断トツの消費電力の少なさを誇る、 リーフ に搭載されている 市光製 LED ヘッドランプ。
確かに使っている LED の数が少ないという事もあるが、もうひとつ大きな違いがある。ここで、国産車で LED ヘッドランプ を採用している車種のランプを思い出してみよう。
上から レクサスLS600h、三菱 i-MiVE、三代目プリウス。
実はそれらのヘッドランプは、「プロジェクター・ヘッドランプ」を採用しているという事だ。
プロジェクターヘッドランプは、簡単に言えば、光源から反射板に光が導かれ、シェードで余計な光をカットしてレンズで光を前方に投射する構造だ。
理屈から言えば、一番無駄のない効率の良いヘッドランプの様に思われるが、実際には左右の広がりや、手前の光量が足りない・・・などの問題が指摘されていた。
実際に、「プロジェクション・ヘッドランプ」が登場した当初は、手前の光量不足を補うために、補助光源を設けたモノがあったし、
明求 より明るくヘッドランプのは解析の時代へ。
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/23710147/
プロジェクターだけでは手前の明るさが不足するために、リフレクター下部に扇型の開口部を設け、バルブの光源を手前に拡散させている BMW E30。俗に「髭付」と呼ばれている。
事実、現代の LS600h の LED ヘッドランプ にも、手間を照らす補助光源がセットされている。
さらに、 LED ヘッドランプ の特性として、何と言っても 「発熱」 の処理が重要となっている。そこで 「リーフ」 のヘッドランプは、
リーフのヘットドランプの構造図。プロジェクターでなくリフレクター・タイプである事が分かる。
それらを高度に両立するために、プロジェクションタイプをキッパリと捨て去り、マルチリフレクター・タイプを採用したのだ。
確かに、従来の マルチリフレクター・ヘッドランプ は、光源からの光を全て制御できなく、光漏れなどを起こしていたのだが、そこはコンピューター による精密な解析によって、これまで解析できなかった光の制御に成功したのであった。
それには、想像するに、ユニット自体に発熱はあるが、 LED 光源そのものが、紫外線や赤外線を発生しないので、シェードやリフレクターに近づけて設置できるので、指向性の強い LED の特性とも相まって、光源部分での光漏れを防止できる・・という事もあったに違いないと思っている。・・・・閑話休題
実際の構造と、光の制御の具合を見てみよう。
一筋の光も無駄にしないぞ!という完全無敵の構造。さらに熱を逃がすヒートシンクもビルトイン!
シェードとリフレクターが効率良く、あるべきところに、必要なものがある事がよく分かるだろう。さらにヒートシンクをビルトインして 150℃ 以下になる様に設計されているのも凄い技術だ。
なんたって AUDI A6 のLED ヘッドランプは、150℃以下にするために、強制空冷を行っているのだ。それを自然空冷で行っている リーフ の熱解析の技術は半端ではないだろう。
複眼 AUDI A6 のヘッドランプも個性的だ。
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/23741597/
記憶が定かではないが、ヘッドランプ周りは真夏の渋滞時には 120~130℃ 位まで上昇する場合があるというから、自身が発生する熱と、付近の熱を加味させると、随分厳しいと思うのだ。。。
そうした、極限までの光を集光する日本の、いや市光の技術力と、二次的なモーターなどを使わなくとも冷却する熱解析力の結集が、
23W
という、他を寄せ付けない省消費電流を生みだしたのだ。
ある意味で、光を漏らすのは 「もったいない」 、熱いモノを冷ますのに余計なモーターを付けるのは、余計な電気を使う事も合わせて 「もったいない」 という、実に日本的な思想があったに違いないと思うのだ。
Posted at 2012/01/04 18:56:13 | |
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