素晴らしい映画の世界…「007 スペクター」
「本、読書」という『静的』な「思索の世界」を飛び立ち、『動的』な視覚効果溢れる「映画の世界」を訪れた(27日の先行ロードショウ)。
ご存じの音楽と共に登場するジェームス・ボンド… 胸がわくわくする瞬間だ。
6代目のボンド役を演じるのはダニエル・クレイグ。このシリーズ4作目。すっかりボンド役が板に付いてきたダニエル・クレイグは、個人的な好みはあるだろうが、筆者はたいへん好感を持っている。
オープニング・シーンがいつもながらの大迫力映像で圧倒、ストーリーも分かり易く、テンポも軽快で、見せ場が満載。大満足の2時間28分だった。
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いつものサイクリング…
この街でまだ行ったことがない場所がたくさんある…
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「本、読書」…
今、世界で起こっていることを分かり易く解説…
以前「新・戦争論」を紹介しましたが、このお二人による第2弾の作品。対談形式でたいへん読みやすいばかりでなく、今の国際政治にタイムリーに分かり易く解説。
筆者のライフワークの「国際政治」に関して、勿論のこと専門書を読むことは大切なことだと思っているが、才能あるこのお二人の対談を通して「今そこにある※世界情勢」を読めるのは貴重なことだと思う。
※ 筆者註 トム・クランシーの小説「今そこにある危機」をもじったのもの。筆者は、この作品について小説も映画(ハリソン・フォード主演)も好きだ。
簡単な紹介… (本帯より)
『新・戦争論――僕らのインテリジェンスの磨き方』に続く、最強コンビによる第2弾!
今、世界は激動の時代を迎え、各地で衝突が起きています。
ウクライナ問題をめぐっては、欧州とロシアは実質的に戦争状態にあります。
中東では、破綻国家が続出し、「イスラム国」が勢力を伸ばしています。そして、これまで中心にいたアラブ諸国に代わり、イラン(ペルシャ)やトルコといったかつての地域大国が勢力拡大を目論むことでさらに緊張が増しています…. 略…」
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「トップシークレット・アメリカ 最高機密に覆われる国家」
デイナ・プリースト& ウィリアム・アーキン著 草思社
TOP SECRET AMERICA
The Rise of the New American Security State by DANA PRIEST AND WILLIAM M. ARKIN
この本は2013年10月に出版され購入していたが、やっと読む機会に恵まれ、このほど読み終えた。この種の著作はこれまでも多く読んできていて、この本で書かれている事は大枠としては理解していることだが、これが今のアメリカの最高機密の現実かと思うと「恐ろしさ」を感じざるを得ない。特に、第10. 11. 終章は興味深い。
「9.11以降、テロとの闘いという大義名分のもとに、アメリカでは雨後の筍のように機密機関が生まれ、膨大な「最高機密」を扱うプログラムが立ち上げられた。1200を超える政府組織、25万人以上の従業者、そして政府から業務を請け負う民間会社の人員を含めると、じつに85万人以上の人間がなんらかの「最高機密」にアクセスしているという異常事態となっている。無数の最高機密に覆われ、ジャングルのごとき迷宮と化したアメリカの現実を、ワシントンポストのベテラン記者らが精緻な取材によって暴き出す」
著者は…
デイナ・プリースト
ワシントンポスト紙記者。国防省や情報機関についての調査報道で知られる。CIA の対テロリズム活動の取材などによって2 度、ピュリツァー賞を受賞。
ウィリアム・アーキン
ワシントンポスト紙記者、コラムニスト。30 年以上にわたってアメリカの国家機密や安全保障についての取材を行ってきた。
我が家の映画館は… Apple TV
このApple TVはたいへん便利で、この装置をテレビとインターネットに連動しておけば、観たい映画をダウンロードして簡単に観ることが出来る。いちいちレンタルショップに行く手間は全くない。もちろんすべての映画とはいかないが、多くの映画は観ることが出来る。
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コーヒーブレイク…
本をある程度読んだ後のコーヒーブレイクが楽しみだ。コーヒーの入れ方は沢山あるが、最近凝っているのがこれだ。最新型のコーヒー・マシン※で、多くの種類のコーヒーが飲めるし、手間が掛からない。準備から出来上がりまで僅か2分も掛からない。しかも、この最新式マシンは自動で適量まで入れてくれる。味はと言えば、本格的で風味もあり上質の部類に入るのではないかと思う(筆者の個人的な感想)。
※ ネスカフェ ルチェ グスト ドロップ [型番 MD9774]
筆者は専らブラックしか飲まないが、コーヒーブレイクは憩いのひととき。このマシンから当分離れられそうにない…
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歴史記録文学の吉村 昭の世界…
「夫婦の散歩道」津村節子著 河出文庫
(故人)吉村 昭氏の奥さんは芥川賞作家の津村節子さんであることはご承知かと思いますが、その津村節子さんが書かれたエッセイ集がある。
吉村昭氏と歩んだ五十余年の歳月、吉村昭氏との心温まるお話及びその作品に関する事などたいへん興味深い内容から構成されている。そして、作家として妻として吉村昭氏を心の底から支え続けた、津村節子さんの感動の秘話も窺い知れる。正に珠玉のエッセイ集と言える。吉村 昭ファンであれば是非読んで頂きたい本である。
吉村作品の中で、津村節子さんの一番好きな作品は「小村寿太郎の苦難に満ちた生涯」を描いた『ポーツマスの旗』だそうである。以前このブログでもその作品を紹介しているが、筆者はこの作品にこの上なく感動して、宮崎県日南市飫肥にある「小村記念館」を訪れた事は記憶に新しい。
吉村昭さんは、2006年7月に癌が原因で79年の人生を静かに終えたのであるが… その最期の状況が書かれている。
「亡くなる日の前夜、吉村は私と娘が見ている前で、点滴をはずしてしまいました。とんできた看護師が処置しようとするとかれは激しく拒み、私はこのままにして下さい、と声をつまらせ、娘も泣きながら、お母さん、もういいよね、と言いました… 略… 」(前掲書209頁参照)
吉村氏の最期は自分自身で決めたいという気持ちを貫徹されたと奥さんは述懐している。
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吉村 昭作品を読む…
簡単な紹介… (amazon解説より)
桜田門外の変から4年―守旧派に藩政の実権を握られた水戸尊攘派は農民ら千余名を組織し、筑波山に「天狗勢」を挙兵する。しかし幕府軍の追討を受け、行き場を失った彼らは敬慕する徳川慶喜を頼って京都に上ることを決意。攘夷断行を掲げ、信濃、美濃を粛然と進む天狗勢だが、慶喜に見放された彼らは越前に至って非情な最期を迎える。水戸学に発した尊皇攘夷思想の末路を活写した雄編。
ジュディ・オングさんの木版画展…
歌手、女優そして版画家でもあるジュディ・オングさんの木版画展が開催されているのを知り鑑賞する機会を得た。それは…
「画業40周年記念 ジュディ・オング倩玉木版画の世界展」
今や、ジュディ・オングさんは歌手、女優の他に木版画家としても活躍されている。館内に展示されてある木版画を鑑賞したが、その素晴らしさに圧倒されてしまった。数々の賞を受賞していることに十分納得。さらに、ジュディ・オングさんが木版画を彫っているときの写真が展示されていたが、その姿がまた凛々しい。
ジュディ・オングさんの作品に接した思いを記念に、栞、ホワイトボード用マグネット、それに卓上カレンダーを購入した。卓上カレンダーにはジュディ・オングさんの作品が収められている。
福岡アジア美術館のオフィシャル・サイトより…
「ジュディ・オング倩玉(せいぎょく)の画業40周年を記念し、日展特選作品、入選作品を含む、初期の作品から最新作品までを一堂に展観するほか、福岡会場特別展示として、「博多山笠」で有名な櫛田神社をモチーフとした最新作「恩光 櫛田神社」を初公開いたします。
ジュディ・オング倩玉の、力強く繊細で、観る者に語りかけるような、静かなたたずまいを醸し出す木版画の世界をご堪能下さい」
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好きな道を走ってみた…
この緑と木々に囲まれた中を走ると自然と共生する気分になれる…
この静謐なひとときを大切にしたい…
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髙村 薫さんの「空海」を読む…
最新刊で注目していた作品。本の冒頭に『大阪の自宅で阪神淡路大震災に遭遇した、それを契機に… 』で始まる文章に読む興味が広がっていった。数々のミステリーでのヒット作品を持っている髙村さんが、「空海」という人物に傾斜していったその経緯と背景が分かってくる。
空海所縁の場所を著者が訪問するという手法を用い、ドキュメント・タッチで「空海」の実像に迫っていく… 豊富な写真が添えられている…
作家ならではの文章で、仏教、信仰等が語られていく流れは、「空海」の人物像が分かり易く浮かび上がってくる。深い緑と木々に囲まれた川のせせらぎのように心地良く読めていく。この本を通して、千二百年の昔、歴史の中に生きた「空海」の足跡に触れさせてくれた気がする… 。
簡単な紹介… (本帯より)
空海は二人いた―そうとでも考えなければ説明がつかない…。わが国の形而上学の基礎を築き治水事業の指揮まで執った男。外国語を自在に操り、実学をも掌中に収め、万巻の先端情報を母国にもたらした男。千二百年のむかし一人の人間に、それら凡てを可能にしたもの。それは後進国ゆえの使命感かはたまた天の導きか。カリスマの足跡を辿りその脳内ドラマを追う作家の眼。カメラ映像70点とともに21世紀を生きる日本人の精神の奥底を浚う。
髙村 薫さんのこと…
数々のヒット作品を書いている…
「リヴィエラを撃て」(第46回日本推理作家協会賞長編部門受賞、日本冒険小説協会賞受賞)、「マークスの山」(第109回直木賞受賞)、「レディージョーカー」、「新リア王」等々。
ショッピング…
奥さんと連れだって、有名なプレミアム・アウトレット・ショッピングモールに行って来た。奥さん曰く「バーゲンだから行きましょう」との誘いもあり、また筆者も2~3点買いたいものがあったので、その日は我が家のセダンのMB C200ではなく、BMW X3で駆けつけた。
筆者が購入したのは、キャップとジーンズの2点。満足度の高い買い物ができ気分最高。
昼はと言うと、「一風堂」定番の豚骨ラーメンを食べた。美味しかったことは言うまでもない。前回このラーメンを食べ損ねた事情もあったので、やっとリベンジができた。
楽しいショッピングとラーメンに感謝の時間でした。
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「癌」治療への道標…
「癌」という病気に興味を持ったのは、高校生の時に読んだ小説「白い巨塔」(山崎豊子著)に出会った事が大きい。
この小説の主人公の財前五郎は、外科医で胃がんの手術※⓵を得意としていた。もっと詳しく言えば、胃の噴門部分にある癌の手術をより短時間で切除する天才外科医という設定であった。
参考までに、「噴門」とは胃の入り口をいい、反対に出口を「幽門」という。というように、この小説は医学知識のない筆者に大きな向学心を授けてくれたのである※⓶。
※⓵ 筆者註:当時は腹腔鏡手術は実施されていない。
※⓶ 筆者註:筆者が入学した学部は、医学部ではなく他の学部。医学は筆者のささやかな趣味の範囲内で勉強している。医学の他に「法医学」も好きな学問だが、それは別の機会に譲りたいと思う。
参考までに、故山崎豊子さんの代表作とも言えるこの小説は秀逸だったが、田宮二郎(故人)さん演ずる映画「白い巨塔」(1966年製作)も迫力ある素晴らしい作品だった。
さて、ここ1~2年程は「ガン治療」に関する本をざっと18冊程読んでいる。何故そんなに興味を持つのかと問われれば、「ガン」自体が未だ解明されていない「病気」だからと答えたい。特に、近年のガン治療法は複雑且つ多岐にわたっており、筆者なりに学んでみたいと言うこれまた向学心からだ。
★ ★ ★ ★ ★ ★
前置きは長くなったが、2年前にこの本に出会ったのである。この本が出版されるやいなや、あっという間に読んでしまった。この本は現役医師によって書かれた「がん治療の歴史書」であり、「ガンの伝記」と言っても良いと思う。数々の名誉ある賞に輝く素晴らしい書物であり、「癌治療」に興味のある方であれば、自信を持ってお薦め出来るし、読む価値のある本だと思う。
簡単な解説… (amazonより)
「地球全体で、年間700万以上の人命を奪うがん。紀元前の昔から現代まで、人間を苦しめてきた「病の皇帝」の真の姿を、患者、医師の苦闘の歴史をとおして迫真の筆致で明らかにし、ピュリッツァー賞、ガーディアン賞を受賞した傑作ノンフィクション」
著者は…
シッダールタ・ムカジー Siddhartha Mukherjee。腫瘍内科医で、がん研究者。現在はコロンビア大学医学部准教授、およびコロンビア大学メディカル・センターの指導医を務める。
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Enjoying my bicycle ride…
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「本、読書」…
素敵な作品にめぐり逢えた…
この本に出逢ったのは、筆者の住んでいる街の中では比較的大きな書店であった。週に2回前後は本屋さんに行っている。多くはインターネットの書評や本紹介サイト、新聞等により情報収集しているが、本屋さんで実際に本を手にとり見ることも大切な事だと思っている。
この本はその大切な事から見つけた本である。この著者の作品は読んだことがないため、本帯に書いてある文言を読みながら、そのストーリーの内容を自分なりに思い巡らせていく。すると、本帯に書かれてあるこの文言に目を奪われてしまった…
『ベルリンの壁崩壊に至る革命と、絢爛なる音楽が渾然一体になって響きあう』
早速購入し、最初の一頁を捲る歓びを感じながら一気に読み終えた。歴史とクラシック音楽との融合とも言うべきストーリーが、美しいタッチで描かれている。この作品を読んでいるとクラシック音楽がその背景に静かに奏でられているような感覚の中、物語が進行していく。音楽を愛する感性と歴史を直視する思考の下で描かれた美しい小説。歴史とクラシック音楽に興味のある方にはお薦めの作品。秀作だと思う。
簡単な内容… (本帯より)
「バブル絶頂期の日本を離れ、東ドイツに渡った一人の日本人留学生。住民が互いに監視しあう灰色の町で彼が出会ったのは、暗さのなかから生まれる、焔のような音楽だった。冷戦下のドイツを舞台に、日本人音楽家の成長を描く歴史エンターテイメント!」
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
ドストエフスキーの「罪と罰」を読む…
11月6日付拙稿ブログの中で、小林秀雄氏のたいへん魅力的なドストエフスキーの評伝を紹介した。ロシアの文豪であるドストエフスキーを小林秀雄さんはこの上なく高い評価をされていることが分かる。
翻って、数年前筆者は「ドストエフスキー」及びその作品をどう言う訳か分からないが敬遠しがちだったのを、読もうという気持ちにさせてくれた本に出会った。それがこの本…
本帯には「ドストエフスキーを本当に楽しむために最初に手にとる書」と書かれていたのに惹かれ読んだ。たいへん興味深く書かれており、結果から言うと本編『罪と罰』への橋渡しをしてくれた本になった。
ドストエフスキー入門書といいながら、どうしてどうして中味が濃い作品であることは間違いない。
尚、故人である著者の江川 卓さんは、ロシア文学者でたくさんのドストエフスキー作品の翻訳を手がけている。
参考になる紹介が本帯に書かれている…
「…略… 推理小説でもあり、思想的、哲学的、宗教的、社会的、心理的なパズルとしても読みうる小説。偉大なるロシアの文豪を数多くの翻訳を通して日本に紹介した著者が説く、『罪と罰』のやさしくてわかりやすい読解本」
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いよいよ本編の「罪と罰」を読んでみた。前掲の江川 卓訳の「罪と罰」(岩波文庫)を読もうと思ったが、たまたま新訳本が出たばかりだったので、亀山郁夫訳「罪と罰」を読んだ。
本帯の解説を紹介すると…
「ドストエフスキーの代表作のひとつ。日本をはじめ、世界の文学に決定的な影響を与えた犯罪小説の雄。歩いて七百三十歩のアパートに住む金貸しの老女を、主人公ラスコーリニコフはなぜ殺さねばならないのか。ひとつの命とひきかえに、何千もの命を救えるから?」
ドストエフスキーの代表作のひとつである「罪と罰」を読み終えて、筆者は暫し思索の深淵に佇んでいるような不思議な思いをもった。小林秀雄氏が極めて高い評価をしているこの作品を僅かながらでも共有できたという感覚でもあった。このような名著とも言うべき古典を読む機会に恵まれたことは、繰り返しになるが、筆者にとっては正に至福の時間を味わえたと言って良い。
整理して言うと、筆者は「罪と罰」という作品を三つの切り口から読んだ事になる。畢竟、その一は、「謎解き『罪と罰』」の中味の濃い入門書を本編に先立って読んだこと、その二つは、亀山郁夫訳の「罪と罰」そのものを精読したこと、その三つは、小林秀雄氏による「ドストエフスキイ※の生活」を読んだことである。なんとも贅沢な読み方をしたものだが、この作品に関して言えば、その価値が十分あったと思う。
この3冊を時系列的に表すと下記のような順序で読んだ事になる。
※筆者註:小林秀雄氏が書かれた本には、ドストエフスキーではなく、ドストエフスキイと書いてある。
この様に異なる三冊の本を通して、ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことは、この偉大なる作品に筆者なりの敬意を込めた読み方だったのではないかと自負している。
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