土方歳三の世界。その思いは永遠(とわ)に...
一昨日「土方歳三 上下」(富樫倫太郎著)を読み終え、静かに最後のページを閉じた...
筆者がこの人物「土方歳三」を明確に意識したのは、司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」と言う小説を読んでからだ。それまでは漠然と名前とその生き方は知っていたが、この小説が筆者に与えた影響は強烈だった。
それ以来、筆者は「新選組副長、土方歳三」と言う人物を忘れることなく、今日まで書物を通して関わりを持っている。
「燃えよ剣」の最後の場面が特に好きで、そのシーンを想い出す度に胸が熱くなる...
筆者自身の脳裏に浮かんだその思いを書いてみると... (下記文章は筆者の創作であるので、正確にそのシーンを知りたい方は、司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」をお読み頂ければと思います)
土方歳三は、もはやこれまでと判断し、一人馬に跨がり敵に向かって走り出し、敵の正面近くで止まった。
官軍の隊長らしき一人が、「おまえは誰だ... 」と大きな声で叫ぶと...
「新選組副長、土方歳三.. 」と堂々と答えた。
「あれが名高い新選組副長の土方歳三なのか... 」と官軍の幾人かが驚いた。
何発かの銃弾が肩、腹部および足に命中し、馬から落ちた土方歳三は、新選組副長として、 35歳の生涯を終えた。
(このシーンが歴史の中で本当にあったかは定かではないが、筆者は空想の中でこのシーンを思い浮かべ、深く感動している)
ここで筆者が拘るのは、「新選組副長」という名前だった。当時土方歳三は、榎本武揚率いる箱館政府の「陸軍奉行並」※と言う役職にあった。当然ながら、その時には「新選組」は壊滅していたので、名乗るとすれば、「陸軍奉行並、土方歳三」か、単に「土方歳三」だった筈である。しかし、敢えて「新選組副長、土方歳三」と答えたのは、新選組への「執念」と「近藤勇」や「沖田総司」その他の隊士の顔が浮かんでいたに相違ない。「新選組副長、土方歳三」として死にたかった土方歳三の「こだわり」をそこに見いだす。
※筆者註:陸軍奉行並とは陸軍奉行職に次ぐ地位。実戦の指揮は土方歳三がやっていたと言われている。
曾て函館に行ったとき、「土方歳三最期の地碑」(函館市若松町33-6)を訪れたことを覚えている。 (写真参照)
土方歳三、辞世の句...
下記が 土方歳三の辞世の句とされている。
「よしや身は蝦夷の島辺に朽ちぬとも魂は東(あずま)の君やまもらむ」
「たとえ身は蝦夷の島辺に朽ちぬとも魂は東(あずま)の君やまもらん」
「鉾(ほこ)とりて月見るごとにおもふ哉(かな)あすはかばねの上に照かと」
これらの辞世の句から、土方歳三の心情が読み取れる...
筆者の心の中に、今もなお灯り続けている「土方歳三」... その思いをいつまでも大切に持ち続けていきたいとの思いを「小説」に託している。
お薦めの一冊
2015年3月30日 初版発行
久し振りに「土方歳三の世界」に暫し陶酔した...
土方歳三の生涯が分かり易く描かれている。「鬼の副長」の顔の対極にある「優しい心」の側面を窺い知ることが出来る。土方歳三より一歩先に労咳で死ぬことになる沖田総司のその生き様も美しいが、土方歳三がその沖田総司に寄せる思いやりの深さに感動する。さらに、土方歳三が心を寄せる可憐な女性「佐和」との「ふれ合い」が何とも言えず愛おしい... その純粋さが一層もの悲しくなってしまう... 一気に読ませてくれた素晴らしい作品だった。
この本帯からのメッセージを紹介すると...
上巻:幼い頃の歳三は何を思い、誰と言葉を交わし過ごしたのか... 。
今だかつて描かれたことのない、誰よりも人間らしい土方歳三の生き様がここに!
下巻: 己の死を覚悟しながらもただ戦い続ける歳三は、最期に何を見たのか... 。どこまでも一途に、ただ己の思うがままに生ききった男の姿に心震える、渾身の一代記!
この小説の最後の部分を引用しておきたい...(下巻358ページ)
いわゆる「幕末」というのは、嘉永六年(1853年)六月、ペリー艦隊が浦賀に来航してから明治維新までの十五年間を指す。それは日本史における動乱と激動の時代と言っていい。
その時代に新選組は生まれ、土方歳三は副長として幕末を駆け抜けた。
そして幕末の終焉を見届けて死んでいった。
流星の如くに。
右記の2作品は、筆者がここ2~3年の間に読んだ「土方歳三」に関する小説。それぞれの著者が土方歳三への熱き思いを筆に託して書かれている。いずれも「土方歳三の世界」に、暫しの間身を置くことが出来る。秀作である。
「歳三 往きてまた」秋山香乃著 文芸社
「土方歳三」大内美予子著 新人物往来社
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