歌謡界「一発屋」伝説 宝泉薫

『歌謡界「一発屋」伝説 宝泉薫 編著 　彩流社』読了しました。

　自称、流行歌研究会（はやりうたけんきゅうかい）、略してハヤケンの会長であります私はこんな本も好んで読んでいます。

　自称といえば最近「自称プロサーファー」の人が話題になっていますね。それから下野新聞にはこんな記事がありました。「知人女性を連れ去り６時間近く監禁したとして那須塩原署は11日、逮捕監禁の疑いで埼玉県幸手市幸手、自称高校生の少年（19）を逮捕した。」自称高校生って何なのでしょう。

　閑話休題、「一発屋」、なんか悲しい響きのある言葉ですが、考えてみるとすごいことなんですよね。ほとんど誰にも知られずに歌謡界を去った歌手はごまんといます。それを考えれば燦然と輝くヒット曲を持ったと云うことは素晴らしいことなのです。
　しかし、誰が一発屋かというと難しい。この本で紹介されている歌手でも納得できる歌手と出来ない歌手がいます。子門真人『およげ！ たいやきくん』、アラジン『完全無欠のロックンローラー』、堀江淳『メモリーグラス』、皆川おさむ『黒ネコのタンゴ』などは私もそう思います。でも、次の人たちについては異論があります。

箱崎晋一郎「熱海の夜」「抱擁」
　一発屋と言っているのに二発紹介しています。私のカラオケの定番です。話題にするだけで嬉しいですね。

ジュディ・オング「魅せられて」
　なるほど大ヒット曲はこれだけですが、若いときのジュディ・オングはアイドル的な活躍をしていましたし、現在もタレントとしては現役です。

ガロ「学生街の喫茶店」
　「君の誕生日」「ロマンス」「一枚の楽譜」と立て続けにヒット曲が出ています。それよりも私は「たんぽぽ」「一人で行くさ」「地球はメリー・ゴーランド」「美しすぎて」が好きですね。

　この本は１９９８年刊行ですから１０年以上前のものです。その後、『決定版「一発屋」大全』『普及版　これが「一発屋」だ！』と出しています。一発屋で終わらなかったみたいですね。
　作者に文句を言ったり、この本にケチをつけるつもりは全くありません。それよりも歌謡曲についてともに語り合いたいですね。それから私の身近にも半田健人のような年齢不詳の歌謡曲通がいるから勉強しなくては…。