言葉の壁

　ベトナムで仕事をするとき、日本語と英語ができるベトナム人と会話をすることが多い。最初は日本語で話すのだが、ゆっくりと簡単な単語で話さないと伝わらない。だんだんイライラしてきて、英語に切り替えて話しだすのだが、こちらもダーッと早口で喋ると伝わらない。ベトナム語だと完全に伝わるのだろうが、私がベトナム語がさっぱりである。

　日本語でイラっときても我慢して日本語オンリーで会話したほうがいいのか、こちらにとっても外国語なので「お互い様」でイライラしない英語のほうがいいのか、それとも自分がベトナム語を学ぶべきなのかよくわからない。が、どの方法でもコミュニケーションのスピードがかなり制約され、仕事が捗らないのは共通である。「言葉の壁」はけっこう高い。

　レンタカーの運転手や銀行の係員など英語しかできないベトナム人と話すのが一番ストレスが無くコミュニケーションのスピードも高いので、社内公用語を英語にするのが一番のように思うが、日本人職員の中に日本語しかできない人がいるので、そこにも配慮しなければならない。あちらを立てればこちらが立たずでなかなか難しい。

　もっと困ったことに、他の日本人職員の東北弁が私には理解できない。通訳が必要なのである。言語学習の課題は増えるばかりである。