昨晩のお酒☆那須乙女

　奥の細道を旅した芭蕉は当然のことながら我が栃木県も通過しています。日光での句「あらとうと青葉若葉の日の光」や芦野宿の遊行柳を詠んだ「田一枚植ゑて立ち去る柳かな」は有名です。
　黒羽（現在の大田原市）の那須野は迷路のような野道が続き距離も長く、歩いて越えるのは大変でした。そこで芭蕉は農夫に馬を借りることにしました。芭蕉を慕うかのようにそのあとを追ってきた小娘がいました。名を「かさね」といいました。その優雅さに感じた芭蕉の同行者である曾良はこんな句を詠みました。
　　　かさねとは八重撫子の名なるべし　　曾良
　曾良の句となっていますが実際は芭蕉の句のようです。
　「那須乙女」（池島酒造）を呑みました。スッキリしていて爽やかな飲み口です。田舎生まれながら優雅な感じがします。この酒名は「那須で生まれたピンクのりんどう」から名付けられたようなのですが、私はこの奥の細道の「かさね」ちゃんを連想してしまいました。
　私を慕ってくれるかさねちゃんのような娘がどこかにいないかぁ…。