2015年10月05日
・ブランドイメージ大暴落と言えばなんだろう。雪印?うん、死者まで出したし繰り返してたから罪重いよね、私はもう買ってない。シャープ?経営無能とかあるかもだけど、世界的な構造改編についていけなかったための業績悪化の側面もあるからかわいそうとしか。三菱?ブランドというより個人的に好きだったメーカーなだけにショックが大きかったけど、デボネアにブランドなんてないわ。VW?うーん、今回は残念ながらこれが話題だ。
先日生データー引用した話まで見つけてしまったのだが、今度はその生データー出したアメリカの研究機関、というより小グループの情報が出てきた。それによると、弱小の大学研究グループがNPOの補助金600万円でやった研究らしい。それによってVWだけで8兆円程度の制裁金だの補償金だのが予想されているだけに、悪事のしっぺがえしの大きさにびっくりする。本来はクリーンディーゼルがいかに素晴らしいか実験するつもりでロードテストをやったら実際はあまりに酷く、結局テストモードの切り替え方法を暴き出したとある。先に見つけたデーターで「テストモードに入ったりそうじゃなかったりするデーターがある」と分析していたが、実際はどうやらテストモードにはハンドル切れ角など様々なデーターが影響していたようで、おそらくソレを入れたモードとそうでないモードを意図的に混ぜておかしいことを証明したのだろう。全部悪い数字だと逆に試験方法や個体差へ疑いを反らす事になるからね。
面白いのは、前前にも書いたが、この「テストモード」は存在は予見され、発見されれば致命的になるにも関わらず放置されていた事だ。だって600万の研究費で分かってしまうような問題を国家レベルで隠し通せるか?実際は前例も存在し、内部的にはVWにテストモードに関しての聞き取りなどがあったようだ。今回はたまたまこの研究グループの情報が分かりやすいので使われているが、これだけでしょっぴかれたと思うのは間違いで、実際VWは長い事しらばっくれていたらしい。
じゃあVWが自白したのは何故かと言うと、結局クリーンディーゼルとして認可しないという方針をアメリカの当局が出したために従ったのだそうだ。なんて厚顔無恥なんだろうと思うが、不思議なのは認可云々が出てくるのは新世代の方の問題だという事。今問題になってるクリーンディーゼルの不正ソフト問題は実は旧い基準での問題だ。ヨーロッパの最新の基準であるユーロ6では不正はなかったと直後のアナウンスが出ているが、アメリカは旧型モデルの不正を新型モデルの不認可という少しズレた方法で白状させている。なんかおかしい。
当然ながら真っ先に疑うべきは「本当に今作られているユーロ6対応ディーゼルに不正ソフトはないのだろうか?」という問題である。てか、常識的に考えてその前の段階ですらクリア出来なかったメーカーが次ぎの基準をクリア出来るとは到底考えられない(方式を全く変えるなら別、尿素式とかね)。不正の潔白を証明するには一つはテストモードをロードテストの集団検査方式にするという前私が書いた方法にする事(現在検討中)と、ソフトを解析出来る状態で提出する事になるが、後者は本当にクリーンディーゼルが成立しているならアメリカ側にとって都合がいい事なので圧力もありそうだが、出来てもない事のごまかしソフトを解析するのはアメリカにとってそんな利益じゃないだろう。でも、今後、自動車制御技術をアメリカに筒抜けにさせるいい口実ではある。
さて、他に面白いっちゃ、どっかのメディアで他のメーカーのクリーンディーゼルをロードテストして、やっぱり排ガスの数字が高かったと言うカウンターネガティブキャンペーンみたいなのがさっそく見られた。まあ、一面ではロードテストを正当化する物と理解できなくもないが、今回の問題はテストモードだけいい数字を出しているモードの存在なので、逆につっこまれまくってた。まあ、確かに問題っちゃ問題なんだけどねぇ。
で、本質的にはもう一台一台乗り方でも使い方でもメンテでも変わってくる数字を一律に扱って、しかも税金の還元で保護するって方法が限界なんじゃないか?って話もあったりする。燃料課税とかそっち方面ね。あと日本では税金を燃費で計算しようという話も出ていて、一部の大型自動車乗りに賛成も見られるが、まあ合理的な数字がでっこないから、まずは最初の問題クリアしてからだな。
VWグループはあんだけの不正をやって株がかみ切れになるかと思ったら意外と下がらなかったというのがある。ここにも株式という物が全然理屈通りの健全な市場でない事を伺わせる物がある。いや、実際はかなり下がったという声もあるんだけど、やらかした事からするとほんともっと下がって良いはずだし、逆に他のメーカーの株はあがるはずなのに全自動車関連が下がったそうな。おそらく裏では政府買い支えや株主補償とかがあるんじゃないのかな。
さて、今回下がったのはVWやその関連ブランドな訳だが、VWは事実上ドイツの一強メーカー(アウディ、ポルシェが強い経営参加、BMWとベンツは経営別だが供給関係でBMWは多分真っ黒)だ。確かにVWやアウディ乗ってる人はその車がクリーンディーゼルじゃなかったとしても、その恥知らずな経営体質からするととても自慢して乗れる物ではなくなってしまっただろう。たとえば三菱トラック乗ってなくても三菱から乗り換えた風潮と一緒だ。しかし、今回もっと落ちたのはドイツという国のブランドイメージだろう。私はドイツはもっと生真面目で合理的な国民性があると信じてきたし、理想の社会に一番近づいている国だと思っていた。それがこんな形で裏切られ、また大きすぎて壊せないから政府と裏取引しそうな事にショックを受けている。とは言え、ドイツ政府の行動は移民政策を見ても合理的というより感情的かつ、どこか上級国民様の計算だけでやってるような感じがある。日本をドイツの二の舞にさせてはいけないと改めて思った。
・最近派手な事故を見る事が多い。先日は横転だったが、今日は田んぼにジュークが落っこちてた。あまりに綺麗に落ちてるので「軽トラ代わりにジュークで堆肥でも運んでんのか?」と思ったら、向かいに止まってた白のミニバン(見分け付かん、多分セレナ)のフロントが滅茶苦茶に壊れていた。幸い運転手さんが電話してたし、ジュークの人も田んぼ歩いていたので通過したけど、一体どうすりゃあんな吹っ飛ぶのかわからん。
そういえば近所で配り物仕事(メール便とか)をしているカブの爺様、後ろにつく機会があって見たらウィンカーが点滅してない。弱く点灯するだけだ。偶然クロネコヤマトで会ったので「これ放置すっと死にますよ?」、とは言えないのでウィンカーの件を確かめておいたが、バイク屋に聞いて見るがバルブの接触不良だとは思ってたとかとんちんかんな事言ってた。そもそもバイク屋今地元に一件で、しかも仕事してない事で有名(&ぼったくりと言う人も居るが、バイクのバッテリーは正規価格だとほんと高いのでお店だけの責任ではない)なので、本当に出すのか分からない。そのうち路肩で無残な形になったカブと分離したお爺ちゃん見るんじゃないかと怖くなる。
・TPP閣僚で合意だっけ、一応ニュースを書いておく。今後米輸入自由化とか言ってるけど、本当に怖いのは小麦の関税なくなってパンが半額になっちゃう事じゃなかろか。とくに大手製パンは人件費が少なくほとんど原材料費になってるだろうから、コスト圧縮が効く。町のパン屋とかは逆に大手と国産小麦の高級パン屋にはさまれる所が辛いよねと。
・久々にバイカーズステーション買ったら、ヤマハの宣伝雑誌みたいになってて笑った。佐藤さん引退したかと思ったけど、一応発行人の名義はある。でも年齢的にも見た目の健康的にもあれやばそう。検索したらツイッターが7月で止まってるし、なんかあったんかな。さて、ヤマハの宣伝雑誌と言うとアレだが、実際の所ホンダが最近メーカーとしてもレースでもイマイチ元気がない所があって、ヤマハがバイクのリーディングメーカーになっているのもあるのだろう。私はR25の件であんまり好きではないが、それでも魅力あるバイクを次々と発表しているのは事実だ。ツーリングでもMT系をよく見るし、R1もこれまたよく見る。
ただ、雑誌を斜め読みしただけで「バイクもこういうレベルになってしまっているのか」という思いを強くした。簡単に言えば電子制御てんこ盛りなのである。6軸のジャイロセンサーなどで車体の状態をつかみ、もの凄い速度でフィードバック制御、ABS/スライドコントロール・トラクションコントロール・ローンチコントロール・リフトコントロールなどつみこみまくっている。そういえばバイクで最初のTRC入れたのはヤマハのレイドだったっけな。そういうのも否定はしないし、リッターレプリカを安全に走らせようと思うとその手の制御を入れる必要もレースではあるのだろうけれど、そういう事ってほんといいんかなと。
・一輪車の発泡ウレタンによるノーパンク化にまた挑戦したが失敗した。ちょっと腹立たしいぐらいウレタンスプレーが使えなかったのだ。前回はチューブの中で上手く広がらなかったので、あちこち穴をあけてノズル突っ込んで入れたのだが、余裕を持って入れてるのにウレタンが後から後から漏れる。てか、最初入れたのが上手く膨らまなくて、一本で一輪になってしまった。ところが、その一輪がちゃんとかたまったかと言うと全然ダメ。不思議なぐらいフニャフニャなのだ。水分硬化とかもあるんだろうけど、内部で上手くかたまらないので一液はダメかもなこれ。またロスが多くて周辺への汚れもあって、もうこの方法はダメだとめげた。一応二液タイプを使うとかの手もあるけれど、これだったら適当に切削成型した発泡素材を詰め込んだ方が楽じゃなかろか。一応考えられるのはバックアップ材や保温断熱材らへんだが、よほど重量物を入れなければ適当なゴミでもいいような気がする。実際オフ車の旧い本だとパンク対策で草をつめる方法が紹介されている。要はリムが潰れなきゃいいんだ。幸い一輪車は組み立てリムなので、何を入れてもビートを入れる手間はない。
ところで一輪車の車輪は規格サイズで同じような物だと思っていたら結構違いがあって興味深かった。組み立てボルトが5本の、6本の、ボルト頭が14と13、座面も扇型ワッシャーと楕円ワッシャーのがある。構造的に凝ってるのは扇型で6本ボルトのだが、生産性が高いのは5本ボルトの楕円ワッシャーのだ。扇型はホイールの曲率にあわせて方向性があるが、楕円の物はとくに無い。寡聞にして一輪車のホイールが壊れたってのを聞いた事がないので、ここは簡易な方が正解じゃなかろか。
・デザインの生放送を見ていたのだが、今のグッドデザイン賞のありかたについて色々議論があるみたい。先日本棚をトラス構造で簡単に強くできないか調べて居たらグッドデザイン賞の受賞作品にそういうのがあったのだけれど、たしかに私が知っているグッドデザイン賞の権威や妥当性から離れてきている気はする。元から少なからず商業的要素を含んではいたが、昨今はもうあらゆる物がデザインされて出てくる訳で、デザインのためのデザインという風潮から少し隘路にはまり込んでいる感もある。そこの放送でも出たが、賞というのはもう少し絞り込んで、デザイン自体はISO的な「あって当たり前」ぐらいでいいんじゃないかと言う話に。たとえば昔は障害者用デザイン、バリアフリーデザインというのが出来たけれど、それだと今度健常者(って言葉も今は批判されるかもなぁ、マジョリティーでいいや)には使いづらいので、ユニバーサルデザインという概念にシフトし、しかしユニバーサルの前提のマジョリティーからバリアフリーの間が実はグラデーション的な段階があるので混乱みたいな感じになってるので、「デザインデザインした突出性は目立つけれどシンプルなのでもいいじゃん」って形になっているわけ。
さて、ローカルに長野県の受賞作品を見るとインクジェットプリンターなどの「それもうええやろ」ってのが二件、高度に業務用な測定器具などが5件、太陽電池架台、住宅2件、建築物1件、山登りのソーシャルサイト1件、リノベーション物件1つで、それがベスト100に入っていた。正直ソーシャルサイトぐらいかなぁ、面白いの。太陽電池架台はもちろん一番それっぽいのだけれど、プロじゃないとそのメリットが分かりづらい点が残念。ぶっちゃけ汎用性を考えると足場パイプのクランプ最強だし(実際そんな感じの設備もある)。
ベスト100では「3Dプリンターで作れる電動義手」が面白かったかな。こういう抽象的な製造プロセスも対象になるんだと思った。他は居住、コミュニティー、ネットワークなどが目だったが、デザイン賞なのにその内容を伝える術が未熟というか、おそらく伝達が難しいレベルにある物に賞を与えているのが多いのが気にはなった。それデザイン賞の守備範囲やない。
Posted at 2015/10/07 09:42:55 | |
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2015年10月05日
・今日は昨日脱穀した米の積みおろしと畑に放置してたの回収。緑っぽいとかでBランクにしたのが10袋(うち2袋をお世話になった人にただでお世話)。販売が4袋+15袋取り置き、予備4袋だから33袋だった。一袋30kgだからほぼ1t。1.9反だから反収は520kgあたり。8.5俵取りかな。面積はかなり怪しいけど、まあほぼ満足できる。米価が12000円なら全部出せば20万ぐらいになるのだろうけど、色々面倒で自家消費と流通で終わるのであんま金にはならない。1t程度だけど上げて降ろして運んでやってたら体がだるい。まあ収穫出荷は出来たので、また夜中出荷だ。
・選果で巨峰が難しいのは色がLEDライトだと見づらい事。絶対的に明るくないのと点光源に近くて反射がないので暗い。それで問題なければいいが、巨峰の粒の痛みは黒い事が多いので見逃してしまいそう。当然だが色見合わせで詰めるのも迷う。作業スペースは本来はもっと明るくあるべきだと思うし、面光源が欲しい。そういう点では蛍光灯はやっぱり優れているが、私はもうインバーターの故障の多さに辟易しているので蛍光灯は使いたくない。かと言って交流のはちらつきが古くなると気になる。
LEDでバーライトはどうかと思って調べたが、かなり割高に感じた。あまり需要ないというか、どうしても外装部分で無駄にコストがかかっている感があり、それだったらテープLEDでいいんじゃないかと思ってしまう。テープLEDの場合の問題点はAC100VではなくDC12Vで設計されているのがほぼ全てなので、DCアダプターを介す必要があるが、AC-DCアダプターは安いのはスイッチング電源なので細かいちらつきが出るし効率が悪い。DC電源(たとえばバッテリ-)で付ければもちろんいいんだけどね。あとは、LEDはどうもまぶしいけど明るくないように感じる事が多い。絶対的な光量を得るためには結構使わないと辛い感じ。ま、それをやるなら、それこそ使ってないLEDバルブはそこそこあるので、組み合わせれば簡単に明るい職場(物理)に出来そうだが。
ちなみに蛍光灯タイプのLED管もあるが、1度蛍光灯用に電圧上げてるのをまた下げるという面倒くささ(コスト増)、インバーター式は使えない、照明方向を調整できないなどの問題があってあまり普及してないみたい。いっそ12V規格で作ったLED専用バー照明の方がいいと思うが、LEDは切れないので交換の必要も薄い=バーライトでよくね?ってなるみたい。
・今月の現代農業はすごい面白かった。ブドウはもう記事になる時期ではないと思ってたら、シャインマスカットで5t取りという記事だ。これはハウス栽培での話なので、露地栽培であればさらに効率はいい事になる(が、病気リスクやボルドーの汚れ考えると理想論での話だが)。シャインは反収が初期からかなり良いというのは皆感じているようで、2tあたりまでは取れそうな感じはある。某品種が4本の所、シャインは一本で同じだけ取れてしまったとかね。ただ、シャインは着色品種じゃないので、味がのってなくても分からず、ならせすぎて味無し果の話題も出ているので、単純に収量だけの話をするのはまずいと思う。本当に糖度がある物が沢山取れないと、品種の魅力をさげてしまいかねない。とは言え、5tは魅力で、半分の2.5tでも取れれば素晴らしい。私は一反3000房で500gだと1.5t、実際はそれよりやや軽く450平均の1.4tあたりだと思う。というのは、パックは400gあればいいので500gにしても樹の負担が無駄に増えるだけだし、老木を無理矢理樹形かえているので、逆に頑張っても350g程度にしかならない部分が結構ある。本来なら補植して世代交代させる所だけど、ここはいろんな事情でやってはない。
一方でこの方法には大きな疑問がある。剪定とか樹形どうなってるのか?って書いてないのだ(そういう所が最近の現代農業の記事の底の浅さを感じる所だ)。うちの方法は棚下の平行整枝で、おそらく生産効率でも相当高い。理論だけなら自然樹形でまめに誘引すればそれ以上という話も聞かないでもないが、現実的ではない。つまり自然樹形で5t取れてもそれはあまり意味がない(いや、本当に5t取れるなら意味あるけどさ)。かと言って平行整枝の場合、枝間隔は決まっているので、20cmごとに1枝というのは動かせない。頑張れば15cmぐらいまで縮められるかも知れないし、葉が小さいという記述もあるので狭いかも知れないが、それでも2割増が目一杯だ。
房重を増やせばいいんじゃないか?とも思われる。実際700gぐらいの房を作っていると書いてもあるが、房の形を見るに農協出荷だとメリットは謎だ。結構形が悪い房なので、あれを贈答には入れられない。5kgバラ詰めにしても、最低10房だと7kgにもなってしまって詰めるのが面倒なだけだ。ましてパックは論外。700gは入らない事はないが、400gと価格は変わらない(もしかしたら評価点数上げてくれるかも知れないが、400でも最高点は出る)。つまり、出荷規格上は房で重さを稼ぐ事には意味はない。
房数を増やすというのも疑問だ。一応大粒種でも2房乗せる事は出来るが生育差が大きいし、普通は同じ大きさのは下げられない。シャインが特殊で2房大きいのが乗せられるなら単純に2倍の収量と呼べるが、棚下平行だと作業性の面でややこしくなる。棚上の房が出てきてしまうし、作業時に手前のが邪魔になりそうだ。という事で保留。
最後に主枝ピッチを狭める方法について。これはシャインに限らず言える事だが、新梢を短くすれば果実配分率は上がるので短い方が収量は上がる。デラの話だが、普通の240cm間隔(つまり一本の主枝は120cm)より、100cmなり90cmにした方が反収は上がったデーターは見た事がある。確か90cmあたりで2tまで上げてたはず。じゃあ主枝ピッチ狭めて栽培すればいいかと言うと二つ問題がある。まず新梢が短くなると配分率はあがるのだが、貯蔵養分は劣るからかなんなのか果実品質が下がる。具体的には一房重量が下がる。その低下率と増やせる房の数のせめぎあいで若干収量が上がるという物なので、同じ房が沢山出来る訳ではない。でもシャインが500gの房で余裕で遊ぶってのなら、ピッチを狭めて収量を増やすというのは当然いい手段だ。700gのを3000個作るより、500gのを5000個作った方が収入にもなるだろう(2.1t→2.5tになり、ピッチは120cmから70cmあたりになる試算で、本当はどうなるかしらん)。
二点目の問題は棚下短梢でピッチ狭めると作業スペースがなくなる事だ。仮に70cmだとすると主枝ピッチが140cmになり、間をSSが走れなくなる。てか、トウモロコシ畑みたいに間柱乱立になってしまう。ので、現実には2mピッチの主枝1mがいい所だと思う。もちろん既存の園だとコンバートが厄介だ。
記事では根量を増やして肥料も大量に入れていると言っていましたが、それは間接的には効きますが、制限要素は基本的には日光なのでこれまた微妙。効率的に光合成できる工夫をされているのでしょうが、地下から吸い上げる養分で果実を生らせる訳ではないので、地下が制限要素になってなければメリットはありません。確かに根域制限とかで人工環境で収量を増やしているのを見ると、一本の負担を減らして数を植えるという方法に理がないとは言いませんが、逆に根域制限でやっても5tどころが2tも大変でしょう。
一応写真から読み取れる部分「だけ」見ると、おそらく自然樹形で、おそらく二房生らせる場所もありますが、ピッチはそこまで狭くない。ただ、枝を進行方向に斜め誘引しているので、仮想的にピッチを狭めているような効果は感じられます。ただ送り誘引になってしまうので樹勢が暴れる気もします。そういうのって房を生らせても摘芯しないと結局房も小さくなるので、すごい集約的にやってるのかな?
反収を上げるメリットとしては施設栽培の場合施設投資がおさえられる事、当然ですが所有園地も小さくてすみます。また管理が分散しないので一園にながくとどまれる。また最大のコスト要因である消毒が簡単かつ少量になっていいのですが、この方は肥料の方がコスト高要因な感じは受けます。
・実はこの話の最後に「葉が黄変しないから光合成が最後まで続き貯蔵養分が多い」って話が出てきます。全く同じ本で別の所で某徳島の某(あんま好きじゃない)が、秋にはちゃんと落葉するのが正常と言ってるのと正反対なんですが、実はこの事に関しては落葉するのが正常です。というか私はそう考えていました、先日までは。落葉しないで遅くまで葉が残っているのは大抵の場合新梢管理の不徹底で遅くまで新葉が発生し続けたとか、肥料が多くてドブツルが出たという悪いケースが大半です。希に病気で早期落葉して新しく展葉もありえますが問題害なので除外します。葉っぱの光合成寿命は実は永遠ではなく、ある時点でピークを迎えてどんどん劣化するので新葉が発生するのは理にかなっていますが、その発生時期と果実成長は重なるので、養分の奪い合いになります。なので、収穫後まで光合成が出来るほどの葉っぱはつけないのが普通です。
ただ、今年収穫していて感じるのですが、健全で大きい果実が大量についている場所はやっぱり葉っぱが青々としていて、登熟が遅いんですね。老化が遅くて青々としている方が健全で、実は早く収穫している黄変が早い場所は着色がいい反面、それは老化でもあります。ただ巨峰の場合、着色しないと商品価値が下がるので、シャインの例のように最後まで青々させっぱなしが出来て着色するのは分かりません。
また地上部の管理で老化が遅くなるかは一つその逆は知っています。ABBAの施用により根から成熟ホルモンを取り込ませる事で着色を飛躍的に進める技術があります。という事は、根部でそこはある程度コントロール可能なのでしょう。そういえば木村さんのリンゴ園でも下草を刈らないといつまでも地温が下がらず着色しないという話をしていました。となると、大量施用した堆肥分は分解される熱で根を暖めているなんて事があるのかも知れません。いや、普通は考えませんが、一応ハウスの野菜栽培でそれに近い加温方法は存在します。もっとも、うちの園で見る限り、地温より水分による老化防止効果の方が感じられます。乾かすと老化する感じです。
Posted at 2015/10/05 22:45:02 | |
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