
日産のブースの中で、一際のデザイン的完成度が高かったのが「フォーリア」だ。
本革をインパネにも使用して、その素材の持つ柔らかさと高級感を融和させ、新しい造詣の方向性を指し示している。。
このフォーリアのエクステリアデザインだが、日産も多くは騙らないが、「初代シルヴィア」CSP311のDNAを引き継いでいるのだ。。
具体的には、その真横から見たウィンドゥのグラフィックスと、Cピラーの折れ曲がりの造詣だ。。
確かに、真横や斜め後ろから見た、それらの「線」はまごう事無くCSP311のラインを継承している。。。
よくよく考えて見ると、シルヴィアというクルマも歴代の中で、初代の美しさをモチーフとして、その時々の解釈で蘇っていたのだった。。
具体的には三代目となる「S110」と5代目の空前のヒットとなった「S13」がそうだ。
4代目の「S12」のクーペにも、その傾向が見て取れるが、あまりにも解釈し過ぎて、デザイン的にはエクステリア全体としてCピラーが突出していなく、僕的には除外したのだった。。
S110もフロントから鋭角にショルダーラインが立ち上がり、3本目のピラーまでウエッヂを描いている。
果せるかなCピラーにはルーミーさを演出する為に、オペラウィンドゥが嵌め込まれてはいるが、そのデザイン的流れはまさに初代の持つ、勢いとパッパッと面と線が切り替わる潔さが生かされていると思うのだ。
S13はもう、初代のトレンドをまったく生かした現代的な柔らかな面と、Cピラーの根元にピシッと通された折れ線まで使ってAピラーからの優しいウエッヂシェイプを形作っている。。
このどれにでもいえるのだが、Cピラーの真横から見た角度やルーフ後端の折れ曲がり具合が、エクステリア全体から見ればやや唐突な感じになっている事が分かる。。。
対する「フォーリア」だが、文法的に言えば真横から見た時の「意外」とも取れるウィンドゥの外側のラインに施された、図太いメッキの縁取り・・特にAピラーの立ち上がり具合とそこからのCピラーに至る「く」の字のラインが、まさにCSP311のラインそのもだといえると思う。。
ただ、CSP311やS110、S13などに見られた、ルーフ後端のピシッとした処理は見られず、フォーリアではリヤのガラスが現代的に大きくCピラーまで回りこみ、やさしくトランクまで流れ込んでいる事が大きな違いになるだろう。。
フォーリアの美しさは、少し前から流行っている、ネオ・古典的な井出達でありながら、面の使い方が絶妙な事であろう。
僕は、フロントからリヤのパネルの面に繋がる、ショルダーの面と線の流れにこれまでにない美しさと新鮮さを覚えた。
フロントの造詣は、ハッキリ言ってボッテリとしているのだが、まぁ上手い事に、フロントグリルの中央部のみをやや下方に伸ばす事で、そのボッテリ感を緩和している。。。
レトロとモダンの融合・・・僕はこのフォーリアのデザインはかなり共感を覚えるし、好きなのだが。。。
果たして、これがシルヴィアという名前でリリースされたら、どのくらい支持されるだろうか?
S13、S15とクーペらしい、勢いを持ちエレガントさも兼ね備えたエクステリアでありながら、走りやご用達になってしまった束縛から果たして逃れる事ができるか?
フォーリアのこれからに、まったく興味津々なのだ。
Posted at 2005/10/28 01:33:41 | |
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