西行　月に恋する☆三田誠広

「西行　月に恋する　三田誠広　著（河出書房新社）」読了しました。

　歌人として有名な西行は俗名を佐藤義清（さとうのりきよ）といった。鳥羽院の北面の武士であったが出家し、西行と称するようになった。出家後は心のおもむくまま諸国を漂泊し、多くの和歌を残した。家集に山家集がある。

　　願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ
　　嘆けとて月やは物を思はするかこち顔なるわが涙かな

　　最初の歌は自身の願望を詠んだものだが、この歌の願い通り死んでいる。次の歌は小倉百人一首に収められている歌である。


　これが私が西行について知っていたほとんど全てです。魅力的な人物だとは思っていたのですが、その人生、和歌については不勉強でほとんど知りませんでした。
　この小説は西行自身、彼の和歌についての学術的な本ではありません。平安末期という時代に翻弄された待賢門院璋子と西行の恋の話です。でも小説ですから史実通りではありません。
　この本には魅力的な西行という人物が描かれていました。