挽歌☆由紀さおり

　南田洋子さんが亡くなりました。ミュージックフェアの司会者としてのイメージが強いです。長門裕之氏の悲痛な会見を見ているとこちらの心もつぶれるような思いになります。
　　秋山の黄葉を茂み惑ひぬる妹を求めむ山道知らずも
　こんな短歌を思い出しました。万葉集にある柿本人麻呂の挽歌です。挽歌とは死者を悼み、哀傷する歌です。
　原田康子さんも亡くなってしまいました。彼女の熱心な読者ではありませんが、「挽歌」は読みました。「Ｃｏｃｕ（コキュ）」という言葉が強烈な印象として残っています。
　年々、著名人の死からの衝撃が強まっているような気がします。特に今年はそう感じます。滅入った気分がなおらないうちに次の衝撃が襲ってきます。もしかしたら、人間はこのようにして自分の死に対する精神的な準備をしているのかもしれません。
　清志郎やトノバンの場合は彼らの歌を聴いたり歌ったりして泣きました。今の私の気分にあった歌は何でしょうか…。

　由紀さおりの「挽歌」（作詞：千家和也　作曲：浜圭介）です。由紀さおりは私にとっては「歌謡曲を上手に歌ってくれるおねえさん」なんです。私の傷ついた心を癒してくれます。そして泣かせてくれます。