
かつての「ベンツ」のテールランプといえば、強烈な「凹凸」レンズが定番であった。
これが採用された当初には、なんで、こんなにもコストのかかるデザインにしたのだろうかと話題になったのだが、190Eがリリースされ、カタログが出ると一気にその「謎」は解けた!
彼らは言う・・・
「このテールランプの凹凸は、速度制限の無いアウトバーンを走行する事によって、走行するクルマが巻き上げた汚れが、テールランプに付着しても、視認性を確保するためだと・・・」
つまり、雨天時や積雪時に、高速走行を行ったクルマの背後を思い出してみると、確かにリヤのパネル部が、泥水などによって激しく汚れている。
これが、テールランプに深い「凹凸」を付ける事によって、「凸面」には汚れが付着するが、「凹面」には空気が巻き込まないので、汚れが付着しづらい。つまり、「凸面」は汚れて輝度が落ちても、「凹面」には汚れの付着が少ないので、テールランプとしての輝度は確保できる。
そう!汚れづらい「凹面」で輝度を確保して、リヤからのテールランプの視認性を確保しようという趣旨だったのだ。
なるほど!確かにそういったシュチエーションでのベンツのリヤランプは、「凹面」に汚れが意外に付着していなかったのは事実であった。
なんだかんだと言っても「ベンツ・コンプレックス」の塊だった日本のメーカーで、実はこれを単純なデザインだと思い採用した、メーカーが一社あったのだ、そう!あのレクサスで世界制覇を目指す「天下のトヨタ」であった。
セダンに顕著にデザインされていたが、本家に比べるとはるかに浅い「凹凸」がテールランプに付けられたのだ、トヨタは・・・
「どうだ!本家に負けない豪華さだ!クロームメッキ・ギラギラでゴージャスだろう・・・」と勝ち誇っていたが、どう見ても、デザインにまとまりが無く、やたらキラキラきらびやかなだけで「品」というモノがまったく感じられないモノだった。
まぁ、当時の日本人の高級感って、光物が一番・・・なんて思っていた時代なんで仕方ないのかもしれないが、こうしてベンツと並べてみると、なにも光モノが無くても高品質感はちゃ~んと表現できるではないか!と改めて思い知るのであった。
しかも、「凹凸」が浅いので、悪天候時を走行した後も、クラウンのテールは全部汚れて、ベンツの様な効果はまったく具現化できなかった。しかし、当のベンツもいつの間にやら「凹凸」テールをひそかに引っ込めてしまった。
それは、デザインの自由度が無く、デザインの発展性が無い事と、空力が改善されて、テールランプを無理に「凹凸」にしなくても汚れなくなったからだとさ・・・・
どちらにしろ、ベンツが右を向けばクラウンもセドリックも右を向いた懐かしい時代のハナシで、それが今ではベンツが日本車をベンチマークする時代。
今度のSクラスは、レクサス真っ青のハイテク装備満載で登場するというのだ・・・かつて、モーターショウでモニターの付いたクラウンを見て「クルマに乗って誰がモニターを見るんだ!」と笑っていたメーカーが今では、それに似たような事をやっている。。
だけど、品の無さまではマネして欲しくないものだと思うのだ。。。
Posted at 2005/09/27 13:57:50 | |
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