
「神の悪手 芦沢央 著 新潮社」を読了。
昨日今日と豊島将之竜王に藤井聡太三冠が挑戦する第34期竜王戦七番勝負の第1局が行われている。2人のタイトル戦は「王位戦」「叡王戦」に続くものだが、これまでは藤井三冠が勝っている。豊島竜王にとっては竜王位は最後の砦である。これを獲られたら無冠となってしまうので、そう簡単には負けられないのだ。
ABEMAの将棋チャンネルで観戦している。良い時代になったものだ。昔はテレビや新聞で次の日に結果を知るだけであった。詳しい内容は『将棋世界』といった雑誌を読んで知ったものだ。今は生で観られるのである。将棋ファンにはたまらない。とは言っても二日間ずっとテレビを眺めているわけにはいかない。一時間以上の長考することもあるし、昼食休憩や夕食休憩もある。途中買い物に行ったり別のこともしたりする。
昨日、邑楽町図書館で借りてきたのが「神の悪手」である。芦沢央氏の作品を読むのは初めてである。「神の悪手」は将棋を題材とした短篇集だ。将棋番組か何かで知った。今日のABEMAの解説者も話題にしていた。読みながらの将棋観戦である。
将棋界について書かれた小説はなるべく読むようにしてきた。このブログでは「
泣き虫しょったんの奇跡」「
聖の青春」などを紹介している。この二つは実在の棋士が主人公だが、「神の悪手」はミステリーである。読み入ってしまった。将棋の知識はあった方が良いのだが、なくてもミステリーの醍醐味は味わえるはずだ。「弱い者」「神の悪手」「ミイラ」「盤上の糸」「恩返しの」の5短編なのだが、最初に読んだからか「弱い者」が一番素晴らしいと思う。
読後に作者の説明を見てみた。『芦沢 央(あしざわ・よう)』とある。名前は(おう)ではなく、(よう)であった。1984(昭和59)年生まれ。まだ30代の若い作家だ。東京生れ。千葉大学文学部卒業。えっ、なんと後輩。もちろん面識などないが、後輩が作家として活躍しているのは嬉しい。これは他の作品も読まなくてはいけないな。
興味を持ったのでネットでも調べてみた。すると…

央さんはなんと女性でした。てっきり男だと思っていました。思い込みはいけませんね。ますます応援したくなりました。
将棋の対局ですが、午後5時時点で評価値的には豊島竜王が65%で藤井三冠が35%となっています。このまま豊島竜王が勝ちきるでしょうか、それとも藤井三冠に神の一手が出るでしょうか。まだまだ目が離せません。
追記
竜王戦は藤井三冠の勝利となりました。
Posted at 2021/10/09 17:00:39 | |
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