8月からタイヤが値上がりするらしい。冬のスタッドレスを今のうちに調達しておこうかと思ったが、半端ない本数で置き場所に困ることを思い出し、10月に買うことにした。たぶん今年もダンロップになるだろう。理由は一番安くて、性能面でも問題ないから。輸入タイヤのナンカンやハンコックはもっと安いのだが、明らかに凍結路で滑りやすく、他の車がすいすい上っている坂でホイールスピンしたから、もう買わないことにした。
ところで、私は燃費マニアである。燃費マニアとは、カタログ燃費だけに注目して車選びをする人たちとは異なる。燃費マニアは、その自動車の機能、性能に見合った燃費であるか、車両価格は高くないか、製造から廃棄、バッテリー交換まで考えて、全体として環境負荷が少ないか、ということを総合的に考慮して、自動車を選び、運用しようとする人たちのことである。
今回、トレーラー牽引用の軽貨物車に、私はMTの軽トラックを選んだ。しかも幌も何もない荷台のままである。なぜ、軽運送では一般的な軽バンや背の高い幌の付いた仕様でないのか。そこに、燃費マニア故のこだわりがある。
自動車の燃費を向上させようと思えば、1、空気抵抗の低減 2、重量の軽減 3、伝達効率の向上 を考えるのがよい。軽バンは、軽トラックより重量が150キロほど大きい。これだけで燃費マニアの選択肢には挙がらない。次に、高い幌のついた軽トラックについて考えると、空気抵抗が大きすぎてお話にならない。あの高い幌は荷物扱いで積載物の高さ制限2.5メートルめいっぱいの屋根をつけるための「法の盲点を突いた」ような仕掛けである。2.5メートルの屋根をつけると、室内高が1.8メートルほどになり、人が背を伸ばして歩けるようになる。これは極めて重要なポイントで、背が伸ばせないと荷役に大変苦労するし、中腰で重量物を持つと腰痛になる。軽自動車の車体高の制限は2メートルなので、バンの屋根は高くできない。それで、あの高い幌の登場となったものである。あの高さはめいっぱい荷物を積むためだけでなくて、中を歩けるようにすることで荷役効率を高めるのが目的である。そして、最大の欠点は、荷物が少ないときでも全高を下げることができないことだ。大きな空気抵抗だけでなく、横風にもものすごく煽られる。高速走行の機会の多い車両にとっては致命的である。
3番目の伝達効率については、MT一択である。軽トラックにはいまだに4ATが採用されているのだが、耐久性重視で伝達効率は良くない。今の若い世代は皆AT限定免許だから、という声を聞くのだが、甘やかしてどうするのか。地球にやさしい仕事をするために、AT限定解除の受験を求めるぐらいの厳しさを示すのが、燃費マニアの矜持であろう。
それから、忘れてはならないのはエアコンの使用に伴うロスである。軽バンは車室が大きいため、エアコンの効きが悪い。軽トラならキャビンはすぐ冷える。私は元来ドアバイザーを付けない主義だが、雨天でもエアコンをOFFのまま外気を導入して涼めるということを考慮してバイザーを付けた。パワーウインドウじゃなくて手回しのレギュレーターだから微調整もばっちりである。
このように、軽貨物一つとっても燃費マニアの要求は多項目にわたる。最近はハイブリッドや電気自動車ばかり話題にのぼるが、既存の技術の中にもエコな選択肢は存在するのである。
Posted at 2019/07/28 23:16:47 | |
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