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暇人ぶぅのブログ一覧

2014年01月06日 イイね!

ブドウの遅出し(現代農業ネタ)

 ・今月の現代農業のブドウ関連は「遅出し」についてだった。簡単に言えば貯蔵性が高い品種、晩成種を遅く作って遅く出せば市場価値が高いとか、味が本当のブドウになっている、という物。まあ、良い点ばかりを書くのが雑誌なので、そこらへんについて同じ生産農家としてツッコミを入れて見たい。とは言え、遅出しブドウについて明確な定義がある訳じゃなくて、岡山での取り組みでは巨峰系を11月以降に12月初旬ぐらいまで売るし、茨城での取り組みでは11月からクリスマス、長野では11月収穫で3月ぐらいまで冷蔵なしで持つという物。品種は欧州系が強いというのは皆共通した認識みたい。

 ・さて、11月は・・・うちだと巨峰が辛うじてちょっと残っていたくらいかな。スチューベンは腐ってたし、純欧州系は作ってないし。ただうちの園はかなり早熟な傾向があるので、さげとくだけなら11月は余裕だし、欧州系ならもっとパリパリして残っているだろうとは思う。荷受けも10月最終週までやってた気がするし、市内なら11月もやってた。ただ値段に関しては下がりもしないが上がりもしない、と言った所。相乗効果がある場合もあるだろうが、他のリンゴとか洋梨とかが流れ出すと需要を食い合ってしまう問題もあるし、農協の荷受けが止まると市場のみだから、わざわざ市場に出すうまみがあるかと言うと、ブランド形成が出来てなければ厳しいだろう(直売は除く)。味に関してはまあ早期に出すのは総じてマズイのは本当、私が遅いのの理由の一つは初収穫をちゃんと味が乗ってからやるからスケジュールが厳しいってのはある。ピンクとかでも出せるっちゃ出せるけど、自分で食べたくないからね、ああいうの。

 ・さて、デメリットに関して、茨城のケースで生産者さんがちゃんと言っているのだが、分からない人も出てきそうだし根源的な問題なので触れておく。それは、この遅出、木にダメージになるので、毎年同じ木でやれないし、量も適期より少ないし、相当単価が高くなければ割に合わないという事だ。果実は木の光合成の生産物であるブドウ糖を集めるので、その分、木へのエネルギーが回らなくなる。成熟してある程度糖度が上がりきったら平気そうにも思うが、経験的に最後まで収穫が遅い所は次ぎの年も芽吹きが弱く収穫も遅いという悪循環に陥りやすい。茨城のケースだと収穫木をローテーションさせて、なおかつ収量制限を行っている。そうすると、個人売買や契約栽培ならいいけど、大口ロットでは流せなくなる。また露地の場合は冬の作業に影響する人もいるかも知れない。

 ・他のデメリットとしては、やっぱり病気の発生、過熟、人間の方の疲れか。袋をかければ、ちゃんと残っている奴はほぼ最後までノーダメージだと感じるけれど、まあ悪くなるケースもあるだろうし、袋かかっているとこまめに見る事が出来ない。また過熟すると全てが無駄になる。品種で相当違うので、それらをリストアップしてくれてあるが、正直大半は新鋭品種で市場価値や知名度が定まってないし、今後どうなるかも分からない。まあ、挑戦してくれるのはありがたい事だが、品種ごとのデメリットがまだ分からない(たとえば木の寿命とか収穫までの成長の早さ。あと導入コストが高いよね、新品種)。人間も露地まかなえるだけの労働力が確保出来てれば遅く出すのはそんな辛くはないだろうけど、休みがないのは考え物ではある。

 ・それらを考えると、木の上で完熟させるのはいいけれど、やっぱり11月までには収穫しおえて、残りは貯蔵した方がいいのではないだろうか。確かに健康な房が木の上に乗ってるとさらにおいしい事もあるだろうけど、貯蔵技術の向上を行えばそんなに違いはないはず。実際貯蔵方法も多少は紹介されているが・・・そして、私のケースで考えると、この問題って結局は日本人の生食指向の強さを強調しているのね。

 ・海外ではここまで生食にはこだわらないので、加工消費が多いし、そうすると貯蔵性があがるだけでなく美観にも日本ほど気を配らなくなる。販売側からすると、相当難易度が高くメリットが少ない生での遅出しを頑張るくらいなら、加工販売を考えた方がお得だ(あんまり詳しくかけないけど、たとえばワイン用に出しちゃうってのが生食のクズでは普通)。

 ・そして海外の話題が出るとこの記事が書いてない問題も思いつく。輸入ブドウだ。昨今は日本のブドウが終わった頃を狙ってカルフォルニアのブドウが出回るし、アルゼンチンのブドウもへんな時期に出てくる。初期はへんな味のも多かったが、最近は消費が増えたのか、品質もいいし見た目もまあまあなのが増えた。そして、それらは当然のように無核(種無し)で皮ごと品種である、欧州系ブドウに適した地域だから栽培も容易だろうし。私も時々買って食べてるぐらいだ。ブドウは果実の中でもトップランクにおいしいし、欧州系はさらに食べやすい。日本の旬とずれて入ってくる分には相乗効果があっていいだろうけど、日本でそっちと競合するのは厳しいと思うんだ(北半球同士だけど輸送時間がかかるので、大抵遅い)。まあ、今後多少遅くは出るようになるかも知れないけど、それは優先順位は低い課題かなぁ。
Posted at 2014/01/06 18:33:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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