うちのトレーラーには2種類あって、ひとつは全高2メートルの幌が付いたもの、もうひとつは全高1メートルの幌なしのものである。それぞれを全高2.1メートルTB2号機、全高1.8メートルのTB1号機、そしてKeiで牽いてみたところ、高速走行で「空気の壁」の存在を実感した。というのも、幌付きのトレーラーを牽くときに、トラクター側の全高が低いと、最高速度が下がり、燃費も極端に下がるのだ。
幌なしの低いトレーラーを牽いているときは、どの車で牽いても最高速度はメーター読みで100㎞/h以上出るし、燃費も極端に悪化しない。しかし、幌付きのトレーラーでは、全高2.1メートルのTB2号機で牽いているときが一番軽快で、TB1号機では最高速度が90㎞/h程度に、Keiではターボエンジンの力をもってしても100㎞/h程度になり、燃料が漏れているのではないかと疑うほど早く燃料計の針が下がっていく。それはそうだろう。トレーラーの前面は正に「絶壁」であり、トラクターの屋根より出た部分はまともに風圧を受ける。全高の高いTB2号機の屋根はトレーラーより高く、前面にはウインドディフレクターが付いていて「流線形」になっている。その分、CD値が低下し空気抵抗が少なくなるのだろう。高さそのものも影響するが、絶壁の真正面から風を受けるのはとても大きな抵抗を生み出すようだ。
高速走行の機会が多い欧州車が空力的に洗練されているのは、洗練されていない場合のデメリットがとてつもなく大きいからだ。メルセデスのSクラスのように大排気量のエンジンを積んでいても高速燃費がとても優れているのは空気抵抗が少ないからである。そして、空気抵抗の影響を強く受けるのは、欧州的な120㎞/h以上の世界だけでなく、90㎞/h付近の中速域も含まれる。日本の高速道路(中速域)で使う車も、空力に無関心ではいられないのである。ずっとアクセルを床まで踏み続けるのも疲れるし…。
Posted at 2020/06/20 03:04:45 | |
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