
僕らの世代は、今と同じ様な苦い経験を何度も繰返してきた。
今の若い人たちは、「オイルショック」や「石油危機」という言葉は知っているだろうが、実際にどんな時代だったかはご存じ無いだろうと思う。
トイレットペーパーの買占め・・・なんて有名だが、実際にはもっともっと色々な事があったし、正直、今より厳しい状況を経験したのだ。
まずは、ガソリンだが、これは 「輪番制」 が採用された。
これは、日曜祝日のガソリンの販売を禁止し、地域ごとに 「輪番制」 で一店舗か二店舗のみ営業するというもの、これは随分と堪えた。
今ほどネットなんていう環境が無い時代、一体、どこが営業しているかなんて正直調べる術もなく、実際に街に出て、「輪番店」という看板を掲げて営業しているスタンドを見つけるとホッとしたものだ。
普通の生活では、面白いところではテレヴィの深夜放送の自粛なんていうのもあった。
何時からかは忘れたが、ある時間以降の放送を中止して「省エネ」に貢献しようと言う施策だった。
そして買占め・・・
今になって、なんで石油に関係ない、トイレットペーパー、紙が無くなるなんてなったか不思議だが、然したる信憑性は無いが、発端は大阪のニュータウンのスーパーで、トイレットペーパーの激安販売を行い、余りの安さにスグに売り切れるぞ、それを抽象的に「紙がなくなる」と広告したところ、何故か石油価格高騰の影響で「紙」も無くなると勘違いした連中が並びあっと言う間に売り切れた、それをマスコミが報道、真意が伝わらず「紙が無くなる」という言葉だけが独り歩きして、全国に広まったという事らしい。。。。(記憶が正しければ)
その後は、ご承知の通りトイレットペーパーから派生して、「洗剤」や「砂糖!?」まで買占めが続いた。。。
もちろん、石油危機と言うから TOP 画像の通り 「灯油」や「ガソリン」も長蛇の列が出来たのは言うまでも無い。そして、ガソリンスタンドの 日祝日 の休業へと突き進んだのであった。
もう数度も、こうした消費パニックを日本は経験したのに、今回もまた・・と言うのが正直な心境なのだ。
さらに深刻なのは、放射線の影響だ。
まず、重箱の隅を突付くような事を言って恐縮だが、「放射能」とは「放射線」を放出する能力を言うことであり、正確には
「放射能を浴びる」、「放射能が拡散する」 という言葉の使い方は間違いなのだが。。。まぁ、此処まで 「放射能どうのこうの」 が日常的になってしまった現代、今更、「放射線」がと言い直す様にしようとしてもダメだろうが。。。
これも昔話になって恐縮だが、僕が小学生の頃は、まだ中国やソビエトが、大気中で核実験を行っており、それを各国が地震計を使って実験を行ったか監視していた。
そして核実験特有の地震波を観測すると、中国が、ソビエトが核実験を行ったと公表していた。
さらに、実験の報道が行われた事と共に、
「雨が降ったら、雨に当たらないように」
「山の湧水は飲まないように」
「外出は控えましょう」
などと合わせて注意喚起をやっていた。
つまり、ジェットストリーム (偏西風)によって、核実験によって発生した、放射性物質が日本まで到達して落下する可能性がるという事で戦々恐々としていた時代が長く続いたものんだ。
確かに自然界から受ける放射線以上の余計なものは取り込みたくない事も事実だが、ここで正しい知識と、正しい的確な情報で、余計な混乱をぜひ避けて欲しいと僕は思うのだが。。。。
今、日本は困難な状況にある事は分る。
しかし、これまで何度も同じ様な状況に陥って、同じ間違いを繰返して来たのだから、いい加減、この辺りで「冷静」で「知的」な対処対応は出来ないのか?と感じているのだ。
困ったのは、そうした苦い経験をした世代が、率先して今の混乱を助長している事だとも感じているのだ。
日持ちもしないものを大量に買ってどうするんでしょうかねぇ?
普段どおりの経済活動をすれば、そりゃちょっとは、並んだり、物が不足する事は間違い無いのですが、今みたいな混乱は起きないと思うのですがねぇ。。
今の日本を形作ってきた世代の皆さん。あなた方の背中を今の世代の人が見てるんだ、そう肝に銘じて欲しいモンです。
Posted at 2011/03/21 10:57:19 | |
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