そんなT130系コロナも、1980年8月に日本車の恒例である二年目のマイナーチェンジが行われた。
当時の日本車には、ある流行があって、それを僕は
「角目斜鼻症候群」 と呼んでいるのだが、T130コロナもごたぶんにもれず「斜め鼻病」の悪夢に流されてしまった・・・・
特にセダンの病状は酷く、せっかくバランスのとれた端整なマスクが、ゴテゴテした酷いモンに改悪されてしまった。。。これを見た瞬間、当時の徳小寺 無恒少年は、あまりにもバランスの悪いデザインに「これでヤラレぱなしのブルにも日の目が当たる!」と大喜びしたもんだ。
その他にも、日産が火をつけた「トゥートン・カラー」も採用された。
日産はそれを「トーオントーン」と呼んだが、トヨタは「カクテル・トーン」なんていう甘美なネーミングで勝負してきた。
---日産のトゥートン代表!?PA10スタンザ---
さてさて、マイナーで変わったのは何も外観のみではなかった。内装にも大幅に手が加えられた。

悔しいかな、ますます質感の向上が図られ、ついには全てのグレードで「丸型メーター」が採用されるようになった。
そうそう例の「内外気温度計」も随分とリファインされて印象が変わった!!
そして最大のトピックがサンルーフの採用だろう。
初代プレリュードで火がついた「サンルーフ」も、よいよ普及に拍車がかかり、採用する車種が大幅に増えた。そういった需要に敏感なトヨタもコロナにサンルーフを採用して、ライヴァルの突き放しを図ったのだ。
しかし・・・このカタログのモデルですが、かなり「濃い」ですなぁ・・閑話休題
サンルーフに「角目斜鼻症候群」と来れば!??さらに国産車で流行りだしたのが「空力」という考え方だ。
「エアダムスカート」、「ダックテール」・・などなど、如何にも!といったボディメイキングがされ、それが盛んに宣伝に出てくるようになった。
しかし・・・当時のエアロダイナミクスのレヴェルは、まだまだ暗中模索の状態というのが本当のところ。
試験もボディの表面に「糸」を貼って、その動きを見て判断していたのだが、実際の空気の流れなんて、気まぐれそのもの・・・ボディ表面に「糸」を貼ったくらいでは、正確な判断なんて困難であった。。。
セダンのエクステリアの改悪もそうだが、僕が「このヤロウ・・・」と思ったのは、この画像だ。

ATのシフトレバーのカヴァーにデカデカと書かれた
「OVERDRIVE」の文字が、「これみよがし」的であり嫌悪感さえ感じたモンであった。
しかし、こうした俗っぽい演出が、なぜか一般受けしてしまい、ますます販売台数が伸びて、どうしても3ATしか持ち合わせのない日産は、ただ指をくわえて見ているしかなかったのだ。。。
マイナーが行われても「2000GT」は存続し、「GTⅡ」なる装備を若干簡略化したグレードも登場した。
T130コロナは、その大人しい外観とは打って変わって、質実剛健な造りと的確なニーズの把握で我らがブルーバード810シリーズを撃破してしまった。。
一度はコロナを新車効果でブルーバードも販売台数で抜いたが、
苦難 人が犬を噛むとニュースに・・
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/137433/
途中で開発が中断したりとニーズを掴み切れなかったブルーバードに、それを維持させる事ができなかった。。。
しかし、そのコロナもセダンについては、ハッキリと言ってマイナーによるデザインチェンジは
「?」を付けざる得ない。
インテリアやメカニズムの進化が的確だったが故にそこは残念でならない・・・
そして運命のブルーバード910の登場・・・今度はブルーバードの反撃が始まったのだった。。。
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Posted at 2007/10/21 03:35:24 | |
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