ちょうどバブル景気真っ只中で、トヨタや日産に倣って、マツダも多チャネル化を積極的に推し進めていました。
マツダ店・アンフィニ店・ユーノス店・オートザム店・オートラマ店
と最大5つもの販売チャネルを設けていました。まさにトヨタ並みのチャネル数です!
その中でも、ユーノス店は以前からとても強く興味を持っていました。理由は二つ。一つには誕生した背景が一体何なのかということ。二つには輸入車ブランドにシトロエンを選んだこと。
先日、三栄書房の「ユーノス ロードスターのすべて」の復刻版を購入してみたのですが、ユーノス店の誕生について興味深いことが書かれてありました。
当時は「マツダ店」・「マツダオート店」・「オートラマ店」の3つの販売体制でしたが、それ以外にマツダは4つ目の販売チャネルを作りたかったようです。その理由について、次の記載があります。(概略なので、多少表記は異なる。)
1つ目の理由・・・マツダの課題である国内販売比率の向上
フォードとの協力関係にあり、アメリカやヨーロッパで高く評価されるモデルがある一方で、国内マーケットにも注力する必要がある。
2つ目の理由・・・大都市マーケットへの攻略
常に新しいモノを求める大都市で話題を提供していくことはクルマメーカーとして望むこと。ロードスターはそれまでの日本にはないまったく新しいカテゴリーで訴求できる。
3つ目の理由・・・乗用車販売比率の向上
トヨタ・日産・ホンダに比べ、ラインナップ数は少ない。ロードスターをイメージリーダーとして新車種、輸入車を加え、開拓する。
4つ目の理由・・・高級車・高額車の販売
今後のユーノスチャネルにマツダがどのようなモデルを与えるかを占う上で重要なポイントとなる。
海外では評価されるモデルが多い中、国内販売はシェアがあまり伸びず、将来を不安視するマツダにとって、国内販売強化を打って出たのでしょう。販売チャネルを増やすことは当然の考えと言えるでしょう。
ユーノス店はすでに稼働していたオートラマ店同様に、「異業種参入」形態を取っています。クルマとは無関係の企業がディーラー経営に乗り出したことは特徴ですね。
記事によれば、ユーノス店開業に際して、食品・家具・建設・石油・不動産・鉄道・デパートといったクルマとは縁のない企業が経営に加わろうとしているよう。
企業としても、新たなビジネスチャンスと捉えて、乗り出そうということですが、まさにバブル景気だったからでしょうね。
ユーノス店の販売戦略として、”Each Own Mobile“(=その人だけの一台を)のコンセプトで、台数限定モデルを用意すること。台数限定ではありませんが、ロードスターのVスペシャルはこうしたコンセプトに基づくものか。
ところで、シトロエンを輸入販売したのも当時のマツダ(ユーノス店)の特徴でした。西武自販がすでに業務として担っていたにも関わらずです。
当時は2つの輸入販売元が存在したので、PDI業務がまったく別という不思議な事態が起きていました。カタログもまったく別でしたね(^_^;)
ユーノス店の考えによれば、「ユーノスが作るシトロエンのイーチ・オウン・モービルには、特別な思い入れを込めたい。」とか。結局、シトロエンのユーノス限定モデルのようなものって発売されましたっけ?
記事の最後には、ユーノス店の壮大な計画として次の記載がありました。
5,000坪や10,000坪とかいった広大な敷地に「ユーノス センター」の建設。内容としては、新車のためのショールーム・オリジナルグッズのショップ・イーチオウンモービルを造るファクトリー・中古車展示場・サービス工場・レストラン・コーヒーショップ等の敷設・・・と。
壮大すぎるスケールにただただ唖然とします。バブル景気とは本当に恐ろしいものですね。
ユーノス店はロードスターを筆頭に、100・300・500・800、プレッソ・コスモ・カーゴなど年を追うごとにモデル数が増えました。
他の販売チャネルと相まって、マツダのモデル数は増えたことは事実であり、その中でもユーノス店の果たした役割は大きいと言えるでしょうね。
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