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晴耕雨読のブログ一覧

2015年08月30日 イイね!

今、流行(はやり)のフチ子さん… 大学キャンパスに… お薦めの一冊

今、流行(はやり)のフチ子さん…  大学キャンパスに…  お薦めの一冊
今、流行(はやり)のフチ子さん… 

 一昨日、小学2年生の甥から『フチ子』さんをプレゼントされた。
 なんとなくは知ってはいたが、まさか自分にこれが来てしまうとは…  と言っても結構気に入っている。どう言う訳かちょんと座っているフチ子さんに、気持ちが思わずオープンになり、癒やされてしまう。不思議な魅力を放っている…  しかも、健康的な魅力を感じるところがいい。

 写真は、いつもちょっとした作業をするダイニング・テーブルの筆者愛用の電気スタンドに座っているフチ子さん。今は、小さな書斎のiMacの上に座り、筆者を優しく見守ってくれているフチ子さん。

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大学キャンパスに… 

太陽の日差しが一段と厳しい日、ある公立大学のキャンパスにいた...

 大学の門をくぐり、歩いていると学生達の声が聞こえてくる。そこは体育館の横で、扉が開かれている。ちょうどバスケットの練習をしていた。汗にまみれながらの練習風景は、溌溂とした学生達の躍動感を思わず感じてしまう。体育館正面に差し掛かると、20人ぐらいの女子学生が、音楽に合わせながらダンスをしている。体育館の入り口の硝子のドアに自分たちの踊る姿を見ながらの練習...

 青春っていいものだな... と思いながら、目的の教室についた。

 今日の講義は筆者の研究テーマである『歴史』に関するもの。教授はこの分野では大きな業績を残されている方で、その著書も読んでいる。この先生の講義はこれで3回目になる。好きな研究テーマを一歩一歩進めて行く歓びがある….

 90分はあっという間に終わってしまった。たいへん有意義だったし、これこそ「学んでいく歓び」なんだと一人充実感に浸っていた。帰りは、その充実感の余韻を残しながら、BMW X3 M Sportの走りは快調そのものだった。


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お薦めの一冊...


「倒壊する巨塔 上下 アルカイダと『9.11』への道」
  ローレンス・ライト著 
白水社 
2007年ピュリツァー賞受賞、2006年ニューヨーク・タイムス年間最優秀図書


 この本の副題にもなっている 「アルカイダと『9.11』への道」に関して、ここまで精緻に書かれている著作は私は知らない。下記の出版社からのコメントにもあるように、国際政治の最たるテーマを見事に描いている著作と言える。民主主義の根幹である「言論の自由」が確保されているアメリカだからこそ書けると言う一面もあろうかと思われる。

 名誉ある「ピュリツァー賞」を受賞しているのも十分に頷ける。上下巻のボリュームある本であるが、国際政治を研究している者、或いは興味を持っている人には、その学問的欲求を十分過ぎるほど満たしてくれる内容だと思う。

出版社からのコメント(amazonより)
「本書は、2001年9月11日の「米同時多発テロ」に至るまでの道を、膨大な資料分析とインタビューを駆使して再構成し、この凄惨なテロ事件における「人間ドラマ」を描ききった、調査報道の頂点を示す傑作ノンフィクションだ。アルカイダのビンラディン、ザワヒリ、FBI捜査官オニールなど、「9・11」の登場人物たちの生い立ちから、教育、結婚、家庭、価値観、そして「神」にいかに向き合ったかまで、事件に至る経緯とその本質に迫っていく。
 たとえばビンラディンは、サウジアラビアの土建を牛耳る一族の生まれだが、傍流のイエメン出身で、主流ではない宗派だった。しかも四番目の妻の子であり、留学せずに国内教育のみという、幾重にも外様の存在であった。反米に傾いたのも、聖地サウジにいつまでも外国軍が駐留しつづけていることに対する、生理的嫌悪感に基づいていた。
 またザワヒリは、エジプト近代化におけるエリート層の鬼っ子であったが、政府の弾圧による投獄、拷問が彼の闇の気質を迷走させたという。かつて二人の側に立っていた人々が、ある時期を境に、彼らには「理屈が通じない」と言い出すところが不気味だ。
 そして、FBIテロ対策捜査官オニールは、艶福家で、一時カトリックを捨てて原理主義に傾いたものの、またカトリックに回帰した経歴の持ち主だった。
 こうした人間が「9・11」を起こし、そうした人間が彼らを追い、犠牲になったのだ......」

ローレンス・ライトさんのこと...
作家、映画脚本家、「ニューヨーカー」スタッフライター。これまで6冊の著作がある。本書で 2007年ピュリツァー賞受賞。
Posted at 2015/08/30 09:18:29 | トラックバック(0) | 徒然なるままに... | 日記
2015年08月27日 イイね!

Car Washing for BMW & Mercedes-Benz… 英語に魅せられて… その5。お薦めの一冊

Car Washing for BMW & Mercedes-Benz… 英語に魅せられて… その5。お薦めの一冊
Car Washing for BMW & Mercedes-Benz…  

 ロング・ドライブの後は、洗車をして清潔にする。それは、人間の行動原理と同じだ。ただ、人間と違って、クルマは言葉を発しないだけだが。
 自分の手で洗車を行っていると、クルマの隅々まで知ることが出来る。例えば、飛び石で小さな傷を受けたことなど。クルマの健康状態を自分自身の目で診ることが出来る。これは洗車の効用か… 

 自宅の小さなパーキング・スペースでする洗車は気持ちが落ち着き、ゆっくり自分のペースで出来ることがいい。以前にも書いた記憶があるが、小さな椅子に座りながら、ホィールの汚れを洗い落とす(汚れが酷いときは、特別な洗剤でさらに洗い磨く)。仕上げは、タイヤ・コーティングをして終了。

 BMW & MBの2台の洗車時間は3時間。その後は近場に行き、綺麗になった姿を披露。これは、まさに筆者の自己満足の世界… (写真はBMW X3 M Sport)





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英語に魅せられて… その 5

〘美しい英文を盗む…〙

 美しい英文を書く秘訣は、ネイティブの方が書いた「英文」をストックしておくことが大切。具体的に言えば、表現が秀逸な英文に出会うと、京大式カード(写真参照)に書き写しておく。時には雑誌や新聞等の場合は、その部分を切り抜いて京大式カードに貼り付け、自分なりのコメント書いておく。集まったカードはテーマ毎に区分けをして保管しておく。この作業は地味ではあるが、この地道な努力があって少しづつ綺麗な英文が書けていく。

 実際に英文を書く段になって、集めたカードの中から自分が書く場面にピッタリの表現の英文があれば、それを抽出し文章を完成していく。このように、英文作成で上達しようと思えば、美しい英文を真似ることから始めなくてはならない。この努力の積み重ねが、英文作成の上達に繋がって行く…


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お薦めの一冊

「還るべき場所」笹本稜平著 文春文庫

 本格的な山岳小説。登山には無縁な筆者ではあるが、著者の圧倒的筆力を背景にして書かれた「登山への挑戦(世界第2のヒマラヤの高峰、K2) および本作品のストーリー展開」には、生きる勇気を与えてくれる。山岳小説というジャンルを超えた素晴らしい小説。この小説を通して、笹本稜平さんという作家を知り、以後多くの作品を読むようになった。尚、昨年公開された映画「春を背負って」は、笹本稜平さんの原作だ。







簡単な紹介... (本帯より)

「世界第2の高峰、ヒマラヤのK2。未踏ルートに挑んでいた翔平は登頂寸前の思わぬ事故でパートナーの聖美を失ってしまう。事故から4年、失意の日々を送っていた翔平は、アマチュア登山ツアーのガイドとして再びヒマラヤに向き合うことになる。パーティに次々起こる困難、交錯する参加者の思い。傑作山岳小説」

笹本稜平さんのこと...

1951年、千葉県生まれ。2001年に『時の渚』(文春文庫)で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞する。また、2004年には『太平洋の薔薇』(光文社文庫)で第6回大藪春彦賞を受賞、その他著書多数。

Posted at 2015/08/27 14:02:45 | トラックバック(0) | My car | クルマ
2015年08月25日 イイね!

2,267キロのロング・ドライブ... 『上司』という人...

2,267キロのロング・ドライブ...  『上司』という人...
2,267キロのロング・ドライブ... 

 この週末に、急遽『福岡 ⇄ 横浜』(合計2,267キロ)をBMW X3 M Sportで一挙に駆けぬけた...

 今回は家族が帯同したので、往路(福岡 ⇨ 横浜)では30分程奥さんが運転をしただけで、後はすべて筆者自身がハンドルを持った。復路はいつもの筆者単独のドライブで一気に1,024キロ(横浜出発地⇨福岡)を走り抜いた。家族はと言うと、新幹線に乗って帰路に着いた。



 BMW X3 M Sportでの2泊3日の宿泊を経ての超ロング・ドライブになったが、筆者自身としては、思う存分気持ち良く走れたので満足感に満たされている。

 横浜到着後は、東名高速まで繋がった『圏央道』を走ったりした。「東名海老名」から「東名町田」までの間では渋滞にはまり、相変わらずの首都圏の渋滞事情を久し振りに経験した。一方、街中に出ると人の多さに圧倒され、都会の喧騒をほろ苦く味わってしまった。

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『フィクションの世界にようこそ ... 』 by Seikoh-Udoku
《これはフィクションです。ここでの名前、名称等はすべて架空のものです》
《写真はすべてイメージ画像です》


『上司』と言う人...

「中北さん、今宜しいかしら... ボスが呼んでおります」と中北亜美が勤める外資系会社の人事ヘッドの秘書である小林ゆきが声を掛けた。

「ハイ大丈夫です。今伺います」と軽やかに答えた。

ワールドグループの関連会社の人事ヘッドの宮前 彬は、デスクのPCに向かい、キーボードを打っていた。


「中北です。お呼びでしょうか... 」
「どうぞ、こちらへお座りください。急に呼び出して...
実は中北さんが一昨日提出してくれた「E Project」(英語版)の件なんですが、内容的には分かり易く書けていていいですね。比較事例なども入れてあるのはとても惹き付けますね。また、A事案の分析も客観的な立場が貫かれていて説得力があります。ただ、一点.... 」

「えっ、その一点とはなんですか... 」

「このリポートが国内に止まる限りでは、これでも十分なんですが...  このリポートはニューヨーク本社までいくので」
「宮前さん、具体的に言ってくれますか... 」

「率直に言えば、ビジネス文章というにはちょっと...  要領を得ない表現も結構散見されたました。私もそんなに上手くはないですが、 参考までに君の文章を少し手直ししましたので、書き直してくれると嬉しいんですが...
繰り返しますが、このリポートはNY本社のエグゼクティブ達も読むので... 」

「宮前さん、失礼ながら、私はUCLAを卒業していますので、英語は自信があるんですが... 」
「中北さんの経歴は素晴らしいし、英語も上手だと思いますが、ここは我慢してくれませんか... 」
「.......... 分かりました。宮前さんがそこまで言うのなら、やり直してきます」
「ありがとう。頼むよ」


 1年前にこの会社の人事ヘッドとして異動になってきた宮前さんは、どう言う訳か私には厳しい。この間も、会議での発言に関して、会議終了後に注意を受けたし、ひょっとすると、宮前さんは私の事を嫌いなのかと持ってしまう。この調子だと、当分は私のプロモーション(昇格)はないのかと思えるようになった。ビジネスの世界では「上司運」がその後の人事評価に影響があると言われているが、今の私には「上司運」に見放されているように思えてならない。

 そんな日々を過ごしながら、ワールド・グループ・ジャパンの創立10周年記念パーティーが都心のホテルで開かれた。

 ワールド・グループ・ジャパンの人事本部長の新堂伸一が近づいてきて、

「中北君、この間君が提出した『E Project』を読んだけど、良く書けているね。素晴らしいと思います。それから英語が上手だな。ビジネス文書としては申し分ないと思うね。確か君はUCLAを出ているんだったね。道理でね.... 」

「新堂さん、ありがとうございます。そんなに褒められると.... ただ、英語は... 」と言おうとすると、新堂に言葉を遮られ...

「ところで、君はAVP(Assistant Vice President)にプロモーションされるよ。来月だ」
「えっ.... そうなんですか... 全く聞いていなかったのでビックリです。とても嬉しいです... でも、なぜ私がプロモーションされたんですか?」
「聞いていなかったの... 宮前君が君を強力に推薦していたんだよ。半年前から... 君のポテンシャルを褒めていたからね... 」

「そうなんですが... いつも叱られてばかりでしたので、まさか私を推薦してくれるとは... 信じられないです。あっ、そう言えば、このパーティー会場に宮前さんの姿が見えないのですが.... 」

「実は、このパーティーが始まる少し前に、急遽なんだけど米国本社に異動になったんだよ。正式な人事発令は、来月1日になるけど... 今頃はニューヨーク行きの機中の人になっているよ」

「えっ、急なんですね。でも、新堂さん、失礼なことを聞いていいですか...
宮前さんの英語力はどうなんですか... 」
「 彼はハーバードを出ているから問題ないよ。知らなかったのかな... 」
「はぁ..... 知りませんでした。宮前さんは一言もそんなことおっしゃいませんでしたから」
「彼はそういう男なんだよ... 」


 私は...   なんて「浅はか」なことをしてしまったんだろうか...  

 私のことをそんなに評価してくれていたなんて... しかも、あの「E Project」の英語もほとんど宮前さんが手直ししてくれたことも....
UCLAを出ていることを、宮前さんの目の前で鼻に掛けるような態度をとってしまったなんて。宮前さんがハーバードを出ていることも知らないで... 

 宮前さん....  私は...


 その頃、宮前はニューヨーク行き359便のビジネスクラスのシートに座り、彼の視線の先には、美しい夜景が見えていた...


written by Seikoh-Udoku
Posted at 2015/08/25 06:18:02 | トラックバック(0) | Drive | 日記
2015年08月20日 イイね!

朝早くのドライブ... それからのMacBook Pro... お薦めの一冊

朝早くのドライブ...  それからのMacBook Pro... お薦めの一冊

朝早くのドライブ...  


 ある日、朝4時に目が覚めた。この2〜3日は「本、読書」が快調に進んでいることもあり、愛車でのドライビングは近所への用事ぐらいで済ましていたが、「駆けぬける歓び」には程遠いものだった。

 外は暗闇に包まれているが、暗い中をBMWのヘッドライトで前方を照らしながら走るのもいいな...   そう考えているうちに、身体は自宅パーキング・スペースに向かおうとしていた。玄関ドアを開けると、結構強い雨が降っていた。


 逸(はや)る気持ちを抑えながら、ドアを開けると「ドア・プロジェクター」の照射する『Mスポーツロゴ』が筆者を迎えてくれた。


 人の気配がない真っ暗な中、雨に触れた道路をBMW X3 M Sportは加速し、その走りに心を奪われるかのように、(交通ルールを遵守しながら)徐々にスピードを上げていった。


 一般道、高速道を気持ち良く走りながら、いつもの空港まで一気に走りぬいた。早朝の為であろうか、停車している車は他にはいない。



 運転席に座りながら、しばし遠い未来を瞑想していた...  その窮極にあるものとは何だろうか... 


 帰りは好きな音楽を聴きながら、落ち着いたゆったりとした気分で快走した。それはあたかも、透明感溢れる空想の世界を走っているかような感覚を肌で感じながら...


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それからのMacBook Pro...

 ダイニング・テーブルでのMacBook Proの姿がすっかり定着してきた。二階の小さな書斎では27インチのiMacを使い、文章作成、写真編集、インターネット検索等々を行う。そうでないときは1階ダイニング・ルームの円形テーブルの一隅で作業を行う。このMacBook Proの存在が、PC活動に幅が出来たようだ。


 今年は特に猛暑が続いているので、MacBook Proの暑さ対策(?)のため、冷却台のお世話になっている。この冷却台から流れる涼風が気持ち良く、PCばかりかキーボードを打っている筆者にまでその涼しさが感じられる。安価な割りには優れもの。(参考:ELECOMノートパソコン用冷却台 冷え冷えクーラーSX-CLO3MSV)


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お薦めの一冊



「邂逅(かいこう)の森」熊谷達也著 文春文庫

    第17回山本周五郎賞受賞、第131回直木賞受賞

 本格的な内容の濃い作品。直木賞、山本周五郎賞のダブル受賞の名に恥じない品格のある素晴らしい作品。これこそ「小説」だと誇らしげに叫べる作品だと思う。読み出すとこの小説の世界に引き込まれていき、気がついたときは終章に入っている。読後感が何とも言えず、暫し「至福」の時間を享受してしまう。まさにこの作品、お薦めの一冊である。

簡単な紹介... (本帯より)

「秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。失われつつある日本の風土を克明に描いて、直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した感動巨編」


熊谷達也さんのこと...

仙台市生まれ。1997年「ウエンカムイの爪」で作家デビュー。この作品で第10回小説すばる新人賞受賞。2000年「漂泊の牙」で第19回新田次郎賞受賞。2004年「邂逅の森」で山本周五郎賞、直木賞のダブル受賞をする。その他著書多数。

Posted at 2015/08/20 06:16:15 | トラックバック(0) | 徒然なるままに... | クルマ
2015年08月18日 イイね!

土方歳三の世界。その思いは永遠(とわ)に...

土方歳三の世界。その思いは永遠(とわ)に...

土方歳三の世界。その思いは永遠(とわ)に...

 一昨日「土方歳三 上下」(富樫倫太郎著)を読み終え、静かに最後のページを閉じた...

 筆者がこの人物「土方歳三」を明確に意識したのは、司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」と言う小説を読んでからだ。それまでは漠然と名前とその生き方は知っていたが、この小説が筆者に与えた影響は強烈だった。


 それ以来、筆者は「新選組副長、土方歳三」と言う人物を忘れることなく、今日まで書物を通して関わりを持っている。



「燃えよ剣」の最後の場面が特に好きで、そのシーンを想い出す度に胸が熱くなる... 


 筆者自身の脳裏に浮かんだその思いを書いてみると... (下記文章は筆者の創作であるので、正確にそのシーンを知りたい方は、司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」をお読み頂ければと思います)


 土方歳三は、もはやこれまでと判断し、一人馬に跨がり敵に向かって走り出し、敵の正面近くで止まった。

官軍の隊長らしき一人が、「おまえは誰だ... 」と大きな声で叫ぶと...   

 「新選組副長、土方歳三.. 」と堂々と答えた。

「あれが名高い新選組副長の土方歳三なのか... 」と官軍の幾人かが驚いた。
何発かの銃弾が肩、腹部および足に命中し、馬から落ちた土方歳三は、新選組副長として、 35歳の生涯を終えた。

(このシーンが歴史の中で本当にあったかは定かではないが、筆者は空想の中でこのシーンを思い浮かべ、深く感動している)


 ここで筆者が拘るのは、「新選組副長」という名前だった。当時土方歳三は、榎本武揚率いる箱館政府の「陸軍奉行並」※と言う役職にあった。当然ながら、その時には「新選組」は壊滅していたので、名乗るとすれば、「陸軍奉行並、土方歳三」か、単に「土方歳三」だった筈である。しかし、敢えて「新選組副長、土方歳三」と答えたのは、新選組への「執念」と「近藤勇」や「沖田総司」その他の隊士の顔が浮かんでいたに相違ない。「新選組副長、土方歳三」として死にたかった土方歳三の「こだわり」をそこに見いだす。

※筆者註:陸軍奉行並とは陸軍奉行職に次ぐ地位。実戦の指揮は土方歳三がやっていたと言われている。



 曾て函館に行ったとき、「土方歳三最期の地碑」(函館市若松町33-6)を訪れたことを覚えている。 (写真参照)






土方歳三、辞世の句...

下記が 土方歳三の辞世の句とされている。

「よしや身は蝦夷の島辺に朽ちぬとも魂は東(あずま)の君やまもらむ」


「たとえ身は蝦夷の島辺に朽ちぬとも魂は東(あずま)の君やまもらん」

「鉾(ほこ)とりて月見るごとにおもふ哉(かな)あすはかばねの上に照かと」


 これらの辞世の句から、土方歳三の心情が読み取れる...

筆者の心の中に、今もなお灯り続けている「土方歳三」...  その思いをいつまでも大切に持ち続けていきたいとの思いを「小説」に託している。


お薦めの一冊


「土方歳三 上下」富樫倫太郎著 角川書店

 2015年3月30日 初版発行


 久し振りに「土方歳三の世界」に暫し陶酔した... 


 土方歳三の生涯が分かり易く描かれている。「鬼の副長」の顔の対極にある「優しい心」の側面を窺い知ることが出来る。土方歳三より一歩先に労咳で死ぬことになる沖田総司のその生き様も美しいが、土方歳三がその沖田総司に寄せる思いやりの深さに感動する。さらに、土方歳三が心を寄せる可憐な女性「佐和」との「ふれ合い」が何とも言えず愛おしい... その純粋さが一層もの悲しくなってしまう... 一気に読ませてくれた素晴らしい作品だった。

この本帯からのメッセージを紹介すると...

上巻:幼い頃の歳三は何を思い、誰と言葉を交わし過ごしたのか... 。

今だかつて描かれたことのない、誰よりも人間らしい土方歳三の生き様がここに!

下巻: 己の死を覚悟しながらもただ戦い続ける歳三は、最期に何を見たのか... 。どこまでも一途に、ただ己の思うがままに生ききった男の姿に心震える、渾身の一代記!

この小説の最後の部分を引用しておきたい...(下巻358ページ)

 いわゆる「幕末」というのは、嘉永六年(1853年)六月、ペリー艦隊が浦賀に来航してから明治維新までの十五年間を指す。それは日本史における動乱と激動の時代と言っていい。
 その時代に新選組は生まれ、土方歳三は副長として幕末を駆け抜けた。
そして幕末の終焉を見届けて死んでいった。
 流星の如くに。



 右記の2作品は、筆者がここ2~3年の間に読んだ「土方歳三」に関する小説。それぞれの著者が土方歳三への熱き思いを筆に託して書かれている。いずれも「土方歳三の世界」に、暫しの間身を置くことが出来る。秀作である。


「歳三 往きてまた」秋山香乃著 文芸社 

「土方歳三」大内美予子著 新人物往来社


Posted at 2015/08/18 04:33:48 | トラックバック(0) | 歴史を訪ねる... | 日記

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晴耕雨読と申します。 趣味を楽しみながら、日々暮らしております。 ブログは自動車に限らず、様々なことに関して書いてありますので、ご興味のある方はご覧頂け...
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