
「風に立つライオン」(作詞/作曲:さだまさし)は、1987(昭和62)年に発売されたさだまさしの12枚目のアルバム『夢回帰線』に収録されています。あの頃は音楽と少し疎遠になり車の中では聴いていたものの、新しいCDはあまり買いませんでした。ですからこの曲を聴いたのはもう少し後だったと思います。その時の感想はこの曲は気楽に聴くたぐいの曲ではないというものでした。その後ほとんど聴くことがなく時が過ぎました。
2013(平成25)年にまた「風に立つライオン」という文字を見るようになりました。小説の題名でした。さだまさし自身によって小説化されたのでした。その時も読んでみようかなと思ったのですが、私は評判の本はすぐには読まないという天邪鬼ですのでその時も見送りました。
今日やっとのことで「風に立つライオン」読了したのです。アフリカで医療に従事する島田航一朗が主人公です。治療した現地の少年ンドゥングは心にも深い傷を負っていました。その少年を全身全霊で受け止めた航一郎は心の傷まで治すことに成功しました。時は経ってンドゥングは日本へとやってきたのでした。
感動しました。涙がすーっと頬を流れ落ちました。俺は何をやってきたんだという自己嫌悪に陥りました。さだまさしの文章は少し軽いところがありますが、逆に重い内容にはちょうど良かったのかも知れません。
2015年に映画化されました。普通は小説が映画化されたときの主題歌がヒットするのですが、これは順番が違います。さだの歌を聴いた俳優の大沢たかおが歌の中に登場する人物の世界を知りたいさだまさしにお願いしたそうです。苦しみながらもなんとかできあがったのがこの小説なのです。映画の主役航一郎役はもちろん大沢たかおさんです。映画をあまり観ない私ですが、これは観てみたいと思います。
この歌はお医者さんにも人気があるそうです。この曲を聴いて、この映画を観て、医師を目指した人も多いようです。素晴らしいことですね。実在の医師である柴田紘一郎さんがモデルです。1970年代にアフリカのケニアで医療に従事したお医者さんです。頭が下がります。
そんな話を久しぶりに帰ってきた娘としたのですが、こんなことを言っていました。「確かに過酷な中での医療行為をするなんて大変なことだわ。でも、日本でも医療を必要としている人はいっぱいいるのよ。その人達を診るのも同じくらい大事なことだと思うの。」娘は外科医の端くれです。毎日忙しそうにしています。クリスマスの今日も当直のようです。正月も休みがないと言っていました。
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流行歌研究会 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2017/12/25 20:05:49