北里柴三郎記念館を訪ねて... 　お薦めの一冊

北里柴三郎記念館を訪ねて... 　

　世界に誇るべき医学者である「北里柴三郎」の記念館が、熊本県阿蘇郡小国町にあることを知ったのは今年に入ってからだった。今回その記念館を訪れ、大変有益な時間を過ごすことが出来た。

　北里柴三郎記念館は風光明媚な環境に位置し、受付の反対側には北里柴三郎博士の銅像が建立されており、敷地の中には、貴賓館、生家の一部、北里文庫（これが資料室になっている）、そして書庫がある。

　資料室内には北里柴三郎博士の直筆の文章や歴史的な資料、貴重な写真等々が展示されている。また資料室内には「北里柴三郎博士」の誕生からその生涯を閉じるまでのビデオが制作されており、最初にそのビデオを鑑賞した（15分程）。このビデオが実に良く出来ており、博士の歴史的な偉業は勿論のこと、博士の家族思いの一面や郷土愛に溢れた優しさを垣間見ることが出来る。

　帰りに、受付横に売店があったので、記念に「栞」（しおり）を購入した（写真参照）。本を読むときはこの栞を使おうと思う。「北里柴三郎博士」の余韻に浸りながら...

北里柴三郎博士のこと...  (北里柴三郎記念館の小冊子より）

「日本が誇る世界的な医学者北里柴三郎は、嘉永5年（1853) 総庄屋北里惟信の長男として北里村（現小国町北里）に生まれました。

　明治4年(1871)熊本医学校に学び、さらに東京医学校（現東京大学医学部）に進み、卒業後は内務省衛生局に勤務。その後国の留学生として結核菌の発見者であるドイツのローベルト・コッホに師事しました。ここで貴重な研究成果をつぎつぎと発表、とりわけ破傷風菌の純粋培養の確立（１８８９）と血清療法の発見（1890）は前人未踏のもので、世界の医学界にその名を轟かせました。

　帰国後、福澤諭吉などの援助により、伝染病研究所を設立、我が国の近代医学に大きな足跡をとどめました。

　大正3年（1914）自力で北里研究所を創設、昭和6年（1931）死去するまで終生わが国の公衆衛生、医学教育、医療行政の発展に貢献しました」

　北里柴三郎記念館の訪問に満足感を得ながら、三愛レストハウスに寄り「ゴボウ天そば」を食べた（写真参照）。猛暑の中ではあるが、ここの蕎麦が好きで、特に『出し汁』が抜群に美味しく、「温かい蕎麦」を一層引き立てている。ここへ寄るときは必ず「蕎麦」を食べるのが筆者の定番コースとなっている。

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「LOVE LESS ラブレス」桜木紫乃著　新潮社　
2011年8月25日発行　第19回島清恋愛文学賞受賞、第41回釧新郷土芸術賞受賞

　この小説を知ったのは、TVの本を紹介する番組だった。この作家の本は「硝子の葦」に次いで2作目だったので、当時話題でもあったこの小説を迷わず買い求め読んでみた。

　読んでみて納得の内容で、小説の中で描かれている「ある女の生涯」の凄さ... 　この小説の凄さは、解説よりはご自身で読んでみて分かる。

　桜木紫乃さんは、2013年149回直木賞を「ホテルローヤル」で受賞したが、本作品は受賞前の作品。人によっては、「LOVE LESS ラブレス」の方が直木賞受賞作品より遙かに面白いと言う声もある。

（amazonの本紹介の解説より）

「謎の位牌を握りしめて、百合江は死の床についていた――。彼女の生涯はまさに波乱万丈だった。道東の開拓村で極貧の家に育ち、中学卒業と同時に奉公に出されるが、やがては旅芸人一座に飛び込んだ。一方、妹の里実は道東に残り、理容師の道を歩み始めた。流転する百合江と堅実な妹の60年に及ぶ絆を軸にして、姉妹の母や娘たちを含む女三世代の凄絶な人生を描いた圧倒的長編小説」

桜木紫乃さんのこと...

北海道釧路生まれで、現在は江別市に在住。作品のほとんどが北海道、特に釧路近辺を舞台としている。