E30 320i MTモデルにみる3ペダルMTの存在意義

いつものように中古車サイトを眺めていたら、出逢ってしまった珍しいクルマ。それがコチラ↓

　　≪画像は拝借しました。≫

BMW E30（2代目） 3シリーズクーペ。シルキーシックスの320iです！　日本では1983年から1990年頃まで販売されました。


　　≪画像は拝借しました。≫
リアコンビネーションランプの意匠で前期か後期か区別が付くのですが、件のE30クーペは前期モデル。1983年から1987年頃までのモデル。

サイトによると、件のE30クーペの初度登録は1987年10月とのこと。およそ30年余り経つというのに、外観だけをみるとコンディションは抜群に良さそう。30年も現存していたことに驚きです。ちなみに、BMWジャパン取扱いの正規輸入車とのこと。

さて、このE30クーペの珍しさは何も年代だけではありません。


　　≪画像は拝借しました。≫
なんと、希少な3ペダルMTなんですね！　この当時、BMWジャパンが3シリーズにMTを設定していたなんて知りませんでした。

と言うことで、E30（前期型）に関する当時の総合カタログを引っ張り出してみました。

1987年2月発行カタログ。


これは3シリーズ（E30）の紹介ページ。

このページにはこんな記載がありました。

「スポーツ派のためのマニュアル・トランスミッション車もラインアップに加わっています。」

これですべて解決しました！　やはり、間違いなくカタログモデルとして存在していたのですね。

ところで、現行F30セダンには非スポーティモデル（スポーツ・Mスポーツ）に3ペダルMTを現在でも設定しています。

　　≪画像は拝借しました。≫
プレミアムブランドの決してスポーティモデルではないベーシックモデルに3ペダルMTを設定することに大きな意義があると感じます。

3シリーズ全体に占める3ペダルMTの販売シェアはたかだか１％にも満たないはず。それを少なくともE30の時代から今に至るまで30年間ずっと設定し続けています。

これはつまり、BMW3シリーズのMTモデルを好む顧客が一定数存在することを意味するのだと思いますが、BMWジャパンは彼らのためにずっと用意し続けているのでしょうね。何て素晴らしい会社なのだろう。

今回たまたま出逢ったE30クーペから、3ペダルMTの存在意義を改めて考えさせられました。2ペダルが主流になる一方で、激減する純粋なMTモデルですが、やはり意のままに操る楽しさは何物にも代えられませんね。