
現代ではフツウに装着されている、エアロパーツやら、車高調、果てはサンルーフ、タイヤ、アルミホイールなどなど・・・信じられないと思うが、僕が子供の頃は、全く持ってご法度な事だった。
例えば、当時はバイアスタイアなる、か細いタイアが標準だったが、それを幅の広いラヂアルタイアに履き替えるだけでもNGだったし、ホイールをたとえ同じサイズでも「アルミホイール」に換えるのも絶対にダメだった。。
バネやショックなんて交換するなんて夢のまた夢で、仮に換えられても、車高が変わるなんて事になったら、それはもう不正改造のレッテルを貼られ、暴走族と同一に見られていたくらいだ。
しかしながらゆっくりであるが、それらも徐々に緩和され、そうそう、サンルーフなんて1978年に、初代プレリュードが、散々、ごねていた運輸省を説き伏せ、初めてメーカーとして装着されると、これが面白いモンで、一度、解禁されると後は野放し・・・の様な状況に至り、電動、手動、脱着式、を始めあっと言う間に市民権を得て、キャンバストップだってOKになった。
さらに年代が進み、1980年代に入ると「空力的付加物」、つまりエアロパーツもメーカー標準からOKになって、各社各様にエアロパーツを付加したモデルをどんどん出してきた。
その際たるモンが
当時はさり気なさより、如何にもという派手な形状がエライとされていた。しかし、レースの半カヴァーに、エアロパーツではねぇ。。
何と言っても、
T12オースター で、画像はフルオプションの仕様なんだが、このエアロを標準とした「ユーロフォルマ」なんていうケバケバした外観のグレードまで用意され、賛否を巻き起こした。
そうして、メーカーがこんな状態なので、アフターマーケットでは・・・
上手くまとまっている車種もあれば・・・
風洞実験などを行って、エアロパーツとしての性能を満足しているモノは、正直少数で、殆どが「見栄え」勝負だった事は否めない事実だ。
そうそう、当時は「フルエアロ」の事を
「キット」 と言っていたし、メーカーでは、あくまで空力パーツと声高には言えず「プロテクター」なんていう表現で採用されていた。
もちろん、エアロパーツで飾り立てる、その流れは軽自動車まで普及して、一例だが・・・・
寸法的に厳しい「軽」の方が、実は「見栄え」的にまとまったモノが多かった。
外観を飾り立てるエアロパーツ・・・いや 「キット」 が大いに流行したものだった。
こうした流れにトドメを刺したのが、「外圧」という名で一躍有名になった、日米包括経済協議での米国からの要請に基づいて、1995年11月、運輸省(今の国土交通省ですな)依命通達によって、サスペンションやマフラーの交換が、
自動車の使用者の保守管理責任のもと、社外品等への変更等が認められるようになって現在に至っている。
せっかく、そうして「外圧」とは言え、ユーザーの自由度が増したのだが、それが行過ぎて、今度はマフラーなどは、ある一定の逆の方向へ行ってしまった事も記憶に新しいところである。
タイアひとつ、ノーマルサイズでノーマルと同じ構造で無くてはならなかった時代から思えば、現代の様子は夢のようであるが、それが行過ぎて、逆にクルマの所有者の首を絞めそうになっている姿には、少々残念な気がしてならない・・・というのが、正直な気持ちなのである。
自由を謳歌するのは良いのだが、それを、わきまえてしないと、逆に自分の首を絞めてしまう事、「理性」というもの「個人の責任」という事が如何に大事かという事を、クルマの規制緩和は指示しているように僕は思うのだが、如何だろうか。。。
Posted at 2010/05/05 03:55:52 | |
トラックバック(0) |
クルマ | クルマ