最近、メルセデスやVolkswagenで背の低い5ドアワゴンをShooting Brakeと呼んでいるようです。
従来の自動車のShooting Brakeとはどんな車だったのか?
英国で最初の量産型シューティング・ブレーク、
Reliant Scimitar GTE(1968‐86年)。
FORDの2.9、2.8LのV6を積み、135馬力。
FRPボディーで車重1,200㎏程度にFORDのV6ですから、1970年代当時としては結構スポーティーだったと思われます。
初代が6,600台強、2代目が1,000台弱の計8,000台弱が生産されました。
あの
三輪車のReliantが製造していた高級スポーツカー。
シューティングブレークのスタイルの基本は、2ドアクーペの屋根延長版。
車高が低く、荷室が長い。リアハッチはガラス部分で開閉。
シックなスタイルにシックなカラーですね(^^)
シミターGTEは英国王室アン王女の長年の愛車だったようです。
Jensen Interceptor(1968‐76年)。
イタリアのカロッツェリアデザインのFRPボディーに、クライスラーV8エンジンを載せた、英国のコーチビルダーのジェンセン社が製造していた高級スポーツクーペ。
ジェンセン・インターセプターは、厳密にはShooting Brakeではありません。
リアを見るとクラスエリアが大きい3ドアハッチバッククーペです。
しかし英国の旧車雑誌では、この2車の成り立ちや時代が似ているため、並んで取り上げられることが多いです。
厳密には、Jensen Interceptorの方が高級なので、上流階級のシミターGTEのAlternative(もう一つの選択肢)として、当時よく取り上げられたようです。
シューティングブレーク風に見える、2代目Lotus Elite(1974‐82年)。
実は荷室が狭い4人乗りの3ドアセダンで、荷物はあまり積めません。
1970年代まで、お金持ちの贅沢なイメージのShooting Brakeが流行っていたので、4人乗りの車のスタイルをShooting Brake風にしたようです。
Shooting Brakeのようで、Shooting Brakeでない、この中途半端なスタイルのLotus Eliteはあまり売れませんでした(^^;;
基本的にShooting Brakeは、英国のお金持ちがコーチビルダーに作らせた高級な荷室の広いハッチバッククーペ。
Jaguar XJ-S(1976‐1990年代)のShooting Brake。
合計制作台数70台程度。
英国のチャールズ皇太子の愛車の1台だったそうです。
Aston Martin DB5 Shooting Brake。
ちなみにこの個体は現在約2億円だそうです(^^;;
初代Aston Martin Virage(1989-2000年)のShooting Brake。
V8、350馬力のVirageをメーカーが受注したShooting Brake。
Aston Martinは、Shooting Brakeも受注していたようです。
このように、基本的にShooting Brakeはお金持ちの高級3ドアの特注車だったのです。
量産のShooting Brakeの車としては、
Volvo P1800(1960‐73年)。
Ferrari GTC4 Lusso(2016‐20年)。
フェラーリの公式のシューティングブレークです。
このように、従来のShooting Brakeは、高級2ドアクーペの荷室拡大版。
スポーティーな3ドアエステートだったのです。
つづく・・
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街角の名車たち | 日記
Posted at
2024/03/02 14:55:43