
「時間ですよ」は、1965年から1990年まで放送されていましたが、私が観たのは70年代のもので私は中学生でした。特に天地真理と浅田美代子が出演していた第2シリーズと第3シリーズでした。
1974(昭和49)年10月から「時間ですよ 昭和元年」というシリーズが始まりました。森光子の女将役は変わりませんでしたが、主人役は荒井注さんでした。ドリフターズを脱退してすぐ後でしたね。銭湯の名前は「松の湯」から「亀の湯」に変わっていました。浅田美代子は森光子さんの娘役でしたが、天地真理は出演していません。アイドルとしての活動で多忙だったのでしょう。真理ちゃんファンだった私はそれまでほどは観なくなっていました。それでも美代ちゃんに替わってお手伝いさん役になった谷口世津を記憶していますし、彼女が歌った挿入歌「わたし」も憶えています。今回はこれにしようかなと思ったのですが、このシリーズからはとんでもない歌が生まれました。
平八郎(荒井注)や江口写真館(由利徹)などが呑みに行く居酒屋の女将は菊(安田道代)という訳ありの女でした。そこに十郎(細川俊之)というヤクザ者がやってきます。菊と十郎はあまり会話はしないのですが、好き合っているのは高校生の私にもわかりした。十郎は時々咳をし痰を吐きます。結核です。昭和初期には死の病でした。そんな十郎を菊は心配そうに見つめます。そんな場面で流れるのがさくらと一郎の「昭和枯れすゝき」(作詞:山田孝雄 作曲:むつひろし)でした。
場末の飲み屋にふさわしい昭和の演歌です。とにかく暗くて貧乏くさいです。二人の第一印象も辛気臭いというものでした。人生に疲れたおじさんとおばさんにしか見えませんでした。今調べて見えると二十代半ばでしたが、自分の親の世代だと思いこんでいました。
この歌は150万枚を超える大ヒット曲となりました。歌番組でもよく歌っていたのですが、数年後ある番組を観るとさくらの方が若くなっていました。さくらは二代目になっていたのですね。初代のさくらのあの甲高い声を最初に聴いた気には背筋がぞくぞくとした記憶が残っています。
ところで番組内での菊と十郎はどうなったのでしょうか。悲劇的な最期を遂げたような気がするのですが…。誰か知っている人はいますか?
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流行歌研究会 | 音楽/映画/テレビ
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2022/02/19 16:49:03