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　１９６６（昭和４１）年６月２９日未明、ビートルズが羽田空港に降り立ちました。３０日夜、７月１日・２日の昼と夜の計５回の公演が日本武道館で開催されました。音楽ファンだけでなく多くの日本人に色々な意味での衝撃を与えました。エレキギターを弾くというだけで不良と思われていた時代です。武道館を使用することに対しても反対意見が多く出されました。
　足利という田舎町に住んでいた洟たれ小僧には、ビートルズが何者かがわかるはずもありません。なんで多くの若い女性がキャーキャー言うのか不思議でした。中学生になって歌謡曲だけでなく、洋楽にも興味を持ち始めると当然のようにビートルズを聴くようになりました。『赤盤』『青盤』を聴きこむことによって、いっぱしのビートルズファンになったのでした。そんなビートルズも僕がフォークギターを弾き始めた1970年には解散してしまいました。

　ビートルズの好きな曲はと問われると困ってしまいます。多くの名曲があります。「Let It Be」「Hey Jude」「Strawberry Fields forever」「While My Guitar Gently Weeps」「The Long And Winding Road」などがすぐに思いつきますが、敢えて一番はと訊かれれば「イエスタデイ」（作詞／作曲：レノン＝マッカートニー）と答えています。日本公演でも歌われています。ポール・マッカートニーがギター1本で歌う姿はカッコよかったですね。レコードでは途中からバックに流れる弦楽四重奏に感動したものでした。
　ビートルズ日本公演はずっと遠くのものと思っていました。半世紀も前のことですからね。でもこの曲を聴いていたらまるで昨日のことのように感じられました。ビートルズを聴いていた頃の僕は幸せだったのだろうか。君と一緒に聴いていたあの日は間違いなく幸せでした。でも、あの日はもう戻っては来ないんですね…。