
将棋ブログです。
今朝のニュースとワイドショーでは「ヤフオク!」での封じ手の落札価格が話題となっていました。最高は「
同飛車大学」で有名になった第4局のもので、なんと1500万円です。3通合計は2250万2000円でした。九州豪雨被災地への義捐金として寄付されるそうです。それはそれで良いのですが、イタズラもあったようです。困ったものです。
藤井聡太二冠の活躍により将棋棋士への注目度が高くなりました。自分の子供や孫を棋士にしたいと考える人も多いのではないでしょうか。どうすれば棋士になれるのでしょうか。今回はそんなお話をしたいと思います。
まずは棋力が高くなくては話になりません。小学生低学年で近所の縁台将棋の力自慢のおじさん達に勝てるようでなくてはいけません。将棋道場で小学生のうちにアマチュア四段クラスの力を身につけたいですね。ちなみにアマチュアの県代表が五段くらいです。これならプロ棋士になれそうだと思ったら「奨励会」に入る必要があります。「奨励会」とはプロ棋士養成機関です。受験資格は満19歳以下で四段以上のプロ棋士から受験の推薦を得た者とあります。試験は1次試験・2次試験とあって面接や筆記試験などもあるようですが、対局が中心です。勝てばいいのです。
奨励会ではライバル達と戦います。奨励会は七級から三段までで構成されていて、規定の成績を収めたときに昇段・昇級することができます。三段になるとリーグ戦が行われます。約30名の中で、上位2人になると四段になります。四段になれば晴れてプロ棋士です。三段リーグは年に2回行われます。すなわち一年で4人しかプロ棋士になれないのです。プロ棋士になるのは大変なことなのです。そして奨励会には年齢制限があるのです。満21歳になるまでに初段になること。満26歳になるまでに四段になること。これが達成できなければ問答無用で退会となります。途中で自分の才能に見切りを付けてやめる人もいます。でも26歳まで頑張った人にとっては当然退会は辛いことです。将棋漬けの毎日を送っていたのに、それを全て否定されたようなものですからね。
2005年2月28日に日本将棋連盟の理事会宛に35歳のサラリーマンから一通の手紙が届いた。内容は「日本将棋連盟の正会員になりたい」という嘆願書だった。その人の名前は瀬川晶司。かつて奨励会に所属していて3段まで行ったが年齢制限で退会していた人物である。瀬川は奨励会を退会した後、一度は将棋を捨てた。しかし、将棋を指す楽しさに気づきアマチュアに復帰し、各種大会に参加する。するとアマ名人・アマ王将を獲得してアマチュアのトップ棋士となる。プロ棋戦に出場する機会も増えてきた。銀河戦での活躍はめざましく、プロ棋士を破り三回決勝トーナメントに進んでいる。特に2003年の銀河戦では決勝トーナメントの一回戦でA級の久保利明八段に勝利した。A級八段とは紛うことなきプロのトップ棋士である。瀬川の友人たちは瀬川がプロ棋士になることを期待するようになった。周囲の応援もあって瀬川は嘆願書を提出したのであった。その時点でのプロ相手との対戦成績に17勝6敗、勝率0.739であった。

瀬川晶司の自伝である「泣き虫しょったんの奇跡」の内容の一部です。嘆願は認められて、編入試験が実施されて3勝2敗で見事合格したのでした。この件があってプロ編入試験が正式に制度化されました。2014年に今泉健司、2020年には折田翔吾が受験し合格しました。
今日も注目対局があります。永瀬拓矢叡王に豊島将之竜王が挑戦する第5期叡王戦七番勝負の第9局です。とんんでもないタイトル戦になっています。七番勝負なのに第9局ってわかりますか。3勝3敗2持将棋なのです。持将棋の詳しい説明は省きますが引き分けです。まさか今日も持将棋ということはないでしょうね。
藤井聡太二冠の対局は明日9月22日(火)です。王将戦挑戦者決定リーグ戦で、対戦者は羽生善治九段です。羽生九段といえば竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局で丸山九段に勝ち豊島竜王への挑戦を決めました。竜王のタイトルを獲得すればタイトル100期となります。
Posted at 2020/09/21 12:23:42 | |
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