小さいおうち

　「小さいおうち　中島京子　著　文藝春秋」を読了しました。第１４３回「直木賞」受賞作品です。

　　平井家の女中タキは旦那様と時子奥様、恭一ぼっちゃんと赤い瓦屋根の洋館で暮らしていました。昭和の初めから日本の敗戦が濃厚になるまでです。時代の変化とともに赤い屋根の家に住む人たちの心も変わっていきます。タキは奥様との生活の中で一つだけ胸を抉るような後悔を死ぬまで抱えていました。それは…。

　いくらオヤジな私でも昭和初期の生活など知るはずがありません。それなのに、なんか懐かしい感じがするのです。
　なんだか知らないけれど泣けました。
　「僕はいつも、聞かなかった問いの答えばかりを探している。」