
「駅に迎えに来て♡」って…。
3か月ぶりにあなたからのメールでした。私からは何度も電話をしているのに出てくれないし、もちろんメールの返信もありませんでした。
恨み言の一言でも言ってやろうと思っていたのですが、改札口から出てきたあなたを見たらそんな気持ちもなくなってしまいました。
「久しぶり~。」「ツゥさん、お元気でしたか~?」 そんなやり取りでもう十分でした。やっぱりあなたはあなたでした。
「さて、何を食べに行こうか…。」
「実は。今日は行きたいところがあるの。」
「えっ?美味しいフレンチでも食べたいの?」
「佐野に行きたいの。佐野厄除け大師に…。ランチは佐野ラーメンね。」
「
人気の絹屋さんだけど、今日は空いているね♪僕は暑いから冷やし中華にするよ。君はラーメンでいいかな?餃子は二人で一つでいいよね。」
「先週黒いラーメンを食べたのよ。」
「えっ?黒いラーメン?」
「そうよ富山ブラックというの!昨日まで夏休みで北陸にいたのよ。」
「いいなぁ…。誰と行ったの?」
「ツゥさん、知りたいの?知らない方がいいこともあるのよ…。」
「・・・・。」
「これお土産、反魂丹。今日は時間があまりないけれど、次はゆっくり呑みましょうね。」
「ツゥさんに最初に連れて行かれたランチもラーメン屋さんだったわよね。たしか…。」
「おぐら屋、それも古いお店のね。」
「とっても美味しかったわ~。もう10年も経つのねぇ…。」
「私、今年は厄年なのよ!」
「僕なんて毎年が厄年みたいだよ…。僕は中に入らなくてもいいよね。」
「今日はありがとう。」
「僕こそ、ありがとう。やっぱりあなたが一番だよ。でもどうして電話もメールもくれないの?」
「メールはちゃんと見ているわ。電話だって出たいけれど声を聴いちゃったらツゥさんに逢いたくなっちゃうでしょ…。」
「・・・・。もう時間かな?駅まで送るよ。」
「雨が来そうだ…。」
「本当に…。きゃっ!」
「稲妻が光ったのかい?相変わらず雷がきらいなんだねぇ。」

「あっ!本格的に降ってきた!これでは駅で車から降りられそうもないねぇ…。」
あなたはこっくりとうなづきました。そして私の左腕に腕をからませたのでした。雨よ、もっと降れ!私は心の中で祈りました。この時間がいつまでもいつまでも続きますように…。
Posted at 2012/09/02 20:09:06 | |
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