逆説の日本史５． 中世動乱編☆井沢元彦

「逆説の日本史　５　中世動乱編　源氏勝利の奇蹟の謎　伊沢元彦　著　小学館」読了しました。

　読書の秋に全くと言ってよいほど読書が出来ませんでした。お恥ずかしい限りです。

　鎌倉時代になりました。日本の歴史の大きな転換点です。武士という新しい階級が政治を担うことになるわけですから。
　源平の合戦を経て鎌倉幕府が成立するわけですが、軍事的には源義経の活躍、政治的には頼朝の知略が合わさっての結果です。でも、これは奇跡的なことだったのです。結果を知っている我々は平氏が貴族化して弱くなったから源氏に負けたのだと短絡的に考えますが、そう簡単な話ではないのですね。源氏が勝利をしたのは幸運が重なったからなのです。義経の「一の谷」「屋島」「壇ノ浦」での勝利も決して楽な戦いではなかったのです。奇跡的な勝利だったのです。
　この戦いによりヒーローとなった義経ですが、頼朝に疎まれ奥州藤原氏とともに滅ぼされてしまいます。私はそんな頼朝が好きではありませんでした。しかし、最近は政治家としての頼朝を評価するようになりました。
　北条氏についても理解が足りませんでした。源氏は実質三代で亡びました。鎌倉幕府で権力を握ったのは頼朝の奥さん政子の実家である北条氏なんですね。時政、泰時らをもう少し理解する必要があります。