今日ご紹介する1台は、昨日の宇部店の作業から、ホンダのN-ONEです。
カロッツェリアの楽ナビを装着した状態で入庫となって、ベーシックパッケージの取付と、ベーシック防振の施工の、Wパッケージの作業を行いました。
まずはドアの内張と防水シートと純正の16センチスピーカーを一度取り外して、何も貼ってない外板裏に防振マットと防振メタルを貼り合わせます。
その場所の響きの周波数に合わせて、共振点の違う材質を響きの中心に貼り付けるピンポインとの防振を行って、トータルでドア全体の響きを静めています。
ブチルゴムを大量に使う方式と違って小気味良いサウンドになるのと、防振効果が高い割にドアが重たくならないのがメリットです。
純正の16センチスピーカーと防水シートを元に戻して、内張を組み付ければドアの作業は完了です。
ダッシュにはスタンドを使って適切な仰角と振り角を付けた、ピュアディオブランドのATX-25ツイーターを取り付けて、純正の16センチスピーカーと組み合わせて上質な2WAYスピーカーとして使用します。
なぜベーシックパッケージは純正のドアスピーカーを使用するかという事を説明しますと、国産メーカーのトレードインスピーカーは車のドアでこもりやすい400ヘルツ付近をはじめから弱くして、それで音がスッキリして聴こえさせているのですが、この400ヘルツ付近は音楽の成分としては実は重要な音域なのです。
例えば自分がコンサートを主催した時に会場を借りる時に、会場に備え付けのピアノを使用する時に会場から、「開演前に調律師を手配しますが、調律は441にされますか?、それとも442にされますか?」と聞かれます。
441とは441ヘルツを基準にピアノの調律を行い、442とは442ヘルツの1ヘルツ高くピアノを調律して、ジャズなどのアップテンポの場合は442で調律を行う事が多いです。
そのピアノの調律の基準になる400ヘルツ付近を車のドアでこもるからと初めから弱くしていると、音楽を知らない人は「こもりが無くなって音が良くなった。」と感じるでしょうが、音楽に詳しい方が聴かれると、「これは明らかにおかしな音だ。」という話になります。
それならその音域をイコライザーで持ち上げればレベル的には同じ音量になりますが、それはもう音色的にはおかしくなってしまうので、あえてトレードインスピーカーを使わずに純正のドアスピーカーをそのまま使用しています。
変なクセを付けていないスピーカーであれば純正と交換して更に音を良くするという事も出来ますが、音にクセを付けてメリハリを付けるのと、音を整えて本来の音楽に近くするのは全く手法が違うというか、ジャンルが違うと言っていいぐらいの差があります。
そして純正の16センチスピーカーとATX-25ツイーターの音域分けとインピーダンスとレベルのコントロールはグローブボックス下に取り付けたピュアコンで行います。
今回も純白のボビンにピンクのラベルの、自分が一から手作業で巻き上げたコイルで上質な音を再生させます。
そして楽ナビの音調整画面を出して、まず音場設定を一度かけてみたのですが、あまりに音がどぎついのでここはオフにして・・
タイムアライメントも音色がズレて聴こえるのでここもゼロにしました。
内蔵アンプの出力がフラットではなかったので、イコライザーをあれこれと調整してレベルを合わせて、最終的に聴感上のフラットにセッティングしました。
夕方にお客様が車を取りに来られて、音の仕上がりを聴いてかなりの変化に驚いておられました。
お客様は店内に飾ってある某ボーカリストの型のファンで、自分の好きなボーカリストに実際に会って生の声を知った上でのセッティングには、十分満足して頂いたのではないかと思います。
Posted at 2022/04/11 10:31:42 |
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