自動車利用と環境に関する世論調査
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2010/05/60k5v101.htm
東京都のこの世論調査は、元々クルマの魅力やらなどを調査する目的では無いが、そこからクルマに対する意識と言うものも見えてくると考え、ここで紹介する事にしたのだが。。。。
この世論調査は、東京と言う過密都市に住む住人のクルマ、交通手段、それに伴う「環境問題」に対する調査なんだが、昨日のブログでご紹介した「クルマの所有の有無」で、「以前は所有していた」、「所有するつもりは無い」という層が意外にたくさんいる事を紹介したが、そこにはクルマを持たなくとも生きて行けるという公共交通の利便さと、僕が思うに、クルマを持っても、渋滞で大変だし、目的地や維持をする駐車場も高価で少ない・・・という潜在意識があるのではないかと思ったのだが、じゃぁ東京と言う所は、そんなに渋滞が酷いのかというと、調査に参加した皆さんはこう思っていた。
約半数の人が都内は渋滞していると回答しているが、それが多いのか少ないのか。。。
約半数の人が、都内は何らかの渋滞をしていると回答していた。
まぁ局所的な渋滞を指す回答も多いが、それでも「酷い」という回答が半数と言うのは、やはり尋常では無いと感じる。事実、僕もクルマで出かけて、渋滞無しで目的地へ着くと言うパターンは非常に少ない。
渋滞を見越して、かなり早くウチを出ないといけないというのは、実に気が重く面倒なもんである。
正直、荷物などが無ければ、都内へは電車で行った方が
「楽」 と思うのがホンネである。
渋滞や駐車場のインフラの問題は分った、それじゃあクルマそのもに対してはどう思っているかというと、
最早クルマは「白物家電」。徳大寺有恒の名言が蘇る・・・
この結果を単純に噛み砕くと
さてクルマを買おうか、まずはウチの駐車場って普通車しか入らなかったよなぁ。。。それじゃぁ5ナンバーサイズのクルマから選んで、なんたって家のローンや教育費も考えないといけないから、ローンを組むとしても200万円前後かなぁ。。。
そうそう、どうせクルマを買っても、乗るのは週末くらい・・・燃料を喰わないクルマがイイよねぇ。。
という感じだろうか。
ここで、「環境問題」で積極的に「燃費」を選択肢に選んでいる様に見受けられるが、おそらく、周りや世間が、「温暖化」、「環境」、「環境」って騒いでいるので、何となくと言うのがホンネなのかもしれない。。。
もはや、クルマを選ぶ選択肢として、調査上では「ブランド」とか「デザイン」が重要視されないという現実は、かの本家「徳大寺 有恒」氏の名言、
「クルマは白物家電と化した」
というのを、いみじくも思い出す結果では無いだろうか?
クルマは、どれもこれも皆同じ、そう、白物家電と同じ様に、庫内を見張る「光センサー」が付こうが、汚れが付き難く掃除がラクな「ステンレス製」のエアコンや洗濯機だって、特に購入動機にならないわ・・・という具合である。
しかしだ、そんな白物家電だって飛びっきりの機能や特色があれば、意外なヒットを生み出す事もある事を忘れてはならないだろう。
極端だが、本国では「過大な表現」だと一喝されてCMを自粛した、例の「吸引力が落ちない唯一の」という某掃除機や、10万円を超える高価格の「炊飯器」が売れているのが面白い例では無いだろうか。
マーケッティングという手法が確立されて、よほどでなければ「当たり外れ」が無くなったクルマだが、それと同時に、どのメーカが出すクルマも、いいクルマなんだが、「どれもこれも同じ」になってしまい、クルマに対する、憧れや所有してみたいと言う願望が無くなってしまった。
あのゴーンが、
「GT-R」を販売店に置けば、それに釣られて人が集まり、結果として日産車が売れる
とほざいていたが、そりゃGT-Rは凄いクルマで一見の価値はあるが、それ以外のクルマに特色が無く、魅力が無ければ、だたの「客寄せパンダ」でしかないという事を、逆に証明してしまった感があるではないか。
さらに国内は売れないから、売れている中国や北米の「趣味嗜好」に合わせたクルマばかり造るから、日本の国情に合わないクルマがどんどん出てきて、まともに買えるのはミニヴァンしかない・・・という現実にメーカーは気付かないのだろうか?
そんな中、東京以外の地方では、クルマの存在はどうなっているのだろうか?
そうそう、以前ブログしたが
関係 軽自動車と鉄道、女性の就業率の怪しい関係!??
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/1705409/
を見てお分かりの様に、ここでもクルマは必需品でありながら、維持費や実用品としての観点から、軽自動車が大挙して売れている事が分る。
「みんカラ」をご覧の皆さんならご存知だろうが、軽自動車を含めた販売台数のランキングでは、軽自動車が堂々の上位を占めているのは、何よりの証拠だろう。
もはや、クルマに明日は無いのだろうか?
東京の調査では、渋滞に維持費、さらには公共交通の充実で、クルマを持つ意味合いが薄まり、地方でも維持費や使い勝手から軽自動車以外に魅力が無くなり・・・
そういった閉塞感の中で、最近話題なのが例の「ジューク」の登場だ。
アクが強く、こりゃ売れないのでは・・・と言われていたが、イザ蓋を開ければ、そこそこの反響にバックオーダーを抱える有様。。。ここで、間違っても僕は、全てのクルマが「ジューク」の様にアクが強くて個性的にとは言わない。
前出の「ゴーン」の、「GT-R」がクルマの販売の牽引役になるというのは、確かに見には来るだろうが、それが他のクルマの販売の牽引にならなかったが、それは、余りにもGT-Rが現実離れしていたからであって、「ジューク」ときたら、面白そうだから見に行こう、見たら、意外に安いし買えそうだけど、やっぱり実用的には・・・GT-Rの時とは相反するが、意外にも、現実路線を見せ付けれると、じゃぁ他のクルマという、現実的な相乗効果も出てきそうなのだ。。。
東京都の世論調査の結果に、地方で経済的理由も手伝って軽自動車が売れに売れているという現実。そして、ジュークの意外なヒット。
何やら、それらを合わせて考えてみると、売れそうなクルマ像が見えてきそうな気がするのだが・・・さてさて、明日の日本のクルマの姿は?大いに考えさせられる事例であった。
Posted at 2010/06/20 14:29:41 | |
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