
名人戦は渡辺明挑戦者が豊島名人に勝利して、悲願の名人位になりました。今でこそ竜王位が序列1位ですが、昭和のオヤジは名人がなんといっても一番なのです。渡辺明もそんな意識があったはずです。平成生まれの藤井聡太棋聖も「名人をこす」のが夢だと言っています。
名人の歴史は織田信長の時代に遡ります。江戸時代には家元制(世襲制)および推挙制による名人の時代になります。一世名人の初代大橋宗桂は江戸幕府より俸禄を与えられました。それは明治まで続きますが、大正時代に襲位した十三世名人の関根金次郎の時に、実力制名人が待望されるようになりました。関根金次郎名人はそれを受け入れ昭和10年に第1期名人戦決定特別リーグが開催されました。昭和12年には昭和12年に名人位の栄冠は木村義男八段が獲得することになりました。実力制第一代名人となったのでした。
93年間に実力制名人となったのは、木村義雄・塚田正夫・大山康晴・升田幸三・ 中原誠・加藤一二三・谷川浩司・米長邦雄・羽生善治・佐藤康光・丸山忠久・森内俊之・佐藤天彦・豊島将之・渡辺明の15人です。この名人の中で、名人位を5期以上保持したのが「永世名人」です。関根金次郎十三世名人を引き継ぎ、木村義雄十四世名人、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、谷川浩司十七世名人、森内俊之十八世名人、羽生善治十九世名人となっています。
次の永世名人は誰になるのかが注目です。渡辺明名人以外で現役で名人経験者は谷川浩司、羽生善治、佐藤康光、丸山忠久、森内俊之、佐藤天彦、豊島将之です。谷川、羽生、森内はすでに襲位予定です。佐藤康光九段は名人2期で、現在A級に在籍していますが、50歳という年齢がネックです。丸山忠久九段も名人2期ですが、羽生世代でやはり50歳です。しかも現在B1級なので難しいでしょうね。佐藤、豊島、渡辺の3人は30代ですから可能性が高いです。一番高いと思われるのは佐藤天彦九段です。名人位3期ですから来年挑戦者になって名人位を獲得すれば可能性が高くなります。そうでなければ難しくなります。あいつがやってきますからね。
今年のA級メンバーは以下の棋士達です。
豊島将之竜王、広瀬章人八段、佐藤康光九段、佐藤天彦九段、羽生善治九段、糸谷哲郎八段、三浦弘行九段、稲葉陽八段、菅井竜也八段、斎藤慎太郎八段
来年の挑戦者は誰になるでしょうか。私の予想では本命が斎藤慎太郎八段、対抗が豊島将之竜王、そして佐藤天彦九段です。
あいつは、いつ名人戦に登場するのでしょうか。名人戦へつながる順位戦には5つのクラスがあります。藤井聡太棋聖は今はB級2組にいます。今年昇級すればB級1組になります。来年昇級するとA級となるのです。順調に昇級すれば2023年の名人戦に登場することになります。それまでにタイトルはいくつ獲得しているのかな?
Posted at 2020/08/17 21:59:55 | |
トラックバック(0) |
囲碁・将棋 | 趣味