ベトナムヘルメット

　道端のフェンスにベトナムのヘルメットが掛けてあったので写真に撮ってみた。ベトナム人の多くがこのようなヘルメットを被っている。よく見てほしい。このヘルメットには衝撃吸収ライナーがない。プラスチック（それもABSやFRPじゃなくてポリプロピレンみたい）の帽体の内側に布を貼り付けただけなのだ。これでは衝撃吸収の性能は皆無である。帽体自体があっさり割れるような強度なのだが、割れなかったとしても脳に強い衝撃が加わる。500円程度で買えるといってもヘルメットとして機能しないのでは意味がない。

　ベトナムの路上では死亡事故の現場をよく見かける。死亡事故が起こると現場検証が終わるまで犠牲者や事故車はそのまま置かれている。日本のように心肺停止でも救急搬送したりしない。倒れたライダーがバイクの下敷きになったままで放置されている。だから、事故のダメージを見ることができるのだが、ライダーの多くが外傷らしい外傷がなく、大量出血の様子もないまま即死している。衝撃吸収性能皆無のヘルメットで頭を強打したため、脳挫傷を負ったものと考えられる。日本のホームセンターにあるような5000円くらいのヘルメットでもいいから、まともなヘルメットをかぶっていたら助かったかもと思うと残念でならない。

　でもやっぱり、ヘルメットに10倍のお金を払う気にはならないんだろうな・・・。