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　「文学の門　荒川洋治　著　（みすず書房）」読了しました。

　私が文学の門をくぐったのはいつだろうか？中学校の時には本好きになっていたが、文学を意識したことはなかった。高校の時に初めて文学を自覚して読書をしていたような気がする。であるから１５歳の時である。太宰治というはしかにかかったのもこの頃である。
　最近は文学を意識して読書をしているでしょうか、決してそうとは言えません。周囲の人から「よく本を読みますねぇ…。」と言われるのですが、私からすれば不十分なんです。なんというか、片手間な読書なんです。
　文学を忘れそうになった時、荒川洋治氏の文章を読みます。たとえば伊藤整、たとえば高見順、彼らは２０代には私の中では大きな存在だったのですが、忘れています。そんな存在を思い出させてくれるのが荒川洋治氏なんです。
　でも昔のように「文学の門」に挑むように入る気はありません。門の前から覗いても良いし、入ってすぐ出てきても良いのです。荒川洋治氏も言うように「文学の門」はいつでもどこにでも存在するのです。それを敲くもくぐるも自分次第なんです。