
1985(昭和60)年8月12日、群馬県上野村の御巣鷹の尾根に日本航空123便が墜落し、520名の方が犠牲になりました。その犠牲者の中に坂本九さんがいました。享年43歳でした。この日、九ちゃんも星になっってしまいました。
「見上げてごらん夜の星を」(作詞:永六輔 作曲:いずみたく)は1963(昭和38)年に発売されて大ヒットし、「上を向いて歩こう」と並んで九ちゃんの代表作となりました。数多くの歌手ににカバーされてる日本の代表的なスタンダードナンバーです。2011年の東日本大震災後も被災地などで多くのミュージシャンに歌われています。
この曲はもともと1960年初演の『見上げてごらん夜の星を』というミュージカルの劇中歌でした。定時制高校に通う若者を描いたものでした。それを見て感動した坂本九が自分でも演じたいと演出家であった永六輔にお願いし、ミュージカルそして映画で主人公を演じました。1973年には南沙織、フォーリーブス出演で演じられていますね。
30年ほど前、親元を離れて寮生活をしながら定時制高校に通っているタカコちゃんという娘と話したことがあります。彼女が通うのは昼間2部制という定時制高校で、ある週は朝4時に起きて午後2時くらいまで仕事をし、そして午後3時から6時半前学校で勉強をするという日課で、次の週は午前中の8時半から12時まで勉強し、午後は夜9時くらいまで仕事をするというものでした。
「仕事と勉強の両立は大変だろう?」
「最初は大変だったけれど、もう慣れたわ。でもね冬の寒い時期はやっぱり辛いの。」
「朝寒いのは辛いよね。」
「もちろん朝も辛いけれど、夜も大変なのよ。」
「どんなことが?」
「仕事が終わった後、職場にあるお風呂に入るのが楽しみなのね。夏場は寮までの帰り道が気持ちよくてお星様を眺めたりしているの。でも冬場はのんびりお星さまなんか見ていると洗った髪の毛が凍ってしまうのよね。」
私は何も言えませんでした。彼女は笑って話していたけれどきっと陰では何度も泣いていたのでしょうね。そんな彼女ももう50歳に手が届く頃です。幸せな人生を送っているのかなぁ…。
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Posted at 2013/12/04 18:16:23 | |
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流行歌研究会 | 音楽/映画/テレビ