V36について例の発表会以来、思いつくまま色々な事を書いた。
正直に言うと、欲しいクルマではあるが、もはや僕の経済力では手が届かない高価なクルマになってしまった、という現実である。
あと100万安かったら・・・そんな思いがよぎってしまうのである。
さてさて、ここまで書いておいて室内のスペースやら、MTの設定が無い事について触れない訳にはいかないだろう。
まずドライヴァー・シートに座ってみた。
部品部品の組み立て精度の向上は、一目見ただけで分かった。
現行のシーマでさえ、部品との繋ぎ目がガタガタだった事を思えば、格段の進歩である。かつて日産車に乗れば、カードホルダーはいらない・・・なぜなら、インパネの部品部品毎のスキマが大きく、その継ぎ目にカードやら、はてには「ペン」さえ差し込める・・と言われたモンだ。
それが今度のV36では、もうそんな事は言わせないぞ!と大声でいえるレヴェルに向上している。
造込 F50シーマは、ちょうど過渡期のクルマでして。。
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メーターは、ほどほどに賑やかなブルーをあしらったファインヴィジョン・メーターで文字の大きさ、デザインとも老若男女見やすいものだ。
かつては、一番視認性が良く、疲れない、と言われた航空機のメーターよろしく、マッドブラックにホワイトの指針が良いなどと言われたモンだが、もはや現代の航空機でもそれは希少で、嗜好性の高いクルマでは、なおさら賑やかなメーターがもてはやされている。
その点では、見やすいとか疲れにくいというキーワードは別にしてトヨタに一分のリードがあったのだが、V36はその点でもタメを張っていると思う。
表示 トヨタのメーターの技術はハンパじゃない!
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さてさて肝心の座り心地なのだが、なかなか快適に過ごせそうな仕事場である。
ただFMレイアウトのせいであろうか、センター部の張り出しが大きくて、このサイズのクルマとしては少々タイトな感じがした。
まぁ、山坂道でも元気よく走ろう、という向きには、この張り出しがニーパッド的でもあって重宝するであろうが、V36に限ってはそんな輩は少ないだろうから、もう少し余裕があった方が良いのではないかと思う。
パッセンジャーシートに移ろう。
こちらは、余裕綽々・・・という感じではないが、過不足無いスペースを持っている。
腕をスッと降ろすと、自然にドアのアームレストに載る微妙な角度や大きさはさすが長年クルマを造ってきたメーカーの独壇と言っても良いだろう。かつての日産車は、パッセンジャーとドライヴァーの動きや姿勢は違う、という事で、左右のドアの内張りのデザインを変えていたが、今の日産では、それは過去の事で、という感じで、その面影すら見つけることはできないが。。。閑話休題。
パッセンジャーサイドに座れば気になるのが「グローブボックス」で、フタを開けてみると、中には丁重に植毛処理された内張りが施されて、さすが北米でBMWとガチンコしようというクルマ、こういった細かい部分には抜かりは無かった。
容量は最近のクルマの常で、車検証や取り説を詰め込めばもはや満員御礼という感じで、他に何かを詰め込もうなんて思えないレヴェルだ。
さてさて、よいよこうした大型セダンなれば一番気になるリヤ・シートへとドッコラショと身を移してみた。
リヤシートに座ってみる。
最近の日産車のエクステリアの特徴である、アーチ型のルーフのお陰で、頭上までちゃ~んとルーフが覆いかぶさり、これなら真夏の太陽に頭上が焼かれる事は無いだろう。ヘッドクリアランスも過不足なくあり、シートバックの角度も良く、まさに応接間のソファーという風体である。。。
しかしだ、どうも足元が落ち着かないのだ。
フロントシートの下には、足先が入る空間があるのだが、その上下、特に左右が不足しており、ラクラクと足を伸ばせる・・・といった感じではないのだ。
実はこれが長距離になると非常に疲れるのだ。
さらにだ、シートの座面の左右が大きく斜めにカットされているので、イマヒトツお尻の落ち着きが悪いのだ。
再び僕は何度かリヤシートに乗り降りして、ひとつの結論が出てきた。
ひとつは、剛性確保の為だろうサイドシルが高く、サイドシルから室内の床までの高さが高く、乗り降りの際にまさに足を上げ下げしないと出入りできないのだ。
これに輪をかけて、Bピラーの根元のRが大きくて、ドア開口部が狭く、上手く足を運ばないと、最初に「サイドシル」にぶつかり、次ぎにBピラーの根元にも足先がぶつかる・・という二重苦を味わってしまうのだ。
その証拠に、展示車のサイドシルのキッキング・プレートやら、Bピラーの根元には、所狭しと足先が擦れたであろう、白や灰色の跡がクッキリと付いていた。
それで、少しでも乗降性を良くしようとシートの座面の左右をあんなにカットしたんだ。。。と合点したのだが、これだけデカイ図体をしていながら何を言わんの世界である。
ドア開口部の形状については、少々後ろへ引っ張った部分はあるものの、頭が通る部分が割合にスクエアーな形状で出入りし易いだけに、足元の粗相さが残念でたまらない。
比べてはならないのだろうが、この点ではさすがにラティオ辺りは秀逸だ。
乗易 良く考えられたクルマなんですがねぇ。。。
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恐らくこれらのフロントシートに始まる、このサイズにしてはの微妙なタイト感は、すべてセンター部の張り出しから玉突き状態で起こっている現象だろう。
正直ライヴァルに比べて、少々劣っている部分と言わざる得ない。
もし、それが僕の仮定のとおりFMレイアウトの弊害だとしたら、もう少し考えを改めた方が言いと思う。
まぁ、R30の時のように、捻り振動の問題で・・・みたく、エンジンをえらく前へ載せろとは言わないが、操縦性と居住性の両立はなにもFMレイアウトでなくとも現代の技術をもってすれば容易い・・と素人考えながら僕は思うのだ。。。
さて、ここで多くの人が疑問に思っているミッションの話をせねばならないだろう。
もう多くは語らないが、V36のATは5速のみである。
V35の時の様な、マニュアルモードでの変速のタイムラグにイライラすることは無いが、ライヴァルに比べて見劣りがするのは事実だろう。
メーカーに言わせれば、「ウチの5速は、他所んちの6速やそれ以上のATより優秀・・・」と言っているが、それを実現する為の「エンヂンを含めたクルマ全体の総合的な制御」は、他所でもやっている事で、もはやATの多段化は避けては通れない事実だろう。
確かに、ここまでのフィーリングを醸し出したチューニングの執念には恐れ入るが、それももはやイジリ代のないところまで来ている事は隠しようもない事実だろう。
いくら優秀な中華の鉄人だろうが、ブロイラーを使っては並み以上の味わいは出せても、所詮ブロイラーはブロイラーなのだ。。。
昔からATでは「アイシン」にやられっぱなしなので、ここいらでジャトコも奮起を期待したいものなのだが・・・
ATもそうだが、例の発表会でも至る所で聞かれた「MT」の追加のハナシだが。。。
これは非常に厳しいかもしれない。
2.5Lで良いからと切り出せば、2.5は日本専売なので数が出ない・・・これを無理に出すと2.5でも軽く400万オーヴァーの価格帯になってしまう。。
さりとて3.5でもねぇ・・・日本じゃ・・と、結局は儲からないクルマは造れない・・という日産の台所事情がそれを許してくれそうに無いのだ。
ここで思わず僕は「カローラだって・・」と切り出してしまったのだが、これは大いに失敗だった。
彼らは日本以外で、特に亜細亜においてはMTの需要が多くて、そのためにMTを日本で台数が少なくても安価に提供できる。。。という市場の原理が働く事を忘れていた。
「カローラだって・・・」というメーカーのレスが、モノの見事に「数が出ない」という彼らにとって願ってもない答えを僕が導き出してしまったのだ。。
言い方は悪いが、来年クゥペが出た時に、MTも出るだろうから、セダンもその時に
世界的に売っている「3.5」でおこぼれ的に「MT」が出るだろう・・と思われるのだ。
そう言って、ますますMTを造らなくなって、そうなるとさらに数が望めなくなって、日産からグローバル的に売っていない車種へのMT装備は絶望的だろう。。
最後に重箱の隅を突付く様なコメントばかり言ってしまったが、やはり好きなメーカー、好きなブランド故であるのだ。
V36については、みんカラでも、他でも賛否両論ケンケンガクガク色んなコメントが飛び交っている。
それもこれも、何と言っても注目されているクルマ、まだ日産というメーカーに対して多くの人が注目している他なら無いと思うのだ。
それを、ただの素人のハナシだとか、自分は良いモンを造ったのに・・・と思っている様な事では、本当にスカイラインはおろか、日産の行く末が心配だ。
せっかく、何かをして変えよう!というアクションが起きたのだから、本当に日産には変わって欲しい・・と思うのだが、どうだろうか??
日産とスカイラインの、これからも注目してゆきたい。
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