2012年06月03日
オウム犯人逮捕
・先日もだれか捕まったのだが、オウム事件については今頃という感じと逃亡者の悲哀のような物を感じる。指名手配犯の写真とかって最近あまり見ないし、場末の温泉で見たりすると何年前から同じなんだろう?こんなの効果あるんだろうか?と思ったりしていたのだが、まあ探してはいたんだなと。刑事もある意味こんなのを探して何十年とかやってたりするんだろうし。
・もちろん犯人にはそれなりの罪状がある訳で、かわいそうと思ったら責められそうだし、社会的な制裁を受けずに逃げてきたという部分は同情の余地はないのだが、オウムの指名手配犯はなんか微妙である。普通テロリストが潜伏していると言った場合、再びテロを起こすかも知れないという危険性について危惧すべきなんだろうが、オウムの場合結局そういう事は無かった。最も大きかったのは麻原がさっさと見つかって指導者がいなくなったら、結局何をやりたいという目的が無かったという独裁的なテロ集団だったというのが大きいだろう。これが国家転覆にもっと理論的な背骨を持つ組織だったら(例えばアルカイダとか)だったら、二次、三次のサリン事件は起きていたかも知れない。その点、オウムは麻原をトップとする神秘主義集団で、テロリストのような増殖性や多頭性が無い。そういう社会的な危険性が低かった。
・そうなると必罰というか国家による復讐のような側面を感じる。もちろん遺族や被害者にもそういう気持ちはあるだろうが、日本だとどうも犯罪被害者って放置され気味なのに、オウム事件だけ特に念入りに公安が働いているような所を見ると、これは国家によるテロリスト(?)への見せしめを含めた復讐なんじゃないかと。しかし、それは見ていてあまり気持ちよい物ではない。いや、法的に裁かれるんだから、かなり甘いのだろうけど、かつての連合赤軍など明確な意図を持ったテロリスト達が北朝鮮とかに渡りなんか堂々と取引とかしていたのに比べると、そういうバックボーンがない組織は哀れな物だなぁと。
・確かに北朝鮮はごらんの通りだし、暴力で何かを解決しようという考えを取れば、いつかこうなる物かも知れない。でも、国家というのは合法的に自己の為に暴力を正当化する唯一の存在であり、つまる所国家はさらなる暴力からの攻撃に倫理的に抗弁しようがない。というか、実際には国家側が暴力を使う事が多いというか。また追い込まれて暴力以外の手段が無いのではないかというケースもままある。戦後日本は一見平和だったように見えるが、実際には様々な矛盾を反共の砦として米国の意向で無理矢理押し込めてきている。いつも若者はそういう何かにいらだって反乱してきており、それを上手く取れ込めない国は定期的に政権崩壊してきている(アラブの春とか)。
・つまり、一見するとカルト集団の残党狩りなんだけど、本質的には国権のみせびらかしであり、このどうしようもない国(国民の、とは言わない)の傲岸さを垣間見るような気さえする。いや、そりゃ、お仕事しない警察より犯人逮捕した方がいいけどさー、政治家には及び腰だったりねつ造ばっかりしている検察とか、最初のサリン事件の時の誤認逮捕でみすみす地下鉄事件を起こさせてたりするのを見ると、権力の中央と本質って物がなんなのか分かる気がする。
・話し飛んで、今朝ははじめてフレッシュプリキュアを見た。ニコ動で時々話題になっていて、「プリキュアって多分色々あったと思うんだけど、なんで今更?」と思ったが、もちろん初代とマックスハートの一部しか知らないので、その差は分からなかった。でも、ドラゴンボール的だった戦闘シーンが一応それなりの趣向になっているのは進歩だろうし、最後のリレーで「ご都合主義でナオがトップで万歳?」「いや、二着でそれでも頑張ったと思うマイルドビター?」と思ったら、転倒でドベで号泣という予想の斜め上の展開にびっくりした。脚本頑張ってるナー。そういえばNHKラジオも脚本家の人が来て面白い話しをしていた。考えて見るとアニメ業界って不思議な所で、学歴が関係ないというかルートが確立されていないような感じだ。アニメ学園とかあったけど、本当にアニメに関わる仕事がしたければ、かなり社会的・経済的に厳しいのを覚悟した若い人しかやれないという所で、「アニメが好き」という人は多いけど、「作りたい」というののハードルの高さが、逆に日本での成長産業なのかも知れない。実際には制作サイドに正当に利益が分配されているか怪しいけど。ま、プリキュアとか、子供に安心してみせられて大人も納得というのはすごいよな。もう少し高年齢向けの子供番組って商品の番宣というか、ほんと脚本馬鹿になってるなーという台詞ばっかりだしな。とは言えCMスポンサーはマックとか、よく洗脳先を分かってるとも感じた。
・そう、上で国家と国民を分けたのは、今の日本は国民国家というか民主主義国家なのだけれど、本当に国民が主権を持っているのか甚だ疑問だからだ。そこらへんは国家の品格の前半に詳しいが、民主主義ってのは絵空事であり、実際に選挙があるとしてもその際の第一権力はマスコミであり、マスコミが信に足らない事はネット民などは良く知っている。そのマスコミはマックの下なので、じゃあマクドナルドが日本の主権者かと言われると、そっちも教祖はいるけど主権じゃないわな、とは思う。ただ、マスコミの一番のお仕事は洗脳と衆愚化なので、安ければ良いとか電力が足りないとか友達は大切とか様々なメッセージのいちいちを疑っておかないといけない。個人的に外国資本が入ってる番組はかなりその手のメッセージを強く持っているように感じる(とくに西友・ウォルマートやマック、P&Gやコーラ)。
・一方で高い塔はいずれ倒れる物である。バビロンの塔はいずれ倒れる、東京スカイツリーもいつかは崩さなければならなくなる。そして、国家組織も比喩的にバビロンの塔だったのだろう。今、世界は、戦争という暴力的な手段ではなく、また壊滅的な結末を避けながら、安全に塔を崩す時期に来ているのではないだろうか?どうも昨今の世界を見ていると、リセットボタンの押し方を考えているような印象を受ける。例えば拡大主義で景気よくやっているように見える中国だが、賃金の急上昇で産業が逃げ出し汚職で国民(そんなんいない?)の暴動頻発、一気に高齢化が進んでおり、一瞬で今の繁栄が砂上の楼閣と消える危機にある。まあ、あの国は、本当に戦争でリセットしかねねえ所が怖いけど。
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Posted at
2012/06/03 22:34:26
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