台だったでしょうね。

およそ50分の試乗は終わりました。高速道路や一般道、ワインディングなどを走ることができ、なかなか貴重な経験でした。

試乗を終えて、カッチリとした感じはさすがドイツ車だなぁと感じさせられた部分。コンパクトでありながら、操る楽しさがあるのはアウディS1ならでは。久々に欲しいと思った一台です。

たった一時間足らずの試乗でしたが、現代のホットハッチとも呼べるS1は気持ちよく決まるシフト操作で意のままに操る楽しさは素晴らしいもの。やはり素性の良さは本物と言えるでしょう。これで価格がスポーツバックでも430万円というのはスペックから考えればコストパフォーマンスに優れているかも。…がしかし、私にとっては高額です(*_*)