フォードが、日本から撤退するという。
まぁ自分が買う事はないメーカーだろうが、それでもムスタングなんか見るとグッとくるし…
でも個人的な馴染みは、むしろ以前よく見てたレースなどに出てた、アメ車じゃない「欧州フォード」の数々。
日本のグループAでもGT-Rが席巻するまでは活躍していたシエラ、
好きだったイギリスのツーリングカーレースのモンデオ、WRCのエスコートやフォーカス等々…
さておき今日読んだ新聞には、日本のマーケットじゃ欧州車に太刀打ちできずに…とも書かれてたが、今の状況は分からないけど、軽く10年以上も前に政府間でアメ車の販路を拡大するような調整(圧力?)がされてるって話題にちなんで…
でもアメ車が売れないのは、そんな政治的なコトや販売網の以前に、日本人が欲しいと思う車種がない…そして日本の状況に合わせる努力もしてない、みたいな意見を読んだことがある。
実際、販売体制が充実し日本でも乗りやすいようラインナップしている欧州各社に比べると、それなりの思い入れでもないと手を出しにくいイメージは、あるかな。
だがフォードに関しては違う意味で…我がマツダとの繋がりって点で、思うところも。
古くからマツダと提携してのOEMとして、オートラマでフォードマークの車を売り、御存知の通りマツダが経営危機となった際は経営に介入し、社長や多くのフォード役員が出向して…RX-7とロータリーエンジンの火が消えた。
これは名作番組プロジェクトXでも、ロータリーに関しては初期の開発やルマン優勝の回と共に、特番となる最終回の前週には、アタシも乗るRX-8でロータリーが復活するまでの道のりについても、単発内容としては最後の集大成として紹介された。
ここで書くのも基本的には、その番組で見た内容に沿うが、恐らくフォード経営によりセブンやロータリーが終了し、長らく凍結された事には、あまり良い印象がない方も、多いのではないだろうか。
ロータリー復活までに際しても、ずっと有志がフォード経営陣には極秘で開発を進め…
やっとGoサインが出たのも束の間、フォードからは「需要を見込める4ドアで出せ」との指示があったようで、それも例えばセブン再来を望む方たちや、それこそ車体デザインを担う社員ですら、反発が大きいのも分かる。
やっぱ2ドアでパワフルな、FDのような「ピュアスポーツ」のロータリーは、もちろんアタシも登場を願うが…
でも、まんまとフォードの策略に乗って (^^;)、エイトで初めてロータリーが「自分で乗るクルマ」と意識するようになったアタシは、そんなフォードの4ドア指示がなければ、きっとロータリーを買う事は、なかっただろう。
そして極秘で作ったロータリーを、ロドスタの車体に載せた「ゴキブリカー」で、ロータリー開発のGoサインを引き出そうとフォード役員に運転させ、あまりに楽しくて予定より多く周回した末に出た、開発許可。
窮地のマツダに救いの手を差し伸べ…ロータリーを凍結し新規開発に難色を示したのもフォードなら、あるイミ再びロータリー開発の扉を開けたのも、またフォード。
そして現実的には…夢ではメシは食えない。
いくらマツダの開発陣や生粋のロータリーファンが望む、スポーツカーとして優れた車を当時に出しても、今の業績を回復し好調なマツダに辿り着けただろうか…
まぁそれは正直アタシなんぞには分からないが、結果的にかつての惨状からは夢のような今のマツダの姿は、もちろんフォードあってこそのもの。
そして、自分にとって実に心地いいRX-8も、もちろん「無理難題」を乗り越えたマツダ開発陣の血と汗の結晶であるが、裏を返せばフォードの横やり(?)がなければ、出てこなかった車。
すでにマツダの経営からは手を引き、そして今回の母体撤退…
でも、少なくともエイトとの12年間が至福の幸せと感じるアタシとしては…直接のフォードファンではないにしても、やはり「フォードありがとう」と、言いたい。
Posted at 2016/01/27 20:56:52 | |
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