
先日、母校である足高の図書館に入る機会がありました。ほぼ半世紀ぶりでした。
高校入学後に入部した運動部はすぐに退部してしまいました。帰宅部となり遊び惚けいていたのですが、これではいけないと思い学校の図書館に行ってみました。読書は嫌いではなかったのですが、かといって好きでもありませんでした。とりあえず新潮文庫のコーナーに行って文庫本を借りて読むようになりました。夏目漱石の「こころ」など文学品を中心に読みました。三木清の「人生論ノート」などという哲学の本も読みましたがちんぷんかんぷんでした。
高校一年の終わりか二年生になった頃に文学の世界にもっと浸りたいと思い、日本文学の全集がある書棚を覗いてみました。その時に目にとまったのが太宰治全集でした。名前は知っていました。中学校の時に太宰の作品で読書感想文を書いたことがあります。全集を読み進めているうちにすっかりはまってしまいました。いわゆる青春のはしかに罹ってしまったのです。
「道化師のソネット」(作詩/作曲:さだまさし)は、1980(昭和55)年2月に発売されたさだまさしの17枚目のシングルです。
1980年は学生時代最後の年です。高校時代に青春のはしかに罹った私は重篤化してしまい大学で日本文学を専攻し太宰を卒業論文のテーマにするまでになっていました。この曲が発売されたのは卒論の追い込みの頃でした。
太宰に『道化の華』という作品があります。入水自殺の体験をもとに書かれた小説です。主人公の名前は大庭葉蔵です。ピンときた人は太宰文学を知っている人ですね。代表作の『人間失格』の主人公と同じ名前なのです。深くは論じませんがどちらも道化が主題となっている小説なのです。
この曲はさだまさし自身が主演を務めた映画『翔べイカロスの翼』の主題歌です。これはピエロとして活躍していた栗原徹さんの実話をもとにした映画です。彼は綱渡りの演技中に転落死してしまったのです。映画は観ない私ですからこの映画も観たことはありません。ただ劇団名は忘れましたが舞台では観たことがあります。感動して泣いてしまいました。
私は心の中で道化師でありたい思って勤めてきました。授業中に駄洒落を言って、子ども達からオヤジギャクだなどと馬鹿にされたこともありましたが、少しでも笑顔にしたいという思いからでした。
このブログも同様です。暗くてしんみりとした内容が多いのですが、ちょっとで良いから皆さんの顔をほころばせたいと思っているのです。
ブログ一覧 |
流行歌研究会 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2023/02/08 21:33:44