
戦後生まれの戦争を知らない私には、アメリカという国はただただ憧れの国でした。音楽についてもそうです。テレビからはアメリカンポップスやそのカバーが流れてきました。たまにテレビで観るエルヴィス・プレスリーはとにかく格好よかったです。
思春期を過ぎた頃から音楽の嗜好も変わってきました。歌謡曲やアイドルも好きだったのですが、フォークソングに夢中になります。拓郎に夢中になり、ボブディランを知り「風に吹かれて」をコピーしたりしました。それからキングストン・トリオ、ピーター・ポール&マリー、ブラザーズ・フォア、ジョーン・バエズなどの曲を聴くようになりました。
その頃には、世の中のことを世界のことを知りたいと思うようにもなりました。アメリカにも負の部分があることを知りました。人種差別ですね。高校生の時に公民権運動についての本を読むようになりました。『マルカムX自伝』を読んだのもその頃です。
「We Shall Overcome 」は、アメリカ黒人の公民権運動の象徴のような歌です。1963(昭和38)年に、キング牧師らによって人種差別撤廃を求めるデモがワシントンD.C.で行われました。ワシントン大行進と呼ばれていて、キング牧師が「I Have a Dream」の演説をしたことで有名です。30万人ともいわれた参加者がこの歌を合唱したのですが、その中心にいたのがジョーン・バエズでした。日本でも知られるようになりレコードが発売されました。邦題は「勝利を我等に」でした。
2000(平成12)年にアメリカに行ったのですが、その時にアトランタの「マーティン ルーサー キング ジュニア国立歴史地区」を観光しました。キング牧師ゆかりの地区で、キング牧師の生家、牧師を務めた教会、キング牧師夫妻のお墓などがあります。とても感激しました。
この歌には原曲があります。それについては細かくは触れませんが、その原曲をアレンジして広めたのはピート・シーガーです。「花はどこへ行った」「天使のハンマー」などで知られるフォークシンガーです。プロテストソングの先駆者です。日本のフォークシンガーにも多大なる影響を与えました。その一人が高石ともやです。実は私がこの歌を知ったのは高石ともやのアルバム『受験生ブルース 高石友也フォーク・アルバム第2集 ~第2回・高石友也リサイタル(1968年1月12日 大阪 サンケイホール)実況より~』においてでした。
勝利の日まで 勝利の日まで
戦い抜くぞ 皆の力で
勝利の日まで
Posted at 2020/04/21 16:42:34 | |
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流行歌研究会 | 音楽/映画/テレビ